MavicとEnveの売却背景に見るブルックスとアンタの米中戦争

去年からMavicブランド売却を表明していたアメアスポーツがMavicの身売り先を決定したとのこと。

身売り先はアメリカのプライベートエクイティーファームのRegent。

これでフランス→フィンランド→アメリカの会社に。



Mavicとともに売りに出されているEnveの売却先はまだ決まらず・・・。

それもこれもアメアスポーツ自体が中国資本のアンタスポーツ(安踏体育用品有限公司)に買収されてしまったため。



アメアスポーツも「Over the past cycle we have concluded that we are not the best owner for Mavic which only represented approximately 3% of our sales and which has distinct business drivers and little synergies vs. the broader Group.」として、自転車部門※がお荷物になっているとコメントしており、フットウェア中心のアンタスポーツにしてはさらに(シナジー効果が見込めない)「不要」なビジネスなのだろう(※SUUNTOも自転車関連と考えればホイール部門と言った方が適切かもしれない)。

アンタスポーツといえばこの山寨(模倣品)エントリを覚えていらっしゃる方もいるかもしれない・・・。

BROOKSのロゴだけ真似てるのはむしろ微笑ましいくらいで・・・。



ランニングシューズを探していたらとんでもないものを見つけてしまった。どうしよう。

BROOKSの物真似じゃないかとして中国語サイトからも突っ込まれていたアンタスポーツが「本物」になっていく・・・。

まるでオニツカタイガー(現アシックス)から独立して逆にシェアを奪ってしまったナイキのよう

両社が提携中にビル・バウワーマンのアイデアで開発された人気スニーカー「コルテッツ」のデザインおよび名称の使用権について両社が対立。BRS社がオニツカ社を提訴するという事態にまで発展。結局、弁護士費用と和解金あわせて1億数千万円をオニツカ社が支払った上、名称をタイガーコルテッツからタイガーコルセオに変更するということで和解。

<左:ナイキコルテッツ / 右:タイガーコルテッツ>



鬼塚喜八郎氏は、のちに日経新聞「私の履歴書」において
「BRS社と販売会社設立の計画を進めていたところ、日本の商社の勧誘で他のメーカーからの仕入れに切り替えてしまった。驚いた私はすぐに別の販売店と契約したが、日本の商慣習になじまないそのドライな行動に裏切られた気がしたものだ。」
「まずいことにBRS社が使っていたニックネームを引き続き使ったため、その使用権の帰属をめぐって対立、訴訟を起こされた。結局和解に応じたが、和解金額は弁護士費用を含め1億数千万円。海外展開するうえで良い経験だったとはいえ、高い授業料を払わされた。これが後に急成長したナイキである。」と語りました。おそらく言葉にした以上の想いを抱えていたのではないでしょうか。

ナイキとオニツカタイガーの知られざる関係とは?

もともとオニツカタイガーの代理販売でしかなかったナイキが独立したのちにオニツカタイガーを訴えたように、BROOKS(1914年創業)の模倣版であったはずのANTA(1994年創業)が、中国国内市場ではBROOKSを逆に「ANTAのパクリだ!」と訴えて裁判で勝ってしまい、BROOKSが中国市場から締め出されてしまった



思えば百度もアリババもグーグルやアマゾンの模倣・・・。

中国大陸に行ったときに痛感したが、香港から深圳に入った途端、グーグルマップもグーグル検索も使えなくなった。

アップルやグーグルに比べれば報道にも上らないが、米中間の貿易戦争はこういった分野でも根強い。

ANTAのように、他の分野でも中国がパクリから本物になっていくのかもしれない・・・

でもさすがにTUNAはないだろ!!




MavicとEnveの話しがなぜかTunaの話しになってしまった・・・。

0 件のコメント :

コメントを投稿