というのも、自分は辛いものが好きである。
辛いと言っても、唐辛子系の辛さが好きなのであって、逆にワサビやカラシの辛さは苦手で、寿司屋ではいつもサビ抜きを注文する。というか、ニューヨークでは日本企業の和食系レストランでもない限り、チャイニーズ系の寿司屋等ではそもそもサビ抜きが標準であり、握りでもサビは別に添えられて出てくるのでサビ抜きと言う必要がない。
つまりは、舌にヒリヒリ来る辛さは大好物だが、鼻につんと来る辛さは嫌いなのである。
この違いはそもそもの「辛み」の成分が違うことに起因する。
唐辛子系の辛さのもとはカプサイシン(capsaicin)である。化学式はC18H27NO3で窒素を含むアルカロイド(有機窒素化合物)である。辛味の指標のスコヴィル値の基準にもなっている。
一方でワサビ系の辛さのもとはアリルイソチオシアネート(allyl isothiocyanate)である。化学式はC4H5NSで有機硫黄化合物の一つである。
さて、そんな中、以前「街頭熱狂!立ち食い酸辣粉」のエントリで紹介したように、麻婆豆腐、擔擔麪に次いで酸辣粉好きな自分だが、香港の酸辣粉を100点とすると、ニューヨークでは70点を超える酸辣粉に出会ったことがなく、重慶料理、四川料理系の店に行く度に酸辣粉を注文しているわけであった。
で、昨日はブルックリンにある四川料理屋に行ってきた。その店のオススメは二時間制限食べ放題の火鍋。
野菜類の別途追加も可能。
だが、自分が頼んだのは酸辣粉。「激辛にしてくれい」といって頼む。
で、出てきたのがまるでラー油の中に麺が浮かんでいる状態。
散々以前のエントリで書いたが、酸辣粉は、辣(辛さ)と酸(酸っぱさ)と麻(痺れ)が絶妙なハーモニーになって初めて美味くなるのだが、この店のは辣と麻だけ効いていて酸がほとんどない。点数をつけるとすれば30点。
が、しょうがないので全身から汗を吹き出しながらも全部食べきる。というのも辣の量だけは半端なかったからだ・・・。
そしてその夜、真夜中に目が覚め、トイレの中で一時間以上格闘することに。
朝もまるで病後のように頭も痛く胃も痛く体も重く、雨模様も手伝って早朝トレーニングで外へ行くこともできず、疲れて目が覚めたら既に出社時間で固定ローラーでのトレーニングもできなかった。
■塩分の自己調整
仕事中もひたすら胃痛が襲う。胃痛の原因は大量に摂取したカプサイシンと塩分。
カプサイシンは胃酸の分泌を促進するが、その胃酸の原料は胃酸が塩酸であるとおり、塩分である。麻婆豆腐にしろ、酸辣粉にしろ、基本的に四川系の辛い料理はカプサイシンと塩分が多いので、まさに胃にとっては最悪の組み合わせとなる。
また、塩分を多く摂取すると体内のpHを一定化するために水を多く溜め込み、塩分濃度を下げる。つまりは水太りする。ということで、体重は一時的に2kgも増えてしまった。
が、この体重増加は脂肪ではなく塩分の過剰摂取による水太りということがわかっているので、塩分を抑えた食事をして運動をして体調を回復してやる。
通常の生活では塩分不足になることはないが、ご存知の通り、ロードバイクといった持久系のスポーツでは低ナトリウム血症になることがある。
つまりは運動によって大量に発汗&水分を摂取することで体内の塩分濃度を下げてやる。
ということで、やっと体調が元に戻ってきたのは帰宅してトレーニングをした後になってからだった。というかトレーニングをしないと体調が優れない。毎日ペダルを回し続けているせいか、そのおかげか、トレーニングをするのが「日常」の体になってきてくれているのかもしれない。
■塩分の目安
栄養管理をする上で最も怖いのは、外食等で栄養成分が分からない場合である。
市販食品のように、パッケージに記載されいれば買う前に見ることもできるが、レストランなどでは、そもそもどこにも表示されていないため、ついつい知らず知らずのうちに食べ過ぎてしまう。ファミレスなどではカロリーが記載されているものもあるが、カロリーだけでは意味がないのは前回のエントリで述べた通りである。それこそ大量の塩分や、大量の飽和脂肪酸が使われているかもしれない。
一方、厚生労働省の2010年版の「日本人の食事摂取基準について」では、ナトリウム(食塩相当量)の摂取目安が男性で10g未満から9g未満に、女性で8g未満から7.5g未満に修正された。
ここで注意すべきは、ナトリウム量ではなく、ナトリウムの食塩相当量ということである。
ナトリウム(Na)の原子量(22.98977)は、塩分(食塩。NaCl)の原子量(58.443)の2.54分の1であるため、食塩相当量ということは、mg表示されているナトリウムの場合、「食塩相当量 = ナトリウム量(mg)× 2.54 ÷ 1,000」で求めることができる。
例えばこのSalt & Pepperのポテチ一袋の場合、
Serving Sizeは13枚でこの栄養素、そして1パックには4 Serving分入っているので、食塩量は、「420mg × 4 × 2.54 ÷ 1,000 = 4.26g」となり、一日の摂取量目安の50%近くを摂ってしまっているということである。つまり、3時のおやつにポテチ一袋を食べると、もう一日の半分なのである。さらにアメリカ基準では420gで18%なので、一袋で72%ということになる。
ちなみに飽和脂肪酸も一袋で12g、60%でまさに肥満大国万歳という栄養素構成になっている。
だが、この場合は問題ない。なぜならパッケージでこうして確認できるから、あとは自己管理さえできれば過剰摂取を防げるからだ。やはり怖いのは栄養素が明記されていない外食系である・・・。
自分も真剣にトレーニングをしていくのならば、こういった時々のハメ外しすら控えていかなくてはと思う。というか、体に悪いことをしていると、せっかくのトレーニングの効果を打ち消してしまいかねない。例えばタバコは、せっかく鍛えた心肺機能を自分自身で弱く戻しているようなものである。酒、タバコに暴飲暴食、どれもあんなに苦しんで頑張った自分の努力を、過去の自分を裏切る行為になってしまうからだ。
と、まあかっこいいことを書いてみたが、そこはやはり人間、自分へのご褒美もモチベーションの一つにもなるし、逆に仕事の付き合いとかでどうしようもない場合もある。自分に厳しすぎても、「白河の清きに魚も住みかねてもとの濁りの田沼恋しき」になりかねない。まあ一日の時間さえ自由にならないサラリーマン生活ではベストエフォートベースで頑張っていくしかないのであろう。
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