各モデルの説明と発売時期は以下の通り。前回の情報では2013年モデルということであったが、実際の発売時期は2012年のシーズン終了に差し掛かる8月以降になるらしい。
モデル名 | 説明 | 発売時期 |
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RD-9000 | リアディレイラー(最大28tまで対応) | 2012年8月 |
FD-9000 | フロントディレイラー(ダブルのみ対応) | 2012年8月 |
ST-9000 | ブレーキ、シフトレバー(ダブルのみ対応) | 2012年8月 |
SL-BSR1 | バーエンドシフター | 2012年8月 |
BR-9000 | デュアルピボットキャリパーブレーキ | 2012年8月 |
BR-9010 | 直付け式キャリパーブレーキ | 2012年8月 |
SM-CB90 | インライン型ブレーキケーブルアジャスタ | 2012年8月 |
FC-9000 | ホローテックIIクランクセット | 2012年8月-2013年1月(モデルにより異なる) |
SM-BB9000 | ボトムブラケットパーツ | |
SM-BB92-41B | プレスフィット(圧入)型BB | 2012年8月 |
CS-9000 | スプロケット(11速対応は11-25tと11-28tのみ?) | 2012年8月(11-23t) 2012年9月(12-25t, 12-28t) 2012年11月(その他) |
HB-9000 | フロントハブ | 2012年8月 |
FH-9000 | リアフリーハブ | 2012年8月 |
CN-9000 | Super narrow HGチェーン | 2012年8月 |
PD-9000 | SPD-SLペダル | 2012年8月 |
FC-9000のクランクセットのラインナップは、53/39t、50/34t、52/36t、52/38t、54/42t、55/42tのチェーンリングセットとのこと。
ちなみに前回でも記載したとおり、個人的には11速には惹かれない。プロチームを見ても、今年のツール・ド・フランスで優勝したカデル・エヴァンスのBMC、2位、3位となったシュレク兄弟のLeopard Trekも、ともにシマノコンポーネントを採用している。付け加えると、屈指のスプリンターであるカヴェンディッシュのHTC-Highroadもシマノである。ちなみに前年度覇者、今年5位であったコンタドールのSaxo Bank SungardはSRAM採用である。
これらの実績を見ると、皮肉にも「11速が有利でもなんでもない」ことをツールの舞台でプロたちが証明してしまったと捉えることもできる。
一方でレース結果とはお構いなしに11速化が進んでいく…。近年はシマノが電動、カンパが11速でそれぞれ先行して、良い具合に差別化が図れてきていた感じがあったが、そんなプロレーサーたちの実績とは裏腹に、シマノの11速化、カンパの電動化と、機能的には良くも悪くも横並びな状態に高機能化&収束化しそうである。
この点、シマノとカンパが両者とも電動、11速という方向に進んでいくとなると、注目を集めるのは三強の最後の一社であるSRAMの方向性となる。
そのSRAMから、最上位モデルRedの次バージョンのニュースが12月1日付けで出てきた。
SRAM Red groupset 2013 - details leaked
Redのフルモデルチェンジを発表し、ダブルタップ方式シフターをより握りやすく変形、フードの下にジェルパッドを付けた操作性の向上、マウンテンバイクのXX式削り出し(hollow 'X-Dome' construction)がされたスプロケット、変速性能をスムーズにするために変形させたフロントディレーラーなどが確認されている。詳細の発表は2012年2月で、発売時期はシマノのDura-Ace9000シリーズより早く、2012年の夏を予定しているとのこと。
ちなみに気になる電動化と11速化はどちらも2013年モデルの次バージョンでは予定していない模様。ただ、SRAM PRマネージャーのMichael Zellmann氏が話したところによると、電動化に対しては前向きで、"SRAM is squarely aimed at improving performance and offering value to our customers utilizing any and all technologies"ということなので、SRAMも将来的には高機能化に向かって行くと思われる。
どちらにしろ、先に述べたとおり、電動化には興味があるが11速化には興味がない自分としては、逆に10速Di2の値下がりを期待してそっちの方に傾きそうな気がしてしまうのであった。
どちらかというと10速での精度の向上や価格を抑えてくれるっていうほうが嬉しいですね。
返信削除クランクセットの53/39tと52/38tってあんまり違いがなさそうなんですけど、分ける必要あるんでしょうか?
その点ではまさしくSRAMの2013年モデルが、10速のまま変速精度を高めるようなのでその方向なのかもしれません。2014年以降になるとまたどうなるかわかりませんが。
返信削除クランクセットは確かに1歯だけ違うというのも微妙な気がしますね。それならもっと小さい超級山岳用のクランクとかを用意して欲しいところです。ガリビエ峠が最初にコースに入った1911年のツール・ド・フランスでは22Tというフロントもあったことですし(笑)
リア11段化は一般サイクリストが必要とする云々じゃなく、供給してるプロ達からギアを増やして欲しいという要望を抑えきれなくなったからじゃないんですかね
返信削除それかDi2が優先だったから今頃になって11段を投入するのか
どういう経緯があるのかはシマノの開発陣しか知らないだろうけどプロ達の要望があるからこそチェーンやギア板を薄くするリスクを犯して11段にするのだと思いますが
技術を誇るためなら一気に12段にするだろうし
コメントありがとうございます。
返信削除本文中にて触れましたが、そのプロ達の結果が逆転している(10段の選手が結果として上位に来ている)ことから、本当にプロ達の要望があるのかというのが気になるところではあります。このあたりについては私も追加考察をして改めてエントリできればと思います。
ちなみにリア11段が一般サイクリストが必要としないのであれば、アルテグラまで11段化するのはどうだろうかというところもあります。そこに経緯や背景の手掛かりがありそうな気がします。