TTS4.0への道(THE WAY OF THE TACX)第五回:インドアトレーニング用イヤフォン

「インドアトレーニング用のイヤフォン」をこの機会に購入。

TTS4.0とは直接の関係はないが、今回の「インドアトレーニング環境の見直し」の一環であるので、今回の特集の中で取り上げたいと思う。


■インドアトレーニング用のイヤフォンとは

まず、上記でいちいち明記しているように、あくまで「インドア」トレーニング用途であることを明記しておきたい。

そもそも既にロードバイクも何年も乗っているのに、これまでまったく気にしてこなかったジャンルであり、むしろ実走においては厳禁と自分では思っている。

実走でもつけている人もいるが、これには完全に反対の立場であり、単に自分が危ないだけなら自己責任なので関係ないが、他人を巻き込む危険性がある以上、実走での装着はNGだと思っている。

実際、救急車で運ばれた昨年9月のときも、事故原因となった黒人はイヤフォンを付けて音楽を聴きながら走っていた。耳を塞ぐことによる周囲の音の遮断、三半規管のバランス感覚の低減が彼の転倒の原因にも繋がっていると思われ、少なくともイヤフォンを付けない場合に比べて五感のうちの聴覚が効かなくなっていたことは確かである。

ということで、自転車にイヤフォンを使うのであれば、インドアトレーニング限定であることを強調しておきたい。

それでも、昨シーズンは実走メインで、インドアトレーニングにそこまで重点を置いていなかったので、イヤフォンをつけることは気にせずにトレーニングを続けていたのであった。特にオフシーズン前は、ロードレースを流すこともしなかったので、Tacxの心電図的な画面を見ながらローラーとファンの騒音だけが響く中、ただひたすらに黙々と回していた。まあそれはそれで寡黙な漢(おとこ)のローラートレーニングという感じでよいのだが…。


■イヤフォンのメリット1:静音性

インドアトレーニングにイヤフォンを使うメリットの一つとして静音性が挙げられる。

といっても、自分にとっての静音性ではなく、周囲の人に対しての静音性である。

まったく音を必要とせずにインドアトレーニングをする場合もあるだろうが、よく見られる傾向として、レース映像を流したり、DVDを見ながらだったり、音楽を流しながら走ることもあると思う。実際に、自分もまだ見きれていないプロロードレースを流しながらトレーニングしている。

一方で、ローラーが発する音に加え、ファン等で自分の体の冷却も行っていると、それらの騒音の中でも聞こえるように音量を上げる必要が出るため、かなりの大音量を出すことになる。

掃除機や洗濯機の音が聞こえるような真昼間であれば問題ないかもしれないが、早朝や夜ではお隣さんだけでなく家族に対しても迷惑がかかる

ということで、イヤフォンを使えば、少なくともローラーやファン以外の周囲へ迷惑がかかる音は抑えることができる。


■イヤフォンのメリット2:覚醒効果

これは実際にイヤフォンをつけて今日走ってみて効果を感じたのであるが、いわゆる「やる気」や「気合い」を出すのに一役買ってくれる

それはロードレース中の観客の声援でも、大量のホイールの音でもそうであるし、気合いの入る音楽も効果がある。

そう考えると、野球やサッカーでの応援歌、ボクシング等での入場テーマも、試合を前にして気合を入れてパフォーマンスを上げる効果があるものであるし、実際にプロのロードレースでも、出走前のウォーミングアップでイヤフォンで何か聞きながらローラーを回している光景をみることができる

というか、何を隠そう、その光景を見たのが今回イヤフォンを導入してみようと思ったきっかけに他ならない

本日使用してみた限りでは、体は疲れている(心拍も普段と変わらない)のではあるが、精神的なところでそこまで辛さを感じなかった。今週は毎朝同じトレーニングメニューで追い込んでいるが、その中で最も精神的に楽であった。

覚醒効果という点では、実際に外部から物質を体内に摂り込むわけではないため、カフェイン系のプレ・ワークアウトサプリメントを摂るよりもよっぽど健康的かもしれない。

トレーニングを日々続けていくにあたって、モチベーションも含めて精神的なものも必要であるため、気合いの入る音楽で闘争心を高めるというのも効果的である。

ちなみに前回のエントリ繋がりで言えばこんなのとか…。



成龍とか…。



王道でロッキー。というか、道路いっぱいに後ろを走っている人たちが、ロードレース集団のプロトンに見えてしまうあたり、病気である…。



ロッキーIVのトレーニングテーマも良い。



極めつけはHearts on Fire。気合いが入ること請け合いである。もう脚がブチ切れるまで回すしかない!(笑)




■イヤフォンの要求スペック

さて、イヤフォンに求める機能であるが、何をおいても「防水(防汗)であること」である。そして、できればワイヤレスの方がケーブルに汗が伝うということもなくてよいと思った。

ということで、その線で探してみるとに。防水(防汗)については「Sweatproof」「Waterproof」「Sports」といったキーワード、ワイヤレスについては「Wireless」「Bluetooth」といったキーワードで検索してみるが、その両方を満たすイヤフォンはそこまで多くなく、選択肢も、NokiaやMotorolaの電話のヘッドセットに絞られてくる。


■Nokia BH-505

ということで、「Wireless Bluetooth Sports Headset」というスポーツ仕様の触れ込みにつられてNokiaのBH-505を購入。



公式ページの商品特徴にも、「Splash resistant(生活防水) and robust – ideal for all your outdoor activities」とある。

ところが、届いて実物に触れてみると、高級な造りである一方で、そんなに耐久性が高そうには見えない。



心配になって(普段はじっくり読まない)説明書を読んでみると、「Keep the device dry. Precipitation, humidity, all types of liquids or moisture can contain minerals that will corrode electronic circuits.」とある。簡単に言うと、「乾燥を保つこと。汗、水分、雨はもちろん湿気も不可」ということで、防水仕様とは正反対の説明である。

これはおかしいと思い、ネットを検索してみると、被害にあった人たちの声がNokiaのフォーラムに書き込まれており「一度ジョギングしただけで壊れた」というランナーが続出している…。

こりゃあかんと思って、とりあえずNokiaのBH-505は普段使い用にして、本題のインドアトレーニング用イヤフォンは別に探すことに…。

その後、Amazon.comのいわゆる「スポーツ用」イヤフォンのレビューを見ると、かなりの「スポーツ対応」を謳うイヤフォンに、「Not sweatproof!(防汗じゃない!)」といった誇大広告にしてやられた的なレビューが付けられていることがわかる。思うに、汗が垂れない程度のポタリングベースで使うレベルで「スポーツ用」と銘打っているのであり、汗だくになるような運動は想定していないのかもしれない。

そもそも、この時点で、最早ワイヤレスのイヤフォンでスポーツ用に耐えられるようなものはなく、ワイヤレスという選択肢を外さざるを得なくなった。


■H2O Audio

生活防水を謳うイヤフォンが信用ならないのであれば、いっそのこそ「完全防水」のイヤフォンにしてしまおう、と考えて探し出したのがこちら、H2O Audioである。



商品ブランド名にH2O(水)とある通り、水のある環境で使うイヤフォンとして作られた製品であり、それこそスイミングやサーフィンといったウォータースポーツでの使用を想定している



完全に水に潜った状態でも使えることを前提にしているので、いわんや汗だくの状況をやである。

中でもこれだと思ったのが、TRAXというCustom Fitシリーズ。



ジャック部分のコードが形状記憶型のワイヤーになっており、耳にかける等の形に自由に変えることができる。



上記「メリット2」で少し記載した通り今朝使用してみたのだが、途中110rpm前後の高回転ペダリングインターバルやスプリントを入れたにも関わらず、全くもって耳から外れる気配などなく、汗だくになってもまったく壊れる気配もなしで、素晴らしい装着感であった



ということで、音楽効果で精神的に気合を入れて、高負荷トレーニングのお供として上手に利用したいものである。(蛇足だが、「俺は音楽なんて要らない」という強い人は、将来の海外レースに備えてフランス語やイタリア語の学習テープ(ピンズラーとかロゼッタストーンとか)を勉強するのもよいかもしれない。)


2 件のコメント :

  1. とある自転車乗り2012年2月26日 6:26

    自分もローラーでのメディオやソリアをする時は必ず音楽聞きます。
    ヘタレなので音楽ないと頑張れません(^^;)
    1分以下のもがき系メニューだと最早音楽が耳に入ってきませんが(笑)
    実走について、自分は耳まで覆う冬用のキャップを被ってるだけで怖いです(寒さで耳が痛くなるので仕方なく被ってますが)。
    あれだけでも結構聞こえにくくなって、交通量が多い道路はホント不安です。
    当然イヤフォンなんて考えられませんねぇ。。

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  2. 初心者ロードレーサー2012年2月27日 6:04

    確かに私ももがき中は音楽も、レース映像も飛んでしまいます。で、そのあと巻き戻して観たかったり。ちなみにイヤフォンをしていると無音の間とかは特に自分の心拍の心臓の音がダイレクトに響いてくるのが新鮮です。
    実走はキャップも音を塞いでしまいますね。ニューヨークは自転車に乗っていなくても歩いているだけで耐えられないほど耳が寒さで痛くなることがあり、冬の自転車では耳まで覆う防寒が必須になってくるので悩ましいところです。

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