■SMARTの法則
SMARTの法則 (スマートの法則) をご存知だろうか。
下記の内容の頭文字を取ったもので、効果的な目標を立て実践するための方法論となっている。
頭文字の英語 | 意味 | 例 |
---|---|---|
Specific | 目標が具体的であること | ローラー台で1,000km走る。 |
Measurable | 目標、その過程が数値で判断できること | 現在距離数/1000で目標達成率が数値で判断できる |
Agreed upon | 目標に自分自身が同意していること | 自分で決めて自発的にトレーニングする |
Realistic | 実現可能で現実的な目標であること | 1ヶ月10000kmなど実現不可能なものは不可 |
Timely | 目標達成までの期限が明確であること | 「1ヶ月以内に」、「1週間以内に」など |
SMARTの法則のポイントを一言で言うと、定量化である。
単に「がんばる」「いっぱい走る」というのではなく、目標達成に関連する内容を数値化することで目標達成までの過程を浮き彫りにできるのである。
で、自分の達成率を客観的な数値で認識するのに、サイクロコンピュータなくしては不可能なのである。
今日は何キロ走った、一周何分で走れた、心拍的な強度はどれくらいだったかなど、サイクロコンピュータによって記録、分析することができる。
たとえて言うならRPGゲームでいう、レベルや経験値にあたるものである。
RPGゲームに熱中したことがある人ならわかると思うが、レベルや経験値が数値で見えるため、もっとレベルを上げようと経験値集めをしたり、熱中できるのである。
■努力の成果を定量化する
一方で、レベル、経験値は、これまで集めた経験値の結果であって、それによってどれだけ強くなったかを具体的にあらわしていない。もちろんレベルが高く、経験値が多くなっていれば、強いんだろうという判断はできるが、実際にモンスターと戦ってみないとどれだけダメージを与えられるのかはわからない。RPGでレベルが上がったとき、どれだけ敵に与えられるダメージが増えたかわくわくして試したことがあるだろう。そのわくわく部分がなかったら楽しみも半減である。
例えが長くなったが、ロードバイクにも同じことが言えると思う。
つまり、サイクロコンピュータに装備されている一般的な機能、走行内容の記録、一ヶ月の総走行距離などは、あくまでこれまでどれだけ努力してきたかの結果であって、これまでの努力の結果どのような効果が現れたかの「努力の成果」を把握するには最適なツールではない。
というのも、距離にしろ、タイムにしろ、心拍にしろ、様々な外的要因、相互の影響にって変わるため、純粋な効果が測定できないのである。特に心拍は、運動強度が回りまわった結果として心肺に影響し、体の反応の結果としての数値が出ているにすぎず、それはパワーという直接的な踏力からは程遠い部分で出てきた数値でしかない。あくまで心拍数は、心臓という筋肉の脈動数を表しているだけで、踏力以外に様々な変数を含んでいるのである。心拍の不安定さ、誤解の与えやすさについては、唯一のパワートレーニング本といってもいい以下書籍でも注意されている。
たとえば、プロスペクトパークという信号を気にせず周回できるサーキットがあっても、そのときの風速、気温、湿度、路面状況などによって心拍も違えばタイムも違う。つまるところ、ドラフティングをしなくても前方に誰かが走っていればそれだけで変わってくる。速度も、「誰々が平均○kmで巡航している」と聞いても、風の影響はもとより、勾配が1%違うだけでも速度はずいぶん変わってくるので参考になりにくい。
心拍数も、そのときそのときの運動強度の目安としては役に立つが、日をあけたライド間では純粋に成果を反映しない。たとえば、今回の心拍数が前月の心拍よりも上がりやすかったとしても、心肺機能がその一ヶ月で退化したというわけではなく、むしろ前段の様々な影響を受けて、ベースとなる心肺能力とは別に上下することはよくある。
つまり、敢えて言うならば、「一般的なサイクロコンピュータでは、努力の結果は確認できても、成果を確認しにくい」のである。
もちろんこれまでもその認識を持っていたので、一回一回のライドのタイム、心拍に一喜一憂せずに、本番までに仕上げられればいいといった長い目で見てやってきた。
さはさりとて、SMARTの法則からいっても、努力の結果だけでなく、努力の結果がもたらした成果も定量的に数値の形で確認できればいうことはない。そこで成果確認ができるトレーニング方法の必要性を感じている。
ちなみにこれまでの成果確認としてやっていたライドは、ほぼ毎週行っているプロスペクトパーク周回である。が、上述の通り様々な要因で結果は上下するので、信頼のおける成果確認方法とはなっておらず、モチベーションアップにもそこそこの効果しか望めなかった。
■課題と解
この方法での課題は2点あり、それぞれ以下の解決策を考えている。
1.外的要因の大きい屋外で測定していること→屋内で行うようにする
2.成果確認には向いていない計測項目を使っていた→パワー測定をする
��については、結局のところ室内トレーニングで成果を計測するということである。基本的に屋外での実走の方が好きだし、モチベーションも上がるのだが、外的要因を最小限に抑えて成果を見るという点では室内が最適なのである。
問題は2である。パワー測定となると、これまで見て見ぬ振りをしていた(踏み出せなかった)パワー測定ツールをつけるのかという話しになってくる。しかし、SRM、CinQo、PowerTapなどの既存製品では、自分の環境では十二分に使いこなせないのである・・・。
もともと、SRM、CinQoはクランクベース、PowerTapはホイール(後輪ハブ)ベースの装着となる。
つまり、前者は同じバイクに乗り続ける場合、後者は同じホイールを使い続ける場合に費用対効果が最大化される。
端的に言えば、前者はバイクを替えずにホイールを替える人用、後者はホイールを替えずにバイクを替える人用である。
だが、自分の場合はどうだろうか。平日はクロスバイクまたはブロンプトンで通勤ライド、土曜日はロードバイクでタイムアタック、日曜日は別のロードバイクでローラー台。バイクも違えばホイールも違う・・・。
これだけ違うと、全車両につけることは現実的ではないし、全トレーニングでパワーログを取るというのも不可能に近い。
現実的な解決方法を探ってみると、「屋内」「パワー測定」というキーワードを考えれば、「パワー測定できるローラー台」があれば要件を満たすのである。さらに巷で出ている「PCと連動して実際のコースや勾配をシミュレートしながらトレーニングできる」ローラー台にすれば、モチベーションの低下(飽きる)というローラー台の弱点も克服できるのではないか。
というわけでパワー測定可能、できればPC連動機能等豊富なローラー台を検討するに至ったわけである。
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