つまり腹筋を割るということは日本だろうがアメリカだろうが共通の一般的エクササイズ目標なのである。
ちなみに腹筋は実は元々割れている。
華奢な女性であっても、
つまり腹筋自体は割れていて、それが皮膚や脂肪で覆われているために単に外から見ると割れているようにみえなくなっているだけなのである。
ということは腹筋を割る方法も明白で、
1.腹筋自体を筋肥大させてメリハリをハッキリさせる
か、
2.腹筋を覆う脂肪を落とす
の2つの側面からアプローチすれば割れてくる。
ちなみにぶっちゃけ自分は2010年からほぼ毎日自転車に乗っていたが、それでも腹筋は割れなかった。
というのも、自転車は直接腹筋の筋肥大を促したり、腹筋部分の部分痩せができるものでもないからである。
2の脂肪だけのアプローチで腹筋が割れてきたのは体脂肪が10%を切ってくらいから。
それでもピーターサガンのような体になるためには単に体脂肪を減らすだけでは不可能のように思える。
他の(低体脂肪率の)プロロード選手と比べると明白だが、ピーターサガンの場合明らかに自転車に乗る以外に、つまりはウェイトトレーニングで体を作りにいっているのがわかる。
そしてウェイトトレーニングといえばこちら。
今回はMen's Fitnessより。
Men's FitnessはFlexといったハードコアワークアウト雑誌と違い、有酸素運動系の記事もあったりしてちょっとスポーティーな男性向け系の雑誌といえる。
ちなみにこちらはFlexの表紙。その対象読者層の違いは明らか。というかロニー・コールマンやジェイ・カトラーがMen's Fitnessの表紙を飾ることはないんだろう。
脱線してしまったが、Men's Fitnessの腹筋特集がこちら。
各種腹筋トレーニングが実際に腹筋に及ぼす負荷をグラフにしてある。
つまり、腹筋を割るのに効果的なトレーニングはどれかがわかるようになっているのである。
横軸は平均負荷で縦軸は最大負荷。
右上に行くほど「腹筋に効くトレーニング」になっている。
まずは左下の低負荷のものから順に見ていくと、プランクやサイドプランクといったコアトレーニング系の種目が並ぶ。
コアトレは、体のバランスを保つための低負荷複合関節型種目なので、腹筋にダイレクトに効かないのも当然と言えば当然である。
次に出てくるのはWeighted Crunch。ジムでもウエイトを抱えてトレーニングしている人をみかけるし、自分も同タイプのウエイトクランチマシーンを使ったことがあるが、他のところに力が入って腹筋を動員しにくい。逆にいえば、目的の筋肉に効かすにはそれだけ訓練が必要で、力の入れ方やフォームに慣れないと難しいのかもしれない。
そして意外だったのはドラゴンフラッグの効果があまり高くないこと。
ドラゴンフラッグといえばかのブルース・リーのトレーニングであり、自重トレの中でもかなりの高負荷なイメージがあるのだが、こちらも複数の筋群を使うだけに腹筋にダイレクトに効くかというと別問題なのかもしれない。
そして費用対効果がいいトレーニングとして紹介されているのがアブローラー。
自分はマウントワシントンのヒルクライムで優勝しているプロロードレーサーが使っているというのを知って購入した。
自宅で簡単にできる上、腹筋だけでなく体幹も鍛えられるのでなかなか効果的である。
そして上位に位置するのはレッグレイズにチンアップ(懸垂)である。
こちらも個人的にはレッグレイズの方がチンアップより効きそうなイメージがあるが、チンアップが一番上にランクされていたのは意外だった。
ちなみに日本では「懸垂」という単語しかないが、アメリカでは順手の場合をプルアップ、逆手の場合をチンアップと呼び、明確に分かれている。
チンアップが上腕二頭筋も使うのに対し、プルアップは背中の筋肉(僧帽筋、広背筋、菱形筋、大円筋)中心になる。また、グリップ幅を変えることで背中の上部に効かせるのか下部に効かせるのかで効かせるポイントを絞る点でも単なる「懸垂」とは異なる。
後述するがサイクリストの場合はチンアップよりプルアップを推奨したい。
そしてこのレッグレイズとプルアップのどちらも家で行えるようになるのがこちらの器具。
自分は以前かめらいだーさんが導入していたのを見て知っていたが、ウエイトトレーニングを始めてから広背筋の強化をしたくて今回ついに購入に至る。
ウォルマートで20ドル以下で購入。
ワークアウトガイドにはプルアップやチンアップ、レッグレイズにニーレイズなどが載っている。
ということで、すでに日々自転車に乗りまくっているロード乗りの方々にとってはカーディオ(有酸素運動)による脂肪減少は十分だと思うので、あとはプルアップバー(懸垂バー)とアブローラーで腹筋をメキメキにかわいがってあげれば、これであなたも一気にアブアブの仲間入りである。
と、ここまで煽っておいてなんだが、ぶっちゃけ自転車に腹筋はそこまで必要ないと思う。
スプリンターならいざ知らず、ヒルクライムやTTではもっと他に鍛えるべき筋肉がいっぱいある。
とはいえ、広背筋と体幹は意識して鍛えていきたいのでここでご紹介したワークアウトが不要というわけでは決してない。
自転車に必要な筋肉という点で考えると、懸垂でいえばハンドルバーを逆手で持つことはないのでチンアップは不要だがプルアップは積極的に取り入れていきたい。
その場合も肩幅以上にハンドルを握ることは(左右に長いフラットバーならいざ知らず)ドロップハンドルではありえないので、プルアップの幅も広くとらずにハンドルバーの幅に合わせる。と、その結果として広背筋上部ではなく中部~下部が鍛えられることになり、それが自転車に必要な筋肉へと繋がる。
ジムのマシンでいうならラットプルダウンよりベントオーバーローイングに近いイメージ。
プロ選手の体幹を見ても、ボディービルダーのように脇の下に広がり逆三角形を作る広背筋上部(動画の40秒目をご参照)ではなく、広背筋の中部が盛り上がっていることが確認できる。
これであなたも立派なファビアンの仲間入りである。
と、腹筋特集をしてきたつもりがいつの間にか泉田特集になっていた・・・(合掌)
筋肉ネタに、泉田は重宝しますねw。サイクルモードではリドレーやサーベロには及ばないものの、BHもペダル女子の注目を集めてました。
返信削除日本もトレーニング方法や理論がここ数年でずいぶん発展したと思ってましたが、やはり欧米が一歩も二歩も先を行ってる感じですね。私の年代くらいまではウサギ跳びグラウンド周回だの練習中は水を飲むなだの…
泉田以外は酸素だったり体幹(というか樽)だったりで実際には応用できないものが多いですからね・・・。それにしてもサイクルモードおそるべし。一度見に行ってみたいものです。こちらとはまた全然違う雰囲気が漂ってるんでしょうね。
返信削除トレーニング方法は書籍やメディアの情報量はやはり多いですね。そしてジムでみかけるマッチョの人たちの割合も多い気がします。。。