昨夜の大統領選討論をライブ視聴して寝不足になりましたが、今朝は同時多発テロが起こった日ということでジョージワシントンブリッジにはフライングフラッグが飾られていました。
こっちで税金を払っている身としては他人ごとではなく、私は市民権をとっていないので選挙権はありませんが妻は選挙登録もしていて毎回投票に行ってます。
詳細な解説はニュースサイト等々で山ほど出てるのでここでは触れませんが、一番印象に残ったのは候補者2人が「話しかけている相手」でした。
嚙み合わない以前に話してる相手が違う
トランプは冒頭から最後のCMを挟んでの締めの総括まで、ほぼすべてがハリスに対する反論と批判、ときには司会者に対する反論に終始していました。
一方でハリスは序盤の中絶とリプロダクティブライツ(性と生殖に関する権利)に関する討論のセクションでカメラ目線で視聴者に向けて語りかけたのが印象的でした。討論会後にテイラースウィフトが民主党支持を発表しましたが、自分が女性だったら心を動かされたかもしれません。
締めの総括発言でもトランプはハリス叩きがメインだったのに対し、ハリスは視聴者に向けて未来志向で話しかけていました。
トランプの岩盤支持層はトランプの発言にテレビの前で激しく同意していたかもしれませんが、ハリスは党派関わりなく女性全体や視聴者に向けての語り掛けが対照的でした。
一方で、主催のABCニュースでは、討論直後にウォルズとヴァンス(民主党、共和党それぞれの副大統領候補)にインタビューしていました。ヴァンスはトランプの批判と同じく、ハリスがPlatitudeばかりで中身のなさを指摘していましたが、実際その通りだったと思います。
ただ、中身のなさをスルーして印象操作に注力したハリス陣営の戦略はうまくいったと思いますし、テレビ討論では視聴者受けが大事なので、難しいことは横に置いておいて耳障りのいい言葉を繰り返す方が効果的なのかもしれません。
ここで思い出されるのは1960年の最初の大統領候補討論です(思い出されるといっても生で見たわけではありませんが…😅)。
今回の討論会の差は、相手を言い負かせたかどうかではなく、視聴者に好意的に受け止められたかという印象の違いだったと思います。
中身より外見
今回に限ってはハリス勝利で印象操作は成功したと思いますが、じゃあハリスがいいのかというと微妙です。
トランプが散々指摘してきたように、これまで副大統領のポストにいたのに何をしてきたのかと言われると、この3年半の印象も実績も薄かったと言わざるを得ません。
それに株式市場はトランプが当選したほうが上がりやすいでしょう。ウクライナ問題にしてもトランプの方が束の間の平和と物価安定を作り出すのに有効かもしれません(個人的には侵略者が得をする結果を残すのは断固反対ですが)。
いわゆる富裕層以上の人たちにとってもトランプの方が助かるでしょう。
日本の自民党総裁選
選挙といえば日本でも近いタイミングで総裁選が行われます。
日本の税金を払ってない身で言うのも恐縮ですが、主張を戦わせるこちらの論戦に比べ、「候補乱立で誰も過半数獲れなくて、決選投票に持ち込まれて永田町の論理で決まる」というのはなんだかなと思います。
もちろん大統領選挙と違い自民党内での総裁選挙ということで簡単に比較はできませんが、その勝者が国の顔になるという点ではその影響は大きいでしょう。
まあ本当に怖いのは担がれた神輿なんかよりジキル島の怪物の方かもしれませんが…。
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