エアロ準備
今回の40kmタイムトライアルに向けてエアロの見直しを一通り行った。
まずは前回エントリしたとおり、ポジションの再設定。ステムを90mmから130mmに換装し、ハンドル高を下げてハンドル角度も送り気味に変更。
結果、かなりの前乗りポジションとなった。
さらにNon TTカテゴリでエアロヘルメットの使用が解禁されたのでエアロヘルメットを取り出す。
2011年当時、UCIのアマチュアワールドチャンピオンシップのときに買ったGiro Advantage2。
練習走行で1回、本番のベルギーでのタイムトライアルで1回使ったのみで、6年ぶりにやっと3回目の使用となる。
久しぶりに出したのでヘルメットのストラップがゆるゆるになっており調整。ストラップがゆるくなっているだけで5W近く無駄に空気抵抗が発生するというテスト結果もあり、無視できない空気抵抗になるのでしっかり締めるように調整する。
一方でZIPP 808かAeolus 3 D3かで最後まで迷った前輪はAeolus 3 D3のカーボンクリンチャー、35mmリムハイトにすることに。
これには3つの以下の理由があった・・・
- 横風によるハンドル操作への影響を抑えること
- 当日の天候に左右されずに同じ装備で走れること
- 前輪荷重を少しでも減らして荷重を分散させること
今回は、当日朝の天気予報ではかなりの微風になったのでZIPP 808でも問題なかったのであろうが、上記2のように、来年以降の比較対象として今年の結果を基準として使うことを考えると、比較しやすいようにできるだけ装備は統一しておきたい。
一昨年は82mmリムハイトのZIPP 808で行ったが、今年は5月のソマセットタイムトライアル中に突風でハンドルが取られて落車しそうになったこともあり、直前まで当日の風速予報を見て悩んでいた。
今年はたまたま微風だったかもしれないが、来年はどうなるかわからない。ただでさえ風速、方向、出力と変数が多いので、ホイール種類という更なる変数を削減できるのは大きい。
そして3つ目、上掲のポジション変更もありかなりの前輪荷重になっているので、前輪に軽いAeolus 3 D3、後輪に重いZIPP 808を持ってくることで、上モノ(ライダー自身の体重)による前輪荷重を少しでも分散できればというのがあった。
そんなこんなで出来上がったのはこちら。
事前の試走は20分ほどしかできなかったのでほぼ一発本番勝負となってしまうが、吉と出るか凶と出るか・・・。
レース会場へ
当日朝、いまっちさんにピックアップしていただき、途中でIさんと合流して会場へ。
朝靄がかかっていて長閑な風景が広がる・・・。
レース会場に到着。
蒸し暑いという表現がぴったりで、午後から雨予報と言うこともあり湿度が高い・・・。
スタートラインの手前の道を20分ほど走ってウォームアップ。
このときの感じではそんなに悪くなかった・・・。
レース
開始の合図とともにスタート。
40kmはツールのようにスタート台が用意されていて、加速がしやすい。
スタート台からスタートできるレースはベルギーのとき以外ではこの40kmタイムトライアルしかない。
いい感じで出力をキープしながら最初のコーナーを曲がり、これまた良いペースで直進。
前を走っていた女子選手を抜いてちょっとした上りにさしかかろうとしたときに・・・
バキッ・・・ガッ・・・・!!!!
という音がすぐ下から聞こえてきた・・・。
一体何が起こったのかと思ってみてみると・・・・アクションカメラがなくなっている・・・。
おそらくネジが緩んでしまっていたのか、マウントから外れたアクションカメラが脚にあたり、落ちてしまった・・・。
そのあと取りに戻ろうか、さっき抜かした後ろの女性選手は大丈夫だったか、などといろいろ考えてしまう・・・。
取りに戻ったらそこでレースは終わり、せっかくの準備が水の泡・・・。
一方で今取りに戻らなければ後続の選手の邪魔になる・・・。
まあ邪魔といっても同じような大きさの石やら凸凹もあるので走行に影響を及ぼすようなものではないかもしれないが、逆に踏まれてしまえば壊れてしまうかもしれない・・・。
いやいや、踏まれるならいっそのことその瞬間が収められた映像をブログに載せることでいいネタになるかも・・・。
などと、そんなことを考えていると4分の1が終わり鋭角コーナーに・・・。
こうなったら「レース序盤でアクシデントがあったとしてもそのまま走りきる」というシチュエーションの良い練習だと思うことにして、気持ちを切り替えて集中。
が、一度切れた集中を保つのは厳しく、その後中盤で垂れてしまう・・・。
一昨年と比べてこんなに出力でないんか・・・と思いながら、じわじわと下降していく平均出力を見ながら苦しむ。
それでもエアロ効果を意識して、ポジションだけは崩さないようにドロップハンドル固定。
復路のコーナーでフードに持ち変えると、手や腕が痺れていて思うように動かない。
痺れでハンドリングがうまくできず、曲がりきれなそうになりながらなんとか原則して曲がって4分の3を通過。
指も痺れているためドロップポジションでも変速がうまくできない。
上り勾配でギアを軽くしようとしても、指が痺れて伸ばせず、手前(つまり重いギア変速)を間違ってクリックしてしまったりと悲惨な状態。
そうこうしていると、往路でアクションカムを落としたあたりに差し掛かる。
注意しながら反対車線の路面を見ていると、白いアクションカムを道路の真ん中に発見・・・!!
あの位置(道路の真ん中)なら路肩を走る選手の迷惑にはならないし、車のタイヤにも轢かれずに済むだろう・・・と思いながらも、そもそも路肩付近を走っていて落ちたのに、道路の真ん中にあるということはすでに轢かれて移動した後なのでは・・・と不安になる。
ゴール後回収に行くために落下地点を確認しようと、そのときのタイムを確認。ゴール時のタイムとから差し引くことで、どれくらい走った地点に落ちているかの参考に出来る。
もはや意識はアクションカムのことばかり・・・。
そのまま最終コーナーを回ってゴール・・・。
回収
ゴール後、いまっちさんに声をかけて回収に行く旨をお伝えしてから回収に向かう。
復路で発見したのはゴールから7分半手前の地点。
ということはクールダウンのペースで走っているので、7分半以降になったら路面を注意していけばいい。
はたして白いアクションカムが散乱しているのを発見・・・。
散乱・・・・・・、
そう、おそらく車に撥ねられたのか、バラバラ殺人事件のように散乱したアクションカムの遺体がそこにはあった・・・。
そして後から確認してわかったがMicroSDカードがなくなっていたのも痛い・・・。
直前までの動画も確認できないし、MicroSDカードだけでも生きてれば、アクションカム本体を買い換えたとしてもMicroSDカードを使い続けることができたのだが・・・。
これはもう、「また相場で稼いでアクションカム買い直せ」という先物の神様からのお告げなのだろう・・・。
反省と考察
タイム的には一昨年走った前回より1分半以上縮めることができた。
が、そのほとんどはエアロヘルメットによるものであるはずなので全く喜べない。
ちなみにエアロダイナミックスについて各装備の違いによる効果がまとめられているサイト(「Buying Time: Which Aero Equipment Offers the Most Benefits?」)によると、普通のロードヘルメットをエアロヘルメットにするだけで40kmのタイムトライアルで67秒縮める効果があるということ。
一方、出力面では大反省。
一昨年と比べて平均出力で10Wも下がっており、まさに都知事選で負けたどこかの政党のように完全敗北、弁解の余地もございません状態。
せっかく前傾ポジションにして重力による荷重効果を上げようとしたポジション取りも、ペダル荷重でなくハンドル荷重になってしまったため効果が出なかった。
腕や手が痺れてしまったというのがその証左で、本来ならペダルに乗せるべき荷重がハンドルにかかってしまった。
荷重ミスの原因のひとつは新ポジションでの練習不足・・・。ほぼぶっつけ本番ということで、新しいポジションでの最適なペダリングトレーニングが足りなかったこと。
そしてペダル荷重を維持するためのポイントが集中力だったのだが、途中で集中力が切れて垂れてしまったのは大失敗。
もちろんアクションカム落下事件はあったが、それごときで切れるような集中力なら貧相すぎるし言い訳にすらできない。
平均出力が10W下がっても1分半タイムが縮まっていたというのはむしろ出力表示を疑いたくなるが、それだけエアロヘルメットの効果が大きかったのだろう。
また風が前回より弱かったのも幸いした。といっても折り返しで往路が向かい風でも復路が追い風になるので風の効果はその分相殺されるが・・・。
結局、一昨年と比べた場合、以下のプラスとマイナスがそれぞれ相殺し合って、残ったプラス分が1分半のタイム短縮に繋がったのだと思う。
プラス効果
- エアロヘルメット
- ステム&ハンドル高セッティング
- 風力10kph → 4kph
- 平均出力マイナス10W
- フロントホイール 82mm → 35mm(ZIPP 808ディープリムからAeolus 3 D3)
どちらにしろ、目標であるヒルクライムのタイム短縮にはエアロ効果は限定的なので、エアロ効果をいくら追求しても平均出力が低くなってしまってはヒルクライムではNG・・・。
ということで一から出直し。
時間をかけてゆっくりと改善していくしかない・・・。
そして先物ローディーとしてアクションカム分稼がなければ・・・。
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