地獄の夜通し水漏れ対応とサイフォンの原理

水漏れ発覚日

先日のこと、洗面所に入るとマットがびちゃびちゃ。まだこちらは寒い日が続くので冷たさで跳びのきそうになった。

これまでも子供たちが歯磨き時に水をこぼしたりということがあったので、またかと思ったが、どうやら水漏れしているらしいことがわかる。

洗面台の棚を外して水道管部分をチェックすると、ポタポタと水が漏れている。

昨年後半でもキッチン部分の排水管から水漏れがあったが、今回はなんと給水管。

さらに問題は、うちの止水栓は古すぎて回らないということ。

こちらでは珍しくないものの、築70年ということもあってところどころ老朽化しており、特に止水栓は固着している上にバルブ部分が欠けていて、とてもではないが回せない状態

水漏れしている部分は止水栓と給水管のコネクション部分なので、せめて給水管を増し絞めしてみようとレンチで回してみる。

が、締めても状況が良くなるどころがむしろ水漏れが増したように見える…。給水管も止水栓同様古いので、なまじ動かすと固着部分が剥がれて事態が悪化するようだ。

とりあえずポタポタ程度で、バケツを置いておけば翌朝でも溢れかえることはなさそう。

夜も遅いし翌日出社なのでその日は就寝。

水道管破裂か…

朝はまだポタポタ状態。とりあえずエポキシを詰めて少しは改善されるか試しつつ出社。

が、仕事中に妻から水漏れが激しくなってきたと連絡を受ける。

帰宅後にチェックするとたしかに水漏れ量が多くなっていて30分に1回はバケツの水換えが必要な状態に。

Plumber(水道修理会社)を呼ぶ必要があるが、うちの家の止水栓が壊れているため、水を止めるには30世帯ほどあるコンド全体の水道供給を止めないといかず、管理会社に連絡をとってウォーターシャットダウンを調整してもらう必要がある

最速で翌日の午前中ということで、とりあえず今夜は自力でなんとかするしかない…

結局この日の夜には水が噴き出して飛び跳ねる状態にまでなり、戦々恐々として眠れない夜を迎えることになる…。

サイフォン原理で水を排出

とりあえずタイマーをかけて30分ごとにバケツに溜まった水を空にしつつ、ネットで水漏れを緩和させる方法等々を調べる。

今朝試したエポキシ補修材や、ダクトテープも試したがダメ。やはりそもそも止水栓で水を止めれないのが問題で、ネットでの応急処置とかも、「まずは水を止めて、水気を完全にふき取ってからテープ(や補修材)で塞いで、24時間待ってから水を流して確認しましょう」といった感じで、水を止められること前提なので、常に水が漏れている状態では応急処置をしても水圧で隙間から流れ出てしまう。

そして夜中の1時過ぎになってさらに水漏れ速度が上がってきて、30分タイマーではいつの間にかバケツから水が溢れていて床がびしゃびしゃになってしまった。

あまりの水漏れで下にある1階のキッチンの天井からも水が漏れてきて大変な状態に。

給水管からは絶えず水が噴き出している…。

これ以上漏水部分には刺激を加えない方がいいと判断し、ジップロックを被せて水が壁に飛び散らないようにして排水が溜まった際のバケツの処理にだけ注力するように。


タイマーを20分に設定して引き続き細切れ時間で調べもの。と、サイフォンの原理で排水する方法を見つける(以下画像は警視庁警備部災害対策課のツイートより引用)。

灯油ポンプの存在は知っていたが、今回のことに応用することを思いついてなかったので渡りに船。

とはいえ灯油ポンプはうちにはないので、1本の普通のホースを使ってこんな感じで排水する。

とりあえず妻と一緒に試してみて成功。

バケツ側に溜まった水を、水面より高いところにあるホースを通じてバスタブ側に流してくれる。

ただこの方法だとバケツ部分は真空になったホースを突っ込むときに両手での作業が必要になるため、もう片方をバスタブ側で真空にしておくために人手が2人必要になる。

さらに改良というか口で吸いこんでサイフォンを稼働させるという、ホース1本で可能な原始的サイフォンを実行(以下の②)。これで一人でも対応が可能になったので妻には先に寝てもらう。

サイフォンのおかげで重いバケツを置き換える必要はなくなったが、排水が完了すると空気が入ってサイフォンが機能しなくなり、一度空気が入るとホースを経由せずにバケツに水が溜まっていくので引き続き定期的なサイフォン化(ホース内の真空化)の作業が必要。

調べるとアクアリウムの水槽とかでオートサイフォンを実現している例もあるのだが、緊急で道具も揃っていない今の状況ではとても実現不可能で、結局サイフォン切れした後に水がまた溜まったタイミングで人力でサイフォンを起動させるしかない=寝れない。

長い夜

少しでも事態を改善できないか調べものをしつつ、溜まった水を排出するというサイクルを繰り返していると夜中の2時。

この頃には15分間隔でも水が溢れてしまったことがあり、最終的に10分間隔で排水作業をすることに。

自分も少しは寝ないと体がもたない、一方で現場から離れると洪水状態になっても眠りこけるかもしれないので、洗面所のすぐ隣に座布団を敷き詰めて簡易仮眠所を作り、深夜3時ごろから10分仮眠→サイフォン起動をひたすら繰り返す

文字通り夜通しでそれを30回以上繰り返してやっと朝を迎える…。

睡眠をとってもらった妻に子供たちの支度&登校はまかせて自分は引き続き排水対応をしつつ仕事開始直前まで10分仮眠をして少しでも体力を回復させる(この日はさすがにリモートワークにさせてもらった)。

そして午前11時ごろ、Plumberがやっときてコンドの給水をシャットダウン。無事に止水栓を含めた給水管の交換を終える。

交換してもらった元の止水栓を見ると、長年使い続けてきたせいで冷水、温水ともに水のカルキなりで錆びついて自由の女神みたいな色になりつつある。いつ壊れてもおかしくなかったんだなと納得。

排水方法について

今回の教訓をもとに考えると、水道屋が来るまでの緊急処置としてやはり重要なのは排水対応。

排水対応をミスって浸水すると床材からなにからダメにしてしまうので被害甚大になる。今回ももし起きれずにそのまま寝入ってしまっていたら1階にまで浸水被害が及んで大変な事態になっていただろう。

そもそも自動排水ができれば人力で〇分ごとに起きて対応する必要がなくなるので、自動排水装置はいざというときのために家に常備しておきたいと思った。

排水の処理対応を考えるとこんな感じで順番に洗練されていき、睡眠を確保するためには4の実現が必須になる。

  1. 定期的に人力でバケツに溜まった水を流して取り替える(バケツ自体を持ち上げる必要ありで眠い深夜にはきつく、こぼそうものなら床下浸水)
  2. 定期的に原始的サイフォンでバケツに溜まった水を流す(力技は不要でバケツの水をこぼす心配もないが、定期的に起きて対応が必要、うまく真空化できないとサイフォンが失敗するので何回かトライする場合もあり)
  3. 定期的にサイフォン器具でバケツに溜まった水を流す(灯油ポンプのようなサイフォン専用器具を使うので失敗回数は減るが、引き続き定期的に起きて対応が必要。2が少し楽になる程度)
  4. 電動排水ポンプでバケツに溜まった水を流す(定期的な見張りが不要になるので排水は機械に任せて人間は寝ることができる。デメリットは夜通しの騒音は近所迷惑になりそう)

自動排水ポンプのお国事情

アメリカではUtility pumpや、Sump Pump、Submersible Pumpという名称で売っているが、排水ポンプは大きいものばかりで、大雨で地下浸水時とかに吸い出したり、プールの水を抜いたりといった目的のものが主流っぽい。

これだと今回のような、夜通し排水用に動かし続けるには騒音が大きいし、そもそも大きすぎて洗面台下のスペースに置けるバケツに入らなかったりでもっとコンパクトなものが望ましい。

ところが日本のサイトを調べてみると、お風呂の水を洗濯槽に移し替える用のバスポンプがたくさん出てくる。どれもアメリカのよりも小さくて騒音も少なそう。それに価格もアメリカのものの数分の一。その分パワーは足りないかもしれないが、水道屋が来るまで給水管からの水漏れを排水するには十分だと思う。

そういえばアメリカではシャワーばかりでお風呂に浸かるということがなく、そういう生活習慣の違いもあってお風呂の水を洗濯に使うという発想自体もないのか※その用途のバスポンプなんてものは売っていない(※それにマンハッタンのような大都市のアパートではランドリーは共同スペースにまとめられてたりする)。

実際、自分の周りでもお風呂に入った水を洗濯に使っているという人を聞いたことがない。

こんなジャストミートな商品があるとは、日本おそるべし!日本に生まれたかった!って生まれたけどw

ようし決まった、次に一時帰国したときはバスポンプを買ってこよう (๑•̀ㅂ•́)و


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