メーカー | ホイール名 | タイヤ種別 | 前後輪重量(g) | フロントホイール重量(g) | フロントスポーク数 | リアホイール重量(g) | リアスポーク数 | リムハイト (mm) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Bontrager | Aeolus 5.0 | クリンチャー | 1606 | 740 | 16 | 866 | 16 | 50 |
Bontrager | Aeolus 9.0 | チューブラー | 1693 | 770 | 16 | 923 | 16 | 90 |
Reynolds | SDV66 T | チューブラー | 1390 | 630 | 16 | 760 | 20 | 66 |
■感覚的に…
やはりReynoldsは軽いと思った。
軽いホイールは体感というよりペダル感的にも軽い実感がある。
一方でAeolus 9.0は高速巡航時に伸びる感覚があるがプラシボ効果の域を出ないレベルかもしれない。
ただ、ペダルの軽重云々は、要はギア比次第なので、軽い重いはホイールよりもギア選択の方が重要である。
例えばグランフォンドニューヨーク。もしAeolus 5.0のクリンチャーで出ていても同じような結果が残せたかもしれないが、スプロケットをRivalの11-28TではなくDura-Aceの11-21Tで出場していたら間違いなく坂の途中で力尽きて歩いていたであろう。
■客観的に…ホイールごとの比較
タイムはというと、4月27日からの1週間内での比較では、プロスペクトパーク5周(27km)のタイムでAeolus 5.0→Aeolus 9.0→Reynolds SDV66の順で、それぞれ5周で20秒、54秒の伸び。1周換算では、4秒、10秒と早くなっている。ちなみに全てのログで平均心拍数がちょうど164bpmで同じになっており、意図せずして比較しやすい条件になっていた。
日付 | ホイール | 合計タイム | 平均タイム | 平均速度(mph) | 最高速度(mph) | 平均心拍数(bpm) | 最高心拍数(bpm) | 平均パワー(watt) | 平均ケイデンス(rpm) | 最高ケイデンス(rpm) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20110427 | Reynolds SDV66 T | 0:46:33 | 0:09:19 | 21.7 | 36.9 | 164 | 183 | 221 | 91.2 | 111 |
20110502 | Aeolus 5.0 | 0:47:47 | 0:09:33 | 21.3 | 31.7 | 164 | 180 | 243 | 91 | 120 |
20110503 | Aeolus 9.0 | 0:47:27 | 0:09:29 | 21.3 | 33.6 | 164 | 181 | 228 | 89.2 | 116 |
この点、木曜朝にReynolds SDV66 Tで走ってみたところ、以下のタイムが出ており、こちらのタイムで他の二つのホイールと比べてみるとこんな感じになる。
日付 | ホイール | 合計タイム | 平均タイム | 平均速度(mph) | 最高速度(mph) | 平均心拍数(bpm) | 最高心拍数(bpm) | 平均パワー(watt) | 平均ケイデンス(rpm) | 最高ケイデンス(rpm) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20110502 | Aeolus 5.0 | 0:47:47 | 0:09:33 | 21.3 | 31.7 | 164 | 180 | 243 | 91 | 120 |
20110503 | Aeolus 9.0 | 0:47:270:09:29 | 21.3 | 33.6 | 164 | 181 | 228 | 89.2 | 116 | |
20110505 | Reynolds SDV66 T | 0:47:15 | 0:09:27 | 21.4 | 33.7 | 166.6 | 179 | 268 | 91.4 | 111 |
この結果では、5周で20秒、12秒の伸び、1周では4秒、2秒の伸びとなっており、まさしく秒単位レベルの効果しか出ていないことがわかる。
ぶっちゃけ、もっとホイールの効果は大きなものだと期待していた(たとえば一周で30秒~1分くらい差が出るとか)のだが、とはいえ、単純計算で10秒早く走れていれば先週のレースで一位を取れていたくらいなので、レースをする分にはこの差は大きいと思う。
一応Garminのログも掲載しておく。
■同一ホイール&ちゃんぽんホイールでの比較
エンジンの向上によるものか、ホイールの違いによるものかが今ひとつわかりにくいため、ホイールごとの比較に加え、同じホイールでの時期別比較も行ってみた。
まずは、全てReynolds SDV66 Tによる4月22日~5月10日までの走行ログである。4月28日と29日はレースのコンディション調整のため心拍数上限を抑えて強度を落としていたため比較に入れていない。ちなみに5月10日はフロントタイヤがスローパンクしている状態で走っていた。
この点、グランフォンドニューヨークのエントリで、「パンクしたかも」と書いたが、やはりフロントタイヤがパンクしていたので5月11日より応急処置的にフロントホイールをAeolus 5.0のクリンチャーをつけて、フロントがAeolus 5.0、リアがReynolds SDV66 Tというちゃんぽんホイール状態で走っていた。
さらに、土曜日のエントリで書いた通り、リアタイヤもパンクしてしまい、5月14日は結局前後輪ともBontrager Aeolus 5.0で走った。
それらの結果をまとめると以下のようになる。
日付 | ホイール | 合計タイム | 平均タイム | 最速タイム | 平均速度(mph) | 最高速度(mph) | 平均心拍数(bpm) | 最高心拍数(bpm) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20110422 | Reynolds SDV66 T | 0:48:32 | 0:09:42 | 0:09:13 | 20.8 | 30.8 | 172 | 189 |
20110426 | Reynolds SDV66 T | 0:46:50 | 0:09:22 | 0:08:56 | 21.6 | 32.5 | 167 | 184 |
20110427 | Reynolds SDV66 T | 0:46:33 | 0:09:19 | 0:08:53 | 21.7 | 36.9 | 164 | 183 |
20110505 | Reynolds SDV66 T | 0:47:15 | 0:09:27 | 0:09:12 | 21.4 | 33.7 | 167 | 179 |
20110510 | Reynolds SDV66 T (パンク) | 0:47:43 | 0:09:33 | 0:09:10 | 21.2 | 32.8 | 169 | 251 |
20110511 | F Aeolus 5.0, R SDV66 | 0:47:54 | 0:09:34 | 0:08:46 | 21.1 | 33.6 | 157 | 181 |
20110512 | F Aeolus 5.0, R SDV66 | 0:45:49 | 0:09:09 | 0:08:46 | 22.1 | 33.1 | 166 | 183 |
20110513 | F Aeolus 5.0, R SDV66 | 0:46:50 | 0:09:21 | 0:08:57 | 21.6 | 32.7 | 165 | 181 |
20110514 | Bontrager Aeolus 5.0 | 0:46:41 | 0:09:20 | 0:09:06 | 21.8 | 31.4 | 170 | 183 |
上記で「応急処置的に」と書いたが、ログを見ていただくとわかるように、Aeolus 5.0でも不都合がなかったので今もそのまま使っている。
■結論
上記、ちゃんぽんホイールのタイムがほとんど変わらなかったどころか、むしろ良いタイムが出てしまったことから、結論としては、やはりエンジン次第なのだと思った。というか、いろいろホイールを検討してきたがあまり効果がなかったようで、むしろちょっと凹んでいる。
高い金出してホイールを買うより、毎日地道に練習してプロテインでも摂取してた方が効果が出るというのは、既にホイールを買ってしまった身としては複雑な心境である。
というのも、ホイールのパワーアップ効果は限定的で、エンジンのパワーアップ効果の比ではないからである。
参考までにほぼ一年前では、同じ自転車、同じホール(Bontrager Aeolus 5.0クリンチャー)で、56分27秒、1周平均11分17秒というログが残っている。今年の5月14日の記録が1周平均9分20秒であったから、1周で約2分の差が出ていることになり、去年の自分が5周している間に今の自分の6周目に周回遅れにされ、さらに30秒近くの差をつけられて走り終えるという計算になる。
こうしてみると、エンジンのパワーアップに比べてホイールのパワーアップ効果が如何に小さいかがわかる。
ただ、考えてみれば当然のことなのかもしれない。もし自分のエンジンがカヴェンディッシュだったらツール・ド・フランスを走ることも夢ではないが、カヴェンディッシュと同じロードバイクに乗っててもツール・ド・フランスどころかプロロードレースさえ走れないのと一緒である。
一方、前述した通りレースではホイールが縮めてくれる微々たる「数秒」が勝敗を分けることも多々ある。
エンジンを日々鍛え続けることは大前提で、例えばシーズン中で時間が押し迫っており、「あと数秒」を縮めたいという場合に最適であると思う。
が、時間があるならそんな小手先の手段に気を囚われずに黙々とペダルを回した方がよっぽど効果が出ると思う。
まさしく「回した分だけ強くなる」である。
ただ、ホイールを買う効果は単に純粋なホイールの性能だけに止まらない。
ホイールを買えば、その乗り心地を確かめるために、新ホイールを履いて実走することになる。そしてそれまでのホイールと比較したければ、旧ホイールと新ホイールを履き比べて何度も実走することになる。
まさしくその実走する過程こそ、エンジンの向上、モチベーションアップに役立つのであり、そうして試走すること自体がエンジンを強化し、タイムを上げるトレーニングとなるのである。
例えるなら、超聖水は単なる水で、それまでのカリン様から水を奪う過程で力がついたという悟空の状態である。
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