というのも、前回のエントリで記載した通り、例えば第2ステージから第4ステージ、三日間の間、何時間も見ていても総合優勝争いには変化が見られない。
一方でツール開催に重なって開催されていたのはテニスのウィンブルドン選手権に、サッカーのワールドカップ。
方や90分の間に7対1の目まぐるしい展開を見せたドイツ・ブラジル戦、方や連日数時間見続けても変化がないツールの順位。
ツールが日本で大衆受けしないのはそういった面もあるのかもしれない。
別に大衆受けしなくても、分かってる人だけ見ればいいという意見もあるかもしれないが、自転車競技の裾野拡大のためには大衆に人気が出ることも必要であろう。
そういう意味では、何度も目の前を走り、どんどんと展開が変わるジャパンカップやさいたまクリテリウムは良いプロパガンダなのかもしれない。
ただそれでもいただけないのはこの報道・・・。
自分はこういうニュースを見る度に、全く日本にロードレースが理解されていないということを思い知ることになる。
時事通信:新城、総合124位=ツール・ド・フランス
スポニチ:新城は第4Sで128位 ツール・ド・フランス
日経新聞:新城、第5Sは175位 ツール・ド・フランス
東京新聞:自転車、新城は85位 ツール・ド・フランス第6戦
これらはツール・ド・フランスが日本で100%誤解されてしまっているのを示す報道といえる。
このブログを読んでるような方々には釈迦に説法だが、ロードレースはチーム戦である。
198人が優勝を競い合うゲームではなく、9人で協力して22チームが優勝を目指すゲームである。
が、これらの報道はチーム戦であることを全く理解していない。
アシストの場合、通常ステージはもちろん、個人タイムトライアルであっても翌日以降のアシストのため、無駄な足を使わずに限界まで追い込まない。
が、それが日本の報道では「○○、第○ステージは最下位でゴール」となってしまうわけである・・・。
つまり、報道の仕方は「新城は何位だった」ではなく、「新城の所属するヨーロッパカーは○○だった」であるべきである。
以前、どこかで「日本のスポーツマスコミは野球とサッカーとガンバレ日本だ」と読んだことがあり的を得ていると思った。
まさしく、日本のマスコミにとっては日本代表たる新城が何位だったかしか興味がなく、トマ・ヴォクレールがどうなろうがどーでもいいんだろう。
そして卵か先か鶏が先かはわからないが、ロードレースに詳しくない一般大衆にとってもヴォクレールの活躍(=チームヨーロッパカーの、新城の活躍なのにである・・・)はどーでもいいんだろう。
たとえヴォクレールが疲れ果てて舌を出していても・・・、
疲れてなくても舌を出していても・・・、
おどけていても・・・、
マイヨ・ジョーヌに着替えていても・・・、
勝利の雄叫びを上げていても・・・、
他の選手がナーバスになる中、1人レキップ紙を読んでくつろいでいてもどーでもいいんだろう・・・。
ただ唯一の光明は、サイクルスポーツ関連のサイトはさすがわかっている報道をしていることである。
ヨーロッパカーは全員無事にゴール 久々パヴェの新城幸也「完走できてほっとしている」
こちらのニュースの記載もまさしくロードレースに適したコメントだと思うし、上掲の「新城は○位だった」系の一般報道とは比べものにならない。
新城、マナーの悪い観客にストレスフル。ツール第2ステージはイタリアチャンピオン、ニーバリが逃げ切り勝利
「新城はエース、ピエール・ローランのために献身的なアシストをするも、チームに勝利をもたらすことは出来なかった。」
このような報道が増えてくれることを願うばかりである。
そして「新城は○位だった」系の報道をしてる人にはぜひこの本を読んでもらいたいものである。
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