ロードバイクの生化学:MSM

本来ならば代謝の基本や三大栄養素から取り上げていくべきなのだろうが、ちょうどMSMが必要な状況になったのでMSMから紹介していきたいと思う。

ちなみにレースでのクラッシュについては、以前紹介した知り合いのアメリカ人ロードレーサーによれば、「シーズン最初はよくあること」らしい。それよりもSmall Groupに注意しろとアドバイスを受けた。クラブチームだけでなく、知り合い同士で共同戦線を張り、ブロッキングしてくる場合もあるらしい。彼は50歳のときからレースを始めたそうだが、そういった事情もあり危険を感じて今は本格的なレースはやっていないとのこと。

レースでのクラッシュ後、右手人差し指の関節がまだ正常に戻らない。右手首下部の骨も打ち身のようになっているが、押すと初めて違和感を感じる程度。また、左肩も回すと違和感を感じる。どうやら左シフターが曲がった衝撃が少し肩にも伝わっていたようで、突き指ならぬ「突き肩」状態になっているようだ。

加えて、左脚股関節もまだ違和感があったため、MSMを採りつつ、食事もコラーゲンを含んだ肉系を多めに採る

コラーゲンは単なるタンパク質であるが、アミノ酸構成がコラーゲンを体内で再合成するのに最適であり、プロリンといったコラーゲンに必要なアミノ酸を多く含んでいるため、効率的に関節等を修復するアミノ酸を摂取することができる。

一方でMSMとはメチルスルフォニルメタン(C2H6O2S)のことで、化学式を見て分かる通り、硫黄(元素S、Sulfur)を含んだ有機態硫黄である。



硫黄は関節や軟骨に欠かせない成分であり、骨関節炎の改善に効果があることが研究結果で報告されている。(Efficacy of methylsulfonylmethane (MSM) in osteoarthritis pain of the knee: a pilot clinical trial.



この点、今回のレースのクラッシュだけでなく、それ以前の高回転トレーニングでも、筋肉痛以外に関節に痛みを感じていたため使用を開始していた。今の自分では、110回転以上でスプリントトレーニングをすると関節に疲れがでる。180回転で回す競輪選手に比べれば(比べること自体無謀だが)まだまだであるが、高回転トレーニングを効果的に持続するためには炎症を防いで関節の回復を促進させたい。

筋肉痛は筋肉の炎症である一方で、組成が違う関節の炎症には関節用の栄養素の1つである硫黄を適量補給する必要がある。

また、硫黄は含硫アミノ酸であるメチオニン(C5H11NO2S)や、システイン(C3H7NO2S)にも含まれており、インシュリン、タウリン、ヘパリンの生成に必要となる。ちなみにシステインは準必須アミノ酸だが、必須アミノ酸のメチオニンとセリン(解糖系の中間体より生合成されるため非必須アミノ酸)によって生合成される。

ちなみに、硫黄は関節、軟骨だけでなく、髪の毛や爪のケラチンの成分にも含まれている。




0 件のコメント :

コメントを投稿