ダホンの9速折り畳みを11速化する:スプロケット編

新型コロナウイルスによって自転車通勤がなくなってしまい、話題が自転車の話題から離れてしまっていたこともあり、通勤用の折り畳み自転車をダホンのディスクブレーキモデル(Dahon Visc D18 Disc)に変えてからのアップデートが滞っていたのでこの機会にまとめておきたい。



このエントリーは当時の続きになるので、経緯については当時のエントリを見返していただければと思う。

コンポーネントがSORAだったり、パーツのグレード的にはぶっちゃけ残念な部分も多く、最後までVergeと悩んだが、$2499のVerge X11や$1399のVerge P10に比べるとスーパーセールで$799というのも大きい。

価格で7万~13万円くらいの差が出るのに、高い方が折り畳みサイズが大きくなると考えるとDahon Visc D18 Discに軍配が上がった。

残念なパーツはどっちにしろドロップハンドル化してロードバイクのコンポーネントに変えるつもりなので、追加でまた何百ドル×幾つかかかると考えると最終的にはVerge以上のコンポグレードに落ち着くだろう(し、実際に11速のUltegra R8000系に変えたのでそうなった)

ブロンプトン乗り換え候補にDahon Visc D18 Disc



ホイールとスプロケットの互換性問題


ロードバイク用のコンポーネントがついている以上、フロントディレイラーとリアディレイラー(リアハンガー)は11速のものとも互換性があり装着可能なはずなので、9速から11速にするにあたっての一番のハードルは、どうやって9速ホイールに11速のスプロケをつけるか(ホイール&フリーハブの互換性)だった。

一番の正攻法でいくなら、普通にホイール自体を11速ハブのホイールに交換すればいいのだが、700CならともかくETRTO 406の20インチホイールで11速対応のホイールはラインナップがほとんどなく、11速用のロード用ハブで手組みするにしても時間と費用がさらにかかってくるし、それを小径車に使うことによるリスクをいろいろ考えるとハードルが高いので、できれば9速ホイールのままスプロケットだけ11速のものをつけたい。

ちなみにロードバイクの変速段数の歴史的に言うと、9速から11速にするということは二世代分飛び越すことになるので直接9速→11速化を取り上げているサイトは少ない。

逆に9速を10速にするには当時いろんな情報が飛び交っていて対応方法もすぐに見つかるのでやりやすい。が、すでに12速も出ている今の変速段数状況をみると、現時点で10速にしても将来の拡張性がなく、マーケットに出回るパーツもどんどん少なくなっていくので先細りするのは目に見えている。

この点、11速であればまだ現役で搭載されているモデルも多く、少なくともこの先数年は交換の必要があっても購入に困ることはないということを見越して11速にすることにした。

詳しい人には馬の耳に念仏かもしれないが、9速~11速のハブ幅で見た場合、10速のハブの長さが一番短く、変速数と幅の長さの順番が一致しない

不等式でハブ幅を表すと、11速>9速>10速となる。



基本的にハブ幅が長い分にはスペーサーを入れてやれば幅の調節が可能になるので、11速から9速、9速から10速へはスペーサーによって変換可能ということになる(わざわざ11速から段数を下げる方向に変換する人は少ないと思うが・・・)。

ということで今度はスペーサーを含めた等式でハブ幅を表すと、11速=9速+1.85mm=10速+2.85mm、9速=10速+1.0mmとなる。



逆に、9速を11速にしたり、10速から11速へしたりといった、「ハブ幅を長くする」方向へは(もちろんだが)スペーサーでは対応できず、ハブ幅を無理矢理合わせるためにハブを削って魔改造をしている例もある。

一方で、ハブ側ではなくスプロケ側の方で特殊な仕様のパーツを使うことで10速を11速化することができる

自分も以前10速から11速へ移行している最中に、特殊スプロケットを使って当時持っていた10速のフリーハブがついたホイールに11速のカセットをつけてレースに出たことがある。

ということで手順としてはまず9速に1.0mmのスペーサーをつけてハブ幅を10速対応に、そして10速のハブ幅に装着できる11速のスプロケを使って11速化を実現することにする。

実装


まず取り出したのは買い置きがあったシマノフリーハブ用のスペーサーセット。



9速から10速にするには1.0 mmと1.85mmのスペーサーを噛ませてあればいいのだが、1.85mmはスプロケについてくる(後述)ので1.0mmを取り出す。

これで10速に対応したフリーハブの横幅になったので、次はCS-HG800-11の11-34tのスプロケットを用意。



CS-HG800-11モデルのうち、11-34tの歯数組み合わせだけは10速ハブ対応の幅となっているのである。



裏側を見るとわかる通り、ロー側のコグ部分がハブの中心からさらに奥まるように設計されており、スプロケットの箱を開けるとデフォルトで1.85mmのスペーサーが付属している。つまり、11速用スプロケのくせに、11速のハブを使っている人はこのスペーサーをつけて、ハブの幅をわざわざ10速の長さにした上でこのスプロケを装着しないといけない作りになっているのである。



自分の場合9速ハブに取り付けるのでこの1.85mmスペーサーに1.0mmスペーサーを追加して装着すればいいことになる。



ということでもともと付いていた9速カットを外して変換完了。あとはコンポーネントを交換するだけだがここでまた色々悩むことになるのであった。




2 件のコメント :

  1. あさぴょん2020年4月1日 20:35

    小径車に大きなスプロケットを入れて、直付け台座のせいで大きなチェーンリングを入れられずギアが軽くなりすぎる、と言う所まで読みました。

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    1. まさに仰る通りの状態でトップ側数段は封印状態になってます。さらに折り畳みフレームではディレイラーのアラインメント調整に限界があり、ロー側でも数段使えない状態になっているのでかなりギア幅は狭まることになっております・・・。まあ通勤する分には十分ではあるのですが・・・。

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