セントラルパークの連続自転車死亡事故

セントラルパークがやばい、というのはこのブログでも以前特集した通り。

が、ここにきて、自転車仲間からセントラルパークで死亡事故が起こったのを教えてもらう。


CRCAというニューヨークでも有名なレースチームに所属する31歳のローディー。

記事によればStravaを愛用していたらしく、日々セントラルパークでのタイムアタックの記録をアップロードしていたとのこと。

Stravaに記録された今年の走行距離によると、9月後半に起こったこの事件までの9ヶ月で既に9,000マイル(14,400km)。

ある意味「熱心なローディー」だったわけだが、そのとき事件は起こった。


セントラルパークの西側、緩やかに下るコースを時速35.6マイル(約時速57km)で走っているときに女性に衝突。

女性は左脳の脳死となり、数日後に死亡が確認された。

ロードバイクはJamisのEclipseで$4,000するとのこと。写真で見るとさらにTTハンドル仕様にしているので、もしかしたらDHバーを握った状態で突っ込んだのかもしれない。



ちなみにセントラルパークの制限速度は時速25マイル(時速40km)

下り坂であればロードバイクでなくても超えてしまう速度である(実際に折り畳みのブロンプトンで走っても越えてしまう)。

そんな状態だからロードバイクだと超えている場合も多く、ニューヨーク市警もスピードガンで取り締まり。




実はその1ヶ月前の8月にも、アッパーイーストサイドに住む75歳のジョガー(であり、サイクリストでもあったらしい)が、同じくセントラルパークで自転車に衝突されて死亡するという事件が起こっている

記事によると、今年に入って9月14日までに自転車乗りに対して発行された違反切符の数は468枚。うち233枚は歩行者優先違反。

去年から比べると2倍以上になっているとのことで警察もより一層取締強化をしている。

そしてそこに来てこの事件。

最早世間の論調は完全に自転車乗りに対して逆風。

New York Postの一面でも取り上げられるほど。

歩行者優先違反、信号無視、スピード違反はもちろん、イヤフォンをしながら走っているローディーも徹底取り締まり。




別のニュースでは信号無視をしているローディーが取り上げられたり、




スピード違反をしているポイントが地図付きで紹介されたり・・・。



ちなみにこの地図はレース※以外の時間帯の走行ログを元に作成されたとのこと。(※レースは公園と警察の許可の元、交通規制をして行われる)

皮肉なことに、Stravaがスピード違反を確認するための証拠となってしまっているのである。

さらに10月に入って、ブルックリンブリッジで警察官が自転車に衝突されて怪我をするという事件が・・・。



自分も引っ越す前は毎日プロスペクトパークを走ったりしていたがもういろんな意味で怖くてニューヨークは走れない。

といいつつ、自転車通勤で平日朝晩ニューヨークを走っているのでこうなるともういろんな意味で気をつけるしかない。

真っ暗になるとハドソンリバー沿いが走りにくいこともあり、セントラルパークを突っ切ることも多い。かといって一般道を走れば安全かというとそんなこともない(より危険な場合もある)ので、走らないというわけにもいかない。

が、さすがに完全に日が暮れた後では観光客やジョガーも少ない(加えて警察も少ないが)。

逆に高輝度ライトを付けて走る夜の方が、歩行者に気が付いてもらえやすいという点では昼間よりよっぽど安全な気がしてくるのであった。

4 件のコメント :

  1. 歩行者がいるところでTTは危ないですねえ。

    自分は車道を走っている時はちゃんと信号で止まりますね。
    一時停止は完全停止しないまでもすぐに停止できるぐらいまで徐行するようにしています。
    今日一緒に走った奴が何度か信号無視してましたけど・・・。

    通学はトレーニングにはなりませんがいつもゆっくり走ってます。
    大学が町中にあるので速度出すの怖いです。

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    1. 同じ自転車乗りながら文句を言いたくなるサイクリストも多いですね。
      今日は逆に自分が歩行者として、道を逆走してくるサイクリストにぶつかりそうになりました。
      マンハッタンは一方通行の道ばかりなのでそもそも片方しか車輌が来ない前提で歩行者が歩いており、逆走の危なさを改めて感じました。
      通勤路でも坂があるルートを選べばスピードを出さなくても十分トレーニングにはなるので工夫次第だと思います。

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  2.  stravaも罪作りな事になったんですね。記録に残そうとすると一般道で無理をしてしまうのでしょうか?
    日本でも自転車と歩行者の事故は増えており、賠償金は車と同じですから大変です。自動車事故処理に従事する者なら誰でも知っている別冊 判例タイムズ38では第二章 歩行者と自転車との事故として73ページにわたって説明されています。
     ですからこれはアメリカNYだけではなく日本みたいな田舎でも頻繁に発生していると言う事だと思います。
    私はロートレしますので、年間で一万円前後の掛け捨ての自転車保険に加入しています。
    好きなことして、死んだり、怪我したりする自転車乗りは仕方ないと思いますが、何も過失のない歩行者にロードバイクで突っ込んで怪我をさせたり、死亡させたりすればそれは犯罪ですよね。 善良な老若男女がそう言う事に関係してくるところが非常に怖いと思います。
     紹介記事で亡くなられた方、怪我をされた方には心より哀悼の意を表したいと思います。    合掌

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    1. そういえばこのブログでも取り上げましたがStravaでタイムアタックをしていた男性が事故死した事件がありました(結局遺族の訴訟に対してStravaが勝訴しましたが)
      http://velonews.competitor.com/2013/06/news/strava-wins-dismissal-of-civil-suit-over-berkeley-death_289714

      今回のことでも新たにStravaが槍玉に挙げられてました。
      http://www.ibtimes.com/did-strava-app-play-role-deadly-central-park-cycling-accident-1695078

      確かに言ってることには納得できる部分もあります。曰く、Stravaはレース運営者と同じくコースを設定して最速タイムを競わせて利益を上げているのでやってることはレース運営者と同じ。レースであれば運営者が警察から道路使用許可を取って交通規制なりするのに対し必要な対策を取っていないと。

      レース運営者はむしろ難病の寄付団体であったりレーシングチームが利益度外視で運営していることもあり、より地域社会と密接型である(地域振興とも結びつく)ことを考えるとやはり罪作りなのかもしれませんね。

      他の競技場やグラウンド、コートで行われるスポーツと違い一般道を使用する以上、そこのあたりは(裁判の結果に限らず)問題がありそうです。今回の「事故」は刑事事件としても捜査しているらしく、記事を読むと歩行者を怒鳴り散らしていたりと未必の故意が認められてもおかしくなさそうです。

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