朝、ちょっと喉がいがらっぽいような感じはしたが、このときはまだ風邪だとは認識していなかった。
あんなに考察していたのに、その後の最初のイベントがクリテリウムレースかよと思われた方もいるかもしれない。
考察エントリで詳細を書いた通り、前回の事故による右手の後遺症がハッキリしてからは、そもそもレースに対するモチベーションも下がり気味であった。ただ、フロイドベネットフィールドは旧飛行場の滑走路がコースになっていることもあってコース幅が広く、いざというときの回避スペースが確保できるのでクラッシュリスク見極めのためにも参戦することにした。
■敵を知るための事前準備
ちなみに事前に参加選手の過去入賞実績を確認済みなのでマークすべき選手は決まっている。
言うまでもないことだが、タイムトライアルと違って、レースの場合に競う対象はタイムではなく他の選手である。
「敵を知り己を知らば百戦危うからず 」という言葉にある通り、一緒に走る他選手の力量を調べないのは、誰と戦うのかも知らずにリングに上がるようなものである。
そもそも、プロはもちろん、ツール・ド・おきなわや乗鞍などのアマチュアレースでも上位陣はお互いのエースやキーパーソンをマークして、チェックしている。
まだレースを始めたばかりの頃は、「アマチュアレースなんだからぶっつけ本番で行こう」と思っていたこともあるが、今思えば、アマチュアレースであっても本気で臨むからにはそういった事前調査をしておくのが望ましいのだろう。
ということで事前に過去の入賞実績を調べた結果、今回の要注意選手はMBC(Mineola Bike Club)の選手。彼は昨年の同じコースのシリーズで何度もステージ優勝しており、総合優勝も獲得している。
■レーススタート
いつものようにスタートするが、MBCの選手に注目しながらペダルを回す。
他にも入賞実績が多いチームや選手はチェックしているので彼らのアタックには注意を払う。
逆に、これまで全く入賞実績がないようなチーム、選手がアタックした場合は早々に吸収されるか、逃げ切れない可能性が高いのでマークを緩くしている。
すると、3周目に入ったところでMBCの選手がアタックをかける。
集団から抜け出す前に自分も真後ろについて3人ほどで逃げを決めかける。
が、決定打とはならず、半周もしないうちに吸収されてしまう。
その後は要注意チームのアタックもなく周回を重ねる。
自分は集団の外縁部(左右や前後など)にいてクラッシュリスクを回避しつつ集団にステイ。
そのまま勝負を決めるようなアタックもないまま残り2周。
チームメイトのジェフと併走して今後の出方を相談。ジェフが今後の展開予想を聞いてくるので、「あと2周のこの段階だとアタックには敏感になっていて決まらないので、おそらく集団のゴールスプリント勝負になるだろう」と予想する。
ジェフは「俺もそう思う。たぶんそれが正しい見方なんだろうが、引っ掻き回せるかトライしてみる。」といって単身アタック。
一時は50メートル近く単独で飛び出したものの最終ラップを前にスピードを上げた集団が襲い掛かる。
失速したジェフに対し、スピードに乗って加速する集団。集団は遅れたジェフを抜き去ってジェフはそのまま集団から千切れてしまう。
ジェフの試みが失敗に終わった今、チームで残っているのは自分1人。
ゴールスプリントに備えて残り半周になってくるところで集団の前方は壮烈なポジション取り合戦が始まる。
そこで強引に内側から入ってきた選手がいて、クラッシュ回避が大きな課題になっている自分はポジションを譲って後ろに付く。
前を塞がれながら、どこで追い抜きをかけてやろうかと考えながら最終コーナーへ。
と、我に返って前方を見ると、集団が中切れを起こして先頭集団といつの間にか随分差がついてしまっている。
なんたる失態―――ッ!!!
すでに自分の前にいる6人ほどは諦めているらしく中切れをみすみす許してしまっていた。
「こんなところで諦めてんじゃねえ!」と思いながら一気にペダルを踏み込んでいく。
が、先頭集団が近づいてきたものの、途中ですでに彼らもゴールスプリントに突入してしまい、加速した集団との差は縮まっては行くが追いつくまでには至らず。
ゴールスプリントで力尽きて落ちてきた数人を抜いてゴール。
集団の前方の動きから目を離した自分のミスであった。
最終的な順位はジェフよりも良かったがロードレースの美学においてはそんなもの何の意味もなく、果敢に挑戦したジェフとは比べものにならないほどダメダメなラストであった。
まあ課題としていたクラッシュリスクヘッジについては、ちゃんと自分でリスクヘッジできるようなコントロールがこのコースでは可能なことがわかった。
一方で、最後のポジション争いのような、接触上等でぶつかり合うシーンでは自分は制御が働いてしまう。これが以前ならクラッシュのリスクを取ってでも転がる「勝ち」を拾いに行っていたのだろうが、前回の考察を経た今の自分ではそこまでリスクを冒せないのかも知れない。まだまだレースとの付き合い方については課題が残る実践ではあったが、また機会を見つけて参戦していきたいと思う。
ちなみにGarmin Edge 500のログはホイールセンサーがきちんと認識されていないのか速度も距離もぐちゃぐちゃ。レース中に時速10kmってことはないだろうに…。
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