それはこれら究極の物欲たちのためといっても過言ではない。
前回のホームジム実現のための「不動産」という究極物欲に加え、今回の物欲はそれを越えた究極の物欲・・・。
ここまでくるともはや「物」とはいえないかもしれないが、あくまで物欲の延長線上ということでご紹介させていただきたい。
というかどんな高価なロードバイクやホイールよりもトレーニング時間の方がよっぽどパフォーマンス向上に寄与するのだから、これぞ他の全ての物欲に勝る物欲オブ物欲と言えるだろう。
トレーニング時間
自転車やマラソンのような有酸素運動ベースのスポーツで特に重要なのはトレーニング時間。
日常的にそれなりの時間を確保しないとパフォーマンスアップは難しい。
こちらは11月のCycling Weekly雑誌の特集で「ピーターサガンのトレーニングの秘密」と題して1週間のトレーニングを公開している。
1週間のトレーニングといっても紹介されているのは11月というオフシーズンにおけるベーストレーニング。
あくまでオフシーズン中の基礎トレーニングスケジュールであるのだが、それでも平日のライド時間は平均で3時間。この3時間というのはライド時間だけで、ウエイトトレーニングの時間はそれとは別にとっている。
まったくウエイトトレーニングをしなかったとしても、ライドの準備やライド後の着替え、シャワー等々で1時間は必要になると考えると平日4時間はかかることになる。
また、マウントワシントンヒルクライムで優勝しているコンチネンタルチーム所属の選手が公開している記事では、1週間のトレーニング時間を20時間としている。
こちらも7日で割れば1日あたり3時間弱。1日完全休養を入れると1日あたり3時間20分となる。
回復時間
トレーニングにも増して重要なのは回復時間。
筋肉はトレーニング中ではなく回復中に強くなっていくことを考えると、回復時間を含めて広義のトレーニングといえる。
また、プロとアマとの決定的な差といわれるのも休息に充てられる時間の違い。
カーマイケルの著書では8時間~10時間の睡眠が必要と書かれており、上記のアメリカのコンチネンタルチームの選手も10時間の睡眠を取ると紹介している。
You can expect to need at least 8 - but often 10 - hours of sleep a night while you're in training.
巷では3時間睡眠とかショートスリーパーになる方法とかもあるが、日常的に運動して競技スポーツをしているアスリートにとっては短時間睡眠は百害あって一利なしだろう。
逆に言えば、疲労困憊になるまで体を酷使できているからこそ10時間も寝られるし寝る必要があるともいえる。
そういえばあるトレーニング本に、パフォーマンスが向上しない人の特徴として、「休むべきときにちゃんと休めておらず、追い込むべきときにちゃんと追い込めてない」ということが書いてあったが、追い込む能力と休む能力こそ競技力向上のために必要な素質なのかもしれない。
ちなみに睡眠時間が確保できない場合について、カーマイケルは3時間くらい昼寝することで睡眠不足を補えとコメントしている。
暗黒のブラック時代
一方で、自分が日本で総合職のサラリーマンをやっていたときの生活は上記とはかけ離れたものだった。
仕事が終わるのは午後10時過ぎ、朝は7時台には出社・・・。
通勤も満員電車に揺られて1時間はかかるので家にいられるのは午後11時から朝6時までの7時間。
食事、トイレ、シャワーといった生活必需時間を短く1時間とっても残るのは6時間。
しかもそれは平均で、忙しいときや断れない飲み会が入ると自宅に着くときには日が変わっていることもしばしば・・・。
4時間のトレーニング時間と10時間の睡眠時間などサラリーマンにとっては夢のまた夢、いわんや3時間の昼寝など日中働いていたら不可能・・・。
自由の値段
注意しておきたいのは、上記で挙げた例はあくまで仕事とトレーニング(広義のトレーニングで休養も含む)の時間だけということである。
どんなに熱心なサイクリストであっても、仕事とトレーニングだけで生きてるわけではない。
家族や子どもの世話をしたり、家事をしたり、友人と話したり、メールやLINE、ネットをする時間なども現代社会で生きていくためには必要だろう。
それに趣味が自転車しかないならまだしも、他の趣味もある場合にはそれらの時間も確保できてこそ、健康で文化的な最低限度の生活であるといえる。
14時間のトレーニング時間に加えてそれらの時間もと考えると、たとえ朝9時~午後5時の定時で働くことができたとしても時間が足りなくなる。
となると選択肢は2つ、
- プライベートや趣味を犠牲にして社畜となるか
- 不労所得を手に入れて社畜を卒業するか
必要な不労所得を計算するのは簡単で、自分にとって必要な1ヶ月のお金がわかれば逆算することができる。
たとえば税率20%で、税引き後に28万5千円の月間可処分所得が必要とすると、年間必要所得は約427万円(≒28.5万円 ÷ 80% × 12ヶ月)となる。
ちなみにこの例は2015年の日本人の年間所得中央値に合うようにしており、その427万円を不労所得で手に入れるとすると、5%の利回りで8540万円、10%で回すと4270万円の元手が必要になる。
なお、必要元本は利回り自体で大きく変わり、乱高下のある株式のキャピタルゲインなどは安定的な定期収入とはならないのであくまで配当金や利子によるインカムゲインで考える。
インデックス投資として指数連動型のETFを見ると、TOPIX連動型上場投信信託(ティッカー1306)の分配金利回りは1.75%、日経225連動型上場投資信託(ティッカー1321)は1.37%となっているので、平均して1.5%程度と考えておく(数字はどちらも2016年実績)。
となると、427万円の年間所得に必要な元本は427万円÷1.5%=2億8千6百万円となる。
不動産の数千万円に、経済的自由の数億円・・・。
まさに究極の物欲である・・・。
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