��エントリ目となる、ロングアイランド一周ライド特集だが、各ライド日のエントリは終わったので、最後はこれまでを振り返ってのまとめと、三日間に共通していえること等を書き記していきたいと思う。
写真中心のライド日と違って、テキスト、データ中心になるが、ロードバイク乗りにとっては一番情報が詰まっているエントリだと思うので、目を通してみていただければと思う。ちなみに最後に今回撮った動画も載せている。
■バックナンバー
その1:アメリカ本土最大の島はどこだ?
その2: ロングアイランド一周計画と準備
その3: 一日目 東へ
その4: 二日目 最果ての地へ
その5: 三日目 チェーンとの格闘
■ロングアイランドのおさらい
その1でも説明したが、ロングアイランドはアメリカ本土最大の島である。
この点、アメリカ本土(Wikipediaリンク)とは、Continental USと呼ばれ、ハワイとアラスカを除いた48州を指す。
オンラインショッピングや、eBayで買うときにも、よく「Will be shipped within the continental US」という表記がされることがある。アラスカとハワイは地理的にも離れているし、送料も、税金含めた州の法律も違いが大きいので別扱いされることがよくあるのである。
で、ロングアイランドは、アメリカ本土最大の島であると同時に、アメリカ合衆国全体では10番目に大きい島でもある。ちなみに一番大きい島はハワイ島、2位から9位はすべてアラスカにある。詳しくはこちらのサイトを参考。
ロングアイランド(Wikipediaリンク)は、長さ190km、最大幅37kmであるので、地理上の数値としては、(190km + 37km) x 2 = 454km が、ロングアイランドの外枠を囲った場合の一周の距離になる。
この点、今回のライドでは西端から入り、南側を抜けて東端に到達し、北側から帰っており、総走行距離としては488.9km走っているので、マンハッタンを走った往復14km分を除いたとしても、少なくとも外周より多く走ったことになり、文字通り一周といえるだろう。
■走行データ
総走行距離の話しが出たので、今回のライドの記録を残しておく。
日付 | 距離 | 時間 | 平均速度 | 最高速度 | 消費kcal | 平均心拍 | 最大心拍 | 平均ケイデンス | 最低気温 | 最高気温 |
1/4 | 214.70km | 11時間49分 | 18.1km | 43.0km | 7597 | 151bpm | 191bpm | 79rpm | -6°C | -1°C |
1/5 | 128.94km | 6時間59分 | 18.5km | 50.8km | 3888 | 143bpm | 174bpm | 70rpm | -7°C | -2°C |
1/6 | 145.26km | 8時間37分 | 16.8km | 58.1km | 5156 | 143bpm | 179bpm | 66rpm | -4°C | 0°C |
ちなみに平均速度は、停車している時間も含まれている。
つまり、信号待ちだったり、写真を撮ったり、昼食休憩を取ったり、Garmin 705の設定をチェックしていたり、チェーンを直したり、凍結したクリートやプーリーの氷を削り取ったりしている時間も0kmの時間帯として平均されている。
三日目に向けて疲労が溜まってくるのはもちろんだが、二日目からは特にこれまで書いたような機械系のトラブルに襲われた分も影響している。特に三日目はアップダウンが激しかったが、平均速度が遅い割に最高速度が一番出ているという数値にもそれが現れている。
温度にしても、肌で感じて自転車で感じた気温が、実際の最高、最低気温とマッチしている。どうやら-6°Cから-1°Cではボトルケージのドリンクが凍りだし、-7°Cから-2°Cの気温ではプーリーが凍結を始め、逆に-4°Cから0°Cではドリンクがなんとか凍らずにすむくらいの温度のようだ。二日目は海風をもろに浴びる東端を走っていたので実際の体感温度はもっと寒かったが、温度の違いを体感しながら旅をできたのは、自転車の旅ならではで良かったと思う。
ただ、数値で見る以上に、今回の特別事情(?)もあるのでそれを振り返って行きたいと思う。
■真冬の特別事情
��日間に共通して言えることとして、真冬のライドということもあって以下3つが気候的要因による難敵だった。
・日が出ている時間が短いこと
・休憩すると逆に体力を奪われること
・「オンロード」のはずが雪のせいでオフロードになっていたこと
ニューヨークは緯度が高いこともあり、冬は日が沈むのが早い。
当日の気候情報では、日の出が午前7時20分、日の入が午後4時40分である。
逆に夏はサマータイムもあるので日が出ている間が長い。
半年前となる2009年7月の第一月曜日では日の出が午前5時半、日の入が午後8時半である。
日が出ている時間を比べてみると、冬(今回)は9時間20分だが、夏は15時間であり、夏に比べて5時間40分も日が短いことになる。
つまり、夏であれば5時間40分の余裕ができるので、その分休憩も取れればロングライドもできる。
一方冬は日が短いので、暗くなる前に走りきろうと思ったら、休憩もとらずにひたすらこぎ続けなければならない。
それでも一日目は雪原化した砂州を走ってたときに、まだ30km以上ある状態で日が暮れてしまった。
上記のように日が短いので休憩しにくい状態である上に、冬の極寒の中であるので、立ち止まると体が一気に冷えて体力を奪われてしまう。実際、一日目に公園(といっても雪で埋もれていた)で休憩を取ったところ、体は冷えて震えが止まらず、足の指は冷えて感覚がなくなり、クリートは凍結してはまらなくなりで、お尻や脚の休憩になった代わりに失ったものも大きかった。ちなみに足の小指は、ロングライドから帰って来て三日経った今でも、しもやけ状態が治っていない。
通常、日本一周や世界一周してる人のブログ等を見ていると、ランドナーで走っている人が多い気がするが、今回はまがりなりにもニューヨーク州の公道を、荷物もあまり持たずに走るということで、ロードバイクで走った。だが、この「まがりなりにもニューヨーク州の公道」というのがミソで、少なくともGarmin 705でPaved Road(舗装路)を指定してルートを設定していたのだが、雪のおかげで事実上舗装されていない状態「オフロード」になってしまっていた。
ここでまず言っておきたいのは、雪といっても、綺麗な真っ白い新雪ばかりではなく、むしろ車のタイヤにもまれて泥と合体した茶色の半分水状態になったグチャグチャの泥雪だったり、それこそ氷だったり、(悪い意味で)いろんな状態の雪であるということである。
雪がひどいところはハンドルをとられることもしばしばだったし、三日目でも書いたが、上り坂でダンシングをしたところ、凍結ですべってガクンと空回りしてこけそうになったりと、いろいろ大変だった。
特に恐ろしいのは、大型車がいっぱい通るからか、雪の塊が散らばっていることである。単に雪があるだけならまだいいのだが、雪と言っても泥と混ざった茶色系の雪の塊だったりして、茶色の石と区別がつかないのである。
もちろん通常通り、石や(山中では)岩、ガラスの破片もあるので、雪の登場のせいで、雪の塊がガンダムでいうダミー隕石の働きをし(そんな演出いらんのに!)、どれが本物でどれが偽物なのかわからない状態になっていた。キラキラ反射してても、氷じゃなくてガラスだったり(まあ氷の欠片でもパンクが怖いのだが)。もちろん全部避けれれば良いのだが、路肩いっぱいに散らばっているときなどに、しょうがないから直進したら・・・ブー、はずれ!雪の塊ではなくて石でした!なんてことがあり、走りにくいのに加え、一番怖いパンクの恐怖とも戦いながら集中をとぎらせれないライドだった。
路肩いっぱいに散らばるだけでなく、雪が積もって路肩がない(そもそも路肩の白線すら見えない)場所も多く、路肩があっても、もちろん車道から離れている方が路面状態が悪い(雪が多い)ので、どうしても車道側を走りたいのだが、それはそれでスピードを出している大型車とすれ違うと接触事故の恐怖もあるので難しいところだ。タイトルを名付けるのであれば、「恐怖!狭まる路肩!」とでもつけたいものだ。
大型車とすれ違うで思い出したが、アメリカは日本よりもスピードを出す傾向があるのかもしれないが、追い抜かれざまにダンプからの風圧で加速したときがあり、一瞬「加速して楽だー」と思ったが、そのあと冷静になって考えるとかなり危険が状態だったのだとわかって血の気が引き、接触事故の恐怖が頭をよぎりまくった。((((;゚Д゚)))
■がんばったで賞
さて、そんな悪条件のライドを乗り切ることができたのは、ひとえに以下のおかげだった。というわけで重要度ランキング「がんばったで賞」を発表していきたいと思う。
●第一位:エンジン
やはり何を置いてもエンジンでしょう。足が動かなくなったり、肉離れとかで故障したり、腹痛になったりしたらというのが心配だったが、なんとかもってくれた。
●第二位:タイヤ
フロントディレイラーなんて動かなくても走れるけどあなたがいなくては走ることもできませんでした。実際に今回フロントディレイラーの変速が上手く動かない状態だったのでフロントはアウター固定で走ってたし。もちろんパンクに備えてパンク修理キットは用意していたけど、ただでさえ外しにくいチューブレスタイヤ。あの寒風吹きすさぶ極寒の中で修理することになったと思うと冗談抜きに生きた心地がしない。氷にも雪にも負けず、よくがんばってくれました。
●第三位:プーリー
これまでプーリーはあまり気にしてこなかったけど、今回の凍結事件であなたの大切さが身に染みてわかりました。ギアを固定して走っていて見た目では動いていなくても、常にあなたがチェーンを一定の力で引っ張ってくれているからこそチェーンがスムーズに回ることができているんですね。あなたがMontauk Point手前で凍ってしまったときには、どないしたらええねんと途方に暮れましたが、よく最終日までもってくれました。ありがとう。
●第四位:チェーン
あなたもよく最後までもってくれました。あなたがチュラチュラチュラチュラ言い出したときはどうしようかと思いました。あなたの叫び声が届いたおかげで最後にルーブを追加してあげれました。
●第五位:Garmin 705
あなたのナビがなければ、途中で迷っていたこと100%でしょう。あなたのナビのおかげで自分の中から「迷子」の二文字がなくなりました。大画面で表示項目を自由に設定できるのも、これまで使っていたCat Eyeくんとは違ってかなり役に立ってくれました。(Garmin 705については別途使用感の特集を組む予定)
●次点:グローブ
名もなきグローブだけど、あなたのおかげで極寒の中、手が寒くて動かなくなることはありませんでした。ブレーキもシフターも動かし続けることができました。
ちなみに、グローブは以前Piermont Bikeで買ったパールイズミのものがあったのだけど、前日にK Martでちょっと厚いけどあったかそうなものを購入。女性ものだが、そのおかげでピッチリ指先まではまって動かしやすそう。
ただ、パールイズミとどちらが防寒に強いかその場ではわからず、どちらを着けていこうか悩んだあげく、片手にパールイズミ、もう一方にこのグローブをはめて、冷凍庫を使って手を冷やしてみたところ、このグローブの方が保温効果が高かったのでこちらを着けていった。ちなみにこのグローブの上に、ジェルパッドがついたスペシャライズドの指出しグローブをつけている。
■最後に
というわけで最後に今回のライドで撮った動画を2つ掲載しておく。
走ってる最中は寒くてそこまで気が回らなかったが、せっかくだからもっと録画しておけばよかった。次のライドではいろいろ試してみよう。
こちらは一日目、Marine Parkway Bridgeを渡るとき。
一日目にも書いたが、道路が格子状になっていて、車が通るたびにコォォーーーという音がするので撮ったもの。
こちらは三日目、ルート25Aを爆走中の動画。
��;´Д`)ハァハァって言ってるけど、これは寒くて常に鼻をすすって抑えてるのでこんな荒い息になっている。
ちなみに三日間ですれ違ったローディーは2台のみ。
しかもどちらも一番暖かかった三日目に、ニューヨーク市に入ってからすれ違ったもの。
やはり普通の神経を持ち合わせてる人はこんな
最後に一言で今回のライドを締めくくるとすると・・・
雪中ライドは控えましょう
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