ペダリング考察:押し足中心ペダリングと大腿四頭筋中心ペダリング

6月、Seven Lakes Driveのライドをしていた頃はまだRotor Q-Ringsで「大腿四頭筋によるピンポイントトルクによる高回転ペダリング」で走っていた

まあ高回転といってもヒルクライムで90rpmを維持するといった程度なので、ヒルクライムで見れば「高回転」かもしれないが、平地で見れば高回転でもなんでもないのだが…。

なにはともあれ、春先から夏までは、上記ペダリングでいろいろと試行錯誤を繰り返していた時期であった。

ポイントは如何に大腿四頭筋を効率良く使うかであった。


■例えばプライオメトリック

筋肉の伸張反射の特性を考えれば、不完全ながらも筋伸張と筋収縮を繰り返すペダリングにおいて伸張反射のメリットを享受できそうなものである。

つまり、上死点でタイミングよく大腿四頭筋を伸張から収縮へ切り替えるという動きによるものであり、ぶっちゃけ簡単に言えば「反動の力を使ってペダリングする」ということである。

プライオメトリックでは伸張の直後にその反動を利用して爆発的な収縮に転化させるため、ゆっくりと一定に真円を描くようなペダリングとは相性が悪く、ある程度の速度でピンポイントで踏むというメリハリをつけたペダリングで応用できるかといったところである。

自分の場合、体が温まってくるとちょうど96rpm前後でプライオメトリックモード(勝手に命名)に入る感覚があり、上手く反動を利用して長い間疲れずにペダリングができた気がした。


■例えば初動負荷理論

Wikipediaの説明を引用すると「運動の発動時に負荷のピークが存在することである。 例えば重い物を持ち上げる時、一番大きな力が発揮されるのは最初に地面から物が離れる瞬間である。」

自転車における筋力発揮でもこの傾向が見られ、発進時(例えば赤信号から青信号から変わったとき)の漕ぎ出し(つまり、初動時)に負荷が高くなる。また、ギアを上げた直後でも負荷が高くなる

これも高回転ペダリングとの相性は良く、ケイデンスが上がって1回転あたりの必要トルクが少なくなったときにギアチェンジすることで初動負荷による筋肉への負担を抑えることができ、一定出力を出したい場合のトルクの「ムラ」をなくすことができる

ということで、今年の夏、具体的には8月12日までは上記のようなことを考えながら日々シコシコとローラーを回し、暇があれば大腿四頭筋のウエイトをしたり、Compexで負荷をかけたりしていた。

そう、押し足中心のペダリングとは、イコール「大腿四頭筋中心のペダリング」だと考えていたのであった。


4 件のコメント :

  1. 白橙アクア2012年10月5日 14:29

    伸長反射について言及していただき大感謝です。
    ここ数日は完全にペダリングドツボにはまってしまいw、ポジションの見直しまで含めて迷宮の中をさまようばかりです。
    次エントリの楕円リングと坂については、ちょっと気になっていることがあります。後ほどまたコメントで訊いてみたいと思います。

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  2. 初心者ロードレーサー2012年10月6日 0:21

    伸長反射はウエイト等のトレーニングとセットで行うと効果があると認識しております。ウエイトといった絶対的な筋肉量の増加に対し、プライオメトリックはそのベースパワーを如何に実際の運動で使われる瞬発力に変換するか(使える筋肉にするか)という点で、ウエイトを基礎とするならプライオメトリックは応用に値するものだと思います。瞬発力という点ではスプリント等で自転車でも必要とされる能力ですし。

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  3. 白橙アクア2012年10月6日 9:43

    ウェイトでつけた筋肉を、反射を使って使える筋肉に昇華していく。ああ、目からウロコがポロポロと…
    さっそく今日からランジ開始です。貴重なアドバイスありがとうございます。
    ケツが跳ねるってのは、つまるところ踏み込みの反作用ですよね。ということは反対側の脚が、逆ベクトル力でのブレーキングをしていることに他ならず…
    「ウェイトトレでパワーをつける。高ケイデンスは保つ。両方やらなくっちゃあならないってのが、ロードレーサーのつらいところだな。覚悟はいいか?オレはできてる」といったところでしょうかw

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  4. 初心者ロードレーサー2012年10月7日 2:54

    ランジはかなり脚にきますよね。XBOX Kinectのユアシェイプでひたすらランジをするメニューを思い出しました。
    「使える筋肉・使えない筋肉」という本が日本で出ていますが、いかに単純増加させた筋肉を「使える筋肉」にするかという点で参考になるかもしれません。

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