Dura-Ace FC-7900(ノーマルクランク39-53t)からFC-7950(コンパクトクランク34-50t)への交換

アメリカの東海岸はハリケーン襲来中。

ペンシルベニア州では緊急事態宣言が発令され、ニューヨーク市も土曜の正午から交通機関が全面停止

朝はすでに降水確率が高く、家の中で固定ローラーを回す。

丁度UCIアマチュアワールドチャンピオンシップのタイムトライアルコースが変更になったので、変更後のコースをTacxでシミュレート試走してみた。


■コンパクトクランク

ということで今回は既にベルギーへ出発する1週間前ということで、コンパクトクランクへの換装をすることに。

コンパクトクランクはニューヨーク市のレースではギアが軽すぎの感があるのだが、勾配平均10%や、最大勾配20%がある場合、グランフォンドニューヨークの経験から、フロント39-53t、リア11-28tでも辛かった経験がある。

基本的に自分はヒルクライムでも90回転以上はケイデンスを維持した方が疲れが少ない一方で、上記ギア組み合わせでは90回転を維持することができず、余計な負担を脚にかけてしまった。

というわけで、ベルギーはアルデンヌの丘陵地帯でも90回転を維持できるギア構成ということで、コンパクトクランクの導入に至ったわけである。

一部のネットでは、ノーマルクランクじゃないと恥ずかしい、コンパクトクランクはダサイといったコメントも見られるが、自分としてはギアにはあまりこだわりはなく、むしろコースプロファイルと最適ケイデンスから自動的にどのギアが必要か決まってしまう感じである。

今年のジロ・デ・イタリアのゾンコラン峠では、コンタドールは36x32t、別府史之は36x28tを使っていたくらいなので、ギア構成は走るレースによって柔軟に変えるべきものだと思う。一方で、勾配がきついとはいえ、一級山岳でもない丘陵地帯なので、今回は34-50tのコンパクトクランクと11-28tのギア組み合わせで十分だと踏んでいる

幸いシーズン終盤になっていることもあり、ベルギーに発つまでにはもうニューヨークでレースはないので、安心してクランクをノーマルクランクからコンパクトクランクへ変えることにしたわけである。


■ギア比考察

データで攻める当ブログとしては、気になるギア比を載せないわけにはいかない。

というわけで、私がよく使っているスプロケットの11-21t、12-25t、11-28tに対する、ノーマルクランクとコンパクトクランクのギア比および、クランクを一回転したときに進む距離(タイヤ周長を700 x 23Cの2096mmとして計算)である。

まずは11-21t。

ノーマルクランク(FC-7900 39-53t)コンパクトクランク(FC-7950 34-50t)
リア歯数フロント39Tフロント53Tフロント39Tフロント53Tフロント34Tフロント50Tフロント34Tフロント50T
211.862.523.89m5.29m1.622.383.39m4.99m
192.052.794.30m5.85m1.792.633.75m5.52m
182.172.944.54m6.17m1.892.783.96m5.82m
172.293.124.81m6.53m2.002.944.19m6.16m
162.443.315.11m6.94m2.133.134.45m6.55m
152.603.535.45m7.41m2.273.334.75m6.99m
142.793.795.84m7.93m2.433.575.09m7.49m
133.004.086.29m8.55m2.623.855.48m8.06m
123.254.426.81m9.26m2.834.175.94m8.73m
113.554.827.43m10.10m3.094.556.48m9.53m


12-25tの場合。自分は通常、プロスペクトパークのレースではノーマルクランクと12-25tを使っているが、これを見ると、上限と下限はなんとかコンパクトクランクにしても11-21tのスプロケットを使えば代替できそうな感じがする。

ノーマルクランク(FC-7900 39-53t)コンパクトクランク(FC-7950 34-50t)
リア歯数フロント39Tフロント53Tフロント39Tフロント53Tフロント34Tフロント50Tフロント34Tフロント50T
251.562.123.27m4.44m1.362.002.85m4.19m
231.702.303.55m4.83m1.482.173.10m4.56m
211.862.523.89m5.29m1.622.383.39m4.99m
192.052.794.30m5.85m1.792.633.75m5.52m
172.293.124.81m6.53m2.002.944.19m6.16m
162.443.315.11m6.94m2.133.134.45m6.55m
152.603.535.45m7.41m2.273.334.75m6.99m
142.793.795.84m7.93m2.433.575.09m7.49m
133.004.086.29m8.55m2.623.855.48m8.06m
123.254.426.81m9.26m2.834.175.94m8.73m


最後にヒルクライム用、11-28tの場合。やはりこれまで使えなかった下限のギア比域が使えるというのはメリットである

ノーマルクランク(FC-7900 39-53t)コンパクトクランク(FC-7950 34-50t)
リア歯数フロント39Tフロント53Tフロント39Tフロント53Tフロント34Tフロント50Tフロント34Tフロント50T
281.391.892.92m3.97m1.211.792.55m3.74m
251.562.123.27m4.44m1.362.002.85m4.19m
221.772.413.72m5.05m1.552.273.24m4.76m
192.052.794.30m5.85m1.792.633.75m5.52m
172.293.124.81m6.53m2.002.944.19m6.16m
152.603.535.45m7.41m2.273.334.75m6.99m
142.793.795.84m7.93m2.433.575.09m7.49m
133.004.086.29m8.55m2.623.855.48m8.06m
123.254.426.81m9.26m2.834.175.94m8.73m
113.554.827.43m10.10m3.094.556.48m9.53m


■装着

まずはこの左クランクについている左右のネジを外してやる。



次にクランク外しの出番。



この部分で左クランクにはまっている蓋を取る。



すると左クランクが外れる。



クランク同士を比較。コンパクトクランクの方は165mm。ノーマルクランクは170mm。



表から見た図。新品の方はもともとDura-Aceグリスが塗ってある。



左クランクが外れれば、チェーンリングとセットになっている右クランクはそのまま引っ張れば外れるので、それぞれ新しいコンパクトクランクに交換するだけ。規定トルク(12nm~14nm)で締めて完了。




■重量比較

せっかくなので重量を比較してみる。

違いはノーマルクランク&170mmクランク長と、コンパクトクランク&165mmクランク長。

まずはコンパクトクランクのDURA-ACE FC-7950 10 Speed CRANKSET 34/50。左クランクを外した状態で469グラム。



左クランクは176グラム。



お次はノーマルクランク、DURA-ACE FC-7900 10 Speed CRANKSET 39/53。左クランクなしの右クランクおよびチェーンリング部、481グラム。



左クランク。187グラムだが…。



Garminのケイデンス測定用マグネットが3グラムなので実質184グラム。さらにいうとケーブルタイ(結束バンド)もついていたが、重量は0グラム(1グラムにも満たなかった)なのでアホらしくなって測定対象から外した。



測定の結果、コンパクトクランク&165mmへのクランク長の変更で、軽量化的にも約20グラム軽くなったことになる。ってリム重量に比べればあまり重要ではないし、たった20グラムなら関係ないが…。


ということであいにくのハリケーンでまだ試走ができてないが、ベルギーに発つ前に何度か試走しておきたいと思う。


2 件のコメント :

  1. 自分も来年はヒルクライムレースはコンパクトクランクを導入します。
    女子供が使うモノとかいう変な意地は素直に捨てます。
    コンパクトクランクについては自分も記事を書こうかと思います。
    その際にはご意見をしていただけたらと。。

    返信削除
  2. 初心者ロードレーサー2011年9月4日 0:17

    クランク含めてギア選択は重要なレース戦略のひとつですよね。競輪でもギア比で当日の戦略がわかったりしますし。
    結局クランクやギア比は少しでも速いスピードでゴールラインを切るための手段でしかありませんし。
    ちなみにまだスプロケットは12-25tがはまったままなので、輪行準備をする前に11-28tに交換しておこうと思います。

    返信削除