MetriGearというペダルで測定するパワーメーターが開発中のまま発売されずにずーっと来ていたが、そのMetriGearが2010年9月にGarminに買収されてGarminがVectorという名で開発。来週のオーストラリアの自転車展示会で遂に詳細が発表されるとのこと。
といっても元々MetriGearのときはSpeedPlay(スピードプレイ)のビンディングペダルのみに対応ということだったので、シマノやルック、タイム使用者にはつらいなぁと思っていたら、GarminのVectorはLook KEO式とのことである。
Garminは、IT業界で言うマイクロソフトやグーグル、アップルのようなトータルソリューションシステムを、自転車におけるデータ管理で目指しているらしい。
確かにサイクロコンピュータとGarmin Connectというインターネットサービスによって、スピード、ケイデンス、心拍数、GPSまでデータ管理できる環境が整っている。
一方で、パワーメーターについては、ANT+規格にGarmin Edgeシリーズが対応することで連携可能であり、Garmin Connectでもパワー値、グラフを表示できるに止まっており、Garmin独自では製品を出しておらず、現状はSRM、CycoleOpsのPowerTap、Cinqoといったパワーメーターがないとパワーのデータ管理ができない。つまり、Garminが自転車業界におけるデータ管理の総本山を目指すにあたって、パワーメーターに手を出してくるのはむしろ必然であるといえる。
■感じるデメリット
ビンディングペダル式の新しいパワーメーターが出てきて選択肢が増えるのは嬉しい限りであるが、一方で他のパワーメーターと比較して心配な点もある。
まずはこの、パワーメーターの取り付け部分の動画を見ていただきたい。
けっこうペダル、クランクから出っ張った形でパワーメーターが取り付く。
クランクにつくSRMやCinQo、回転体の中心であるハブにつくPowerTapに比べると、常に空気を掻き乱すペダル部分につくということでエアロ効果的に心配である。
週末サイクリングくらいであれば全く問題にはならないが、それこそすね毛を剃って空気抵抗を減らすような、一秒を争うタイムトライアルの世界では大きな違いになってくるかもしれない。
次に心配なのは、ペダルという位置である。ペダルはまさしく脚からトルクが、パワーが繋がる最初の場所なので、パワー測定にはもってこい(最も誤差が少ない)なのだろうが、一番衝撃を受けやすい箇所でもある。
基本的にロードバイクはクラッシュして転倒しても、フレームには直接傷がつきにくいようになっている。
なぜなら、タイヤなり、ハンドルなり、サドルなり、ペダルなり、クリックリレーズなりがフレームよりも突き出ているため先に地面に擦れるからである。
そして、自転車が倒れたときに、(半回転でもして逆さから落ちない限り)最初に自転車が地面にぶつかるのは、自転車の下半分で最も突き出ているペダル部である(元々接触しているタイヤを除く)。実際にこれまでのクラッシュでペダルが擦れたこともある。
こんなに衝撃を受けやすい箇所に、こんなに高価な精密機械を付けて大丈夫だろうかという心配がある。それこそレースではクラッシュは日常茶飯事であるが、クラッシュの度に故障、買い換えのリスクが出るのでは安心してレースができない。(クラッシュを考慮に入れてレースしている時点で安心してないのではあるが)
とまあ不安な点も書いたが、やはり選択肢が増えるのは大歓迎であるし、発売が楽しみでもある。
ちなみに発売は2012年3月を予定。価格は$1,499.99
確かにクラッシュを考えたらキリがないですが・・金額的にそう何台も買える
返信削除ものでもないですから悩みどころですね。
パワータップを我慢してサイクルオプトのパワービームプロというローラー台に
してガーミンの出す機種を待ってましたが値も張るし悩みます。
貴重な情報ありがとうございます。
うーん、ちょっと高いですねぇ。
返信削除言われてる通り一番衝撃を受けやすい場所ですから、
これは考えちゃ……あ、自分スピードプレイ使ってるんで最初から対象外でした!
��(^o^)/
パイオニアのパワーメーターを静かに待ちます(^_^;)
Look566さん、
返信削除まさしく私も同じような状況(Tacxのパワー測定可能なローラー台で我慢している)なのでお気持ちよくわかります。
一応iBikeを持っていますが、雨の日は使えないし、そもそも測定値の誤差があることもあって直接式(Direct Force Power Meter)が欲しいところです。
やはりパワーメーターはお高いのが難点で、PowerTapにしろ、ホイールの度に何個もつけるわけにもいきませんし。
ライカさん、
返信削除自分もTime使いなのでLook以外に対応しない限りは対象外っぽいです。
パイオニアのパワーメーターはペダル式のようでありながら、動画を見る限りクランクの内側とチェーンリングに装着するようなのでペダルの種類を選らばなそうですね。