先日のこと、いつものように通勤していると、カチッカチッと後輪で何か音鳴りがしています。
何かと思ってチェックしてみるとなんとスポークがちょん切れてました。
とはいえ、昔使っていたボントレガーのアイオロス(スポーク16本でUCI規定ギリギリ)などとは違い、20インチの小径ホイールに28本もスポークがついているため1本折れたくらいでは走行感に違いはなく、音がなければ気づかなかったほどです。
ホイールの振れが大きくなればディスクブレーキのローター部分でシャリンシャリンと音鳴りが出てくるはずなのですが特に干渉することもなく、(とはいえ完全にTruingされてるとも言えないので)いわゆる「走行に影響ないような通常の振れの範囲内」に収まっているようです。
スポーク注文
まずは替えのスポークを買わなければということで調べてみると、ダホンVisc 18Dの20インチホイールでは14Gの太さのスポークが使われています。
ただスポークの長さまではわからず、タイヤを付けた状態でおおよその実測値を測ると180mmくらい。Redditで調べた一般的な20インチホイールのスポーク長とも近似してます。
ちゃんと測るなら全部外せばいいのですが、ちょん切れたスポークは端の部分が消失してしまっているので他の(ちゃんと張っていて振れもOKな)スポークを外さないといかず、日々通勤で自転車が必要になる中で、スポークを外して組み直すにしても振れ取りが必要になるしで面倒くさそうです。
精緻に計測する手間、そして組み直しが間に合わずにバス&地下鉄通勤になった場合の費用や時間を考えると、まあスポークなんて高いものでもないんで180mm前後を何本か買っておけばいいかなと思うことにしました。
が、オンラインショップではスポークのばら売りって意外とされていません。
そんなかの救世主がアリババのAliExpress。最近話題のTemuではばら売りは見つかりませんでしたが、AliExpressの出品者はコメントで指定すればどんな長さでもカスタムメイドで作って5本単位で送ってくれます。
コメント欄で178mmから2mm刻みで184mmまで指定して注文を出します。1~2mm程度の違いなら互換性があるのでこれだけカバーすればなんとかなるはずと思っていました。
これまで軽量中華カーボンホイールでホイールが破裂した経験を持つ人柱の自分ではありますが、高技術のカーボンならいざ知らず、元々自転車大国ということで実績は申し分ないわけだし、ステンレスなら大丈夫なんじゃないかと思うことにします。
まあこっちで売られてる部品もほとんどはメイドインチャイナですし、AmazonやWalmartのマーケットプレイスでは中国からの出品もいっぱいありますし、ぶっちゃけAliExpressやTemuで買うのは中間のAmazonやWalmartにマージンを払うかどうかの違い※でしかないのかもしれません。
※マージンを払ってる分、悪徳業者や低品質業者がスクリーニングにかけられてて当たり外れがないというのも付加価値なんでしょうが、Temuの出品者への罰金厳格化への抗議デモを見てむしろそういった部分の改善に起因してるんじゃないかとも思います。まあ出品者に故意や悪意がなくてもそもそもの品質基準やカスタマー対応に対する考え方が日米のそれとは違うというのもあるんでしょうが。
スポーク到着まで
スポークが到着するまで2週間ほどかかるのでその間は折れたスポークのまま自転車通勤です。
カチャカチャ隣りのスポークにあたると折れてないスポークにまで悪影響が及びそうなので、ちょん切っちゃってもいいんですが結束バンドで固定して走ります。
幸い振れも大きくならず通勤し続けれたのはさすがスポーク本数が多い街乗り用自転車ならではだと思いました。
ただ最近チェーンの歯飛びが起こるようになってきました。ギアがガチャガチャずれるわけではないのでディレイラーのせいではなく、ディスクローターも擦らないので振れが出ているわけでもなく、チェーン長さも伸びているわけではないのでスプロケのコグが怪しそうです(後半に判明します…)。
スポーク交換
そしてやっと届いたスポーク20本。
さっそくクイックリリースレバーを緩めてリアタイヤ外していきます…、が、外れませんw
ロードバイクなら3秒で外せる後輪ですが、小径車でディレイラーとの間がギチギチに狭いせいかプーリーと干渉して外れず、しょうがないのでバーエンドの根元からディレイラーを外してリアホイールを取り出します。
そこから空気を抜いて、タイヤとチューブを外します。
さらにリムテープを外しますが、かなりピッチリと張り付いているので指先では取り出せず、届いたスポークの角を使って引っ張りだして外します。
そして折れたスポークはスプロケ側だったので、大変な状況になっていた(後述)スプロケも外してやっと折れたスポークへアクセスできました。
この状態で測ってみると178mmでもちょっと微妙そう…。176mmが正解だったか…。
とりあえず178mmでもなんとかなりそうだったのでスポークをしならせながら装着します。178mmだとスポークのニップルから少しだけ突き出てしまうので途中からリムの中からはマイナスドライバーでは回せなくなるのですが、横からスポークレンチで回すことで対応。この程度の突き出たスポークであればリムテープを貼ればパンクには至らないのでなんとかなりました。
そして振れ取りでわかりやすいように交換した箇所にマーキングして、持っててよかったミノウラの振れ取り台を用意します。使用頻度は少ないんですが、あるとないとでは大きく変わってくるツールであります。
今回は折れた側に寄ってるかと思いきや、一部反対側に振れている部分もあり、結局ホイール全体を振れ取りするような形になりました。
こんなもんかなという0.5mm以内くらいまで振れを取ってよしとします。巧い人は完全に振れ取りするし、JISの規格では2ミリだそうですがまあ自分はこのくらいで。悪路も走る通勤用なんでまた時間が経てば振れますし…。
ということでスポーク交換が終わったら逆の手順でリムテープを貼り、チューブとタイヤをはめてバーエンドとディレイラーを装着しなおして完了。その後試し乗りし、今日も通勤で32km走りましたが問題なく、むしろ後述のスプロケ掃除のおかげでかなり快適になりました。
ちなみに今ブラックペアン2のドラマを見ているんですが、患部を直すためにタイヤやチューブやリムテープを外して患部に到達し、治療が終わったら閉じて元通りにする感じが手術みたいだなと思いました。
スプロケットの掃除と摩耗
と、無事に終わったスポーク交換ですが、無事に終わらなかったのがスプロケット。
スポーク交換の際にリアホイールを外したついでにスプロケをチェックするとかなり泥を吸い込んでいたのがわかりました。
ピックを使って掻き出そうとすると金属の摩耗片と混じったのか半金属化したような塊が出てきます。
スポーク交換でスプロケ自体外すことになったのでコグを1枚1枚拭いていきます。
この汚れがチェーンの歯飛びの原因だったのかと思っていると、15tのコグを拭いているときに歯の鋭利さが気になりました。
あれ、15tだけずいぶん尖ってなくね?と思って比べてみます。
ずいぶん違う…。
この点、
- 自転車通勤では毎朝晩同じ道、特にルート上で一番長い川沿いは平坦なため使うギアに偏りがでる
- 小径車の場合、タイヤ周長が短いため高ギア比に固定化されやすい
- 小径車フレームのためチェーンラインがずれて11速でも実質7速しか使えない
という3点が大きく影響していると思います。
特に3点目と相まって、15tが実用上のアウタートップになってしまって追い風のときは空回りするため、それより上の速度域で走る場合はケイデンスの回転数で調整することになり、アウター&15tで走り続けることになります。
こうなると以前ブロンプトンで富嶽三十六景の波状態になっていたコグが思い起こされます。
スポークだけじゃなくてこれも交換しなければということで替えの部品を探しますが、これまたスポークと同じでアメリカではコグをばら売りしているところはほとんどなく※、スプロケ全体を扱っている店ばかり(※あるにはあるんですがシングルギアのフィクシー用だったり)。
コグもやはりAliExpressでばら売りしているのでこういうときはありがたいです。
と比べてみるとたしかにずいぶん違います…
葛飾北斎になる前に交換しなければということで、一番使って擦り減っている15tと17tを注文しました。
まとめ
スポーク交換から振れ取り、スプロケの掃除にコグ交換発注ということで、元々スポーク交換のみだったのが結果的にはオーバーホールのようになりました。
とはいえコロナのリモート文化の大きな巻き戻しにあって、出社することで生活費を稼いでいる今となっては自転車は毎日の足というか飯のタネと言っても過言ではありません。
やはり定期的なオーバーホールは大事だなと思わされました。
ちなみに今回一番驚いたのは、そういえばダホンのVisc D18にしてからまだ一度もパンクを経験していないこと。途中コロナの期間があったとはいえ、4年半以上経っても一度もパンクしてません。
パンクよりも先にチェーン交換が2回来て、スポークの方が折れたりということを考えると、いかにシュワルベビッグアップルのタイヤの対パンク性能が高いかを認識させられます。
ビッグアップルはニューヨーク市の愛称なのでまさにニューヨークの悪路を走るためのタイヤの面目躍如といったところでしょうか。
と言っているとマーフィーの法則でパンクに遭いそうなのでここらへんで止めておきます…。
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