ロードバイクと言えば軽量化だが、一方で、軽量化が特に威力を発揮するのはヒルクライムと、カーブである。
物理学上、全ての動く物体には慣性力があり、カーブで曲がる際にはタイヤと路面の間に摩擦力を生じて慣性力のベクトルを曲げることでカーブしている。自転車に限らず、モータースポーツの世界でもグリップの良いタイヤをはくことで(=路面との摩擦力を高めることで)高性能なコーナリングワークを実現している。
このときに車体の重量が関係しており、少しでも重量が軽ければその分慣性力が弱まりグリップ力が増すことになる。
一方で、重量が重いほど遠心力は大きくなる。遠心力が大きいと言うことは慣性が大きいということであり、足を止めてもその分自転する力が大きくなる。
つまり、自転力よりも軽さが重要になるヒルクライムや急カーブはともかく、ストレートコースや高速巡航であれば最低限の重さも必要ということになる。もちろん発進、加速時の運動性能は軽い方がいいのだが、一端速度が出てしまえばあとは慣性力の問題となってくる。
レースでも、平地コースでは空力の方を重視して重量は重いディープリムホイールを使う。ディープホイールの中では重量が重いBontragerのAeolusにしてみても、実際の走行テストでは他のホイールを押さえて良い結果を出していたりする。これは単にディープリムの形状による空力効果だけでなく、重量による慣性力も影響しているのではないだろうか。
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