汕頭ウルルン滞在記第1回:香港から大陸に渡り~深圳の地下鉄に~乗ったぁ~



中国の行政区画における汕頭の位置付け

まずはそもそも汕頭(広東語ではサンタオと発音する)の説明から。

自分も最初に聞いたときは地理感覚が掴めなかったが、汕頭は広東省の東端に位置する地級市(地方都市)。

どちらかというと福建省に近く、少し東に行けば福建省の大都市、廈門(アモイ)がある。




香港の隣に位置し、目まぐるしい発展を遂げている深圳(シンセン)に比べて、何もなさそうな地方都市に行ってなにをすればいいんだと思っていたが、後から調べてみると中国の中でもかなりの大都市であることがわかる。

というのも、都市としては副省級市である深圳とは違うものの、「中華人民共和國立法法」で規定されている5つ※しかない経済特区のうちの1つ(※深圳、珠海、廈門、汕頭、海南)。

ちなみに副省級市やら地級市というのは都市の大きさや特性を表す中国での呼称で、現時点ではだいたい以下の区分に分かれている。

  • 特別行政区:香港、澳門(マカオ)の2都市。中国国籍者以外はこの2都市と他の中国の都市との移動にはパスポートが必要なのでイメージ的には別の国。中国大陸の都市とは、電話の国番号も違えば、通貨も法律も公用語※も違う(※香港では議会、法廷、警察といった公の場でも広東語が使われる)。
  • 直轄市:北京、上海、天津、重慶の4都市。直轄市は省に所属せずに文字通り政府直轄となる。例えば重慶は地理的には四川省だが行政区画上は四川省に属さない。
  • 副省級市:省を代表する大都市。廣州、深圳、瀋陽、大連、長春、哈爾濱(ハルピン)、南京、杭州、青島、濟南、寧波、廈門、武漢、成都、西安の15都市。このうち広東省に属するのは廣州、深圳の2都市。
  • 地級市:省の中で人口が集まっている地方都市、今回滞在する汕頭もその1つ。
  • その他:省直轄市だったり、もっと小規模の都市だったり。中国の行政区画の詳細はWikipediaのページ、中華人民共和國行政區劃(中国語)をご参照いただきたい。

ということで、汕頭は、「序列的には地級市だが、5つしかない経済特区の1つでもあるので実質的には頭1つ抜きん出た地級市」という感じになるだろうが、全く予備知識がなく、予備知識を蓄えようにもそもそも日本語で汕頭を解説しているウェブサイトがあまりにも少ないので、どんな感じなのかのイメージもないまま突撃することになった。

ある意味、汕頭旅行を紹介しているページがほとんどない(または古い)ので、今回生の汕頭旅行記をご紹介することで、もしこれから行くことがある人のための先達となれれば幸いである。


深圳へ


自分はこれまで中国大陸は北京に2度、深圳に1度行ったのみ。

深圳は3年前に行ったが、夕飯に麻婆豆腐を食べに行っただけだったので滞在わずか半日弱。

ところが今回は3泊4日。

久しぶりの中国大陸滞在、しかも今度は小さい子どもと一緒ということで、心配と不安が出てくる。

香港人の知り合いから、「大陸は危険だから誘拐されないように常に子どもを抱っこしていけ」と釘を刺され、否が応にも気が張ってくる。


朝、香港の馬鞍山を出発。




バスに乗って大学駅(香港中文大学がある駅)へ到着。




地下鉄への乗り換えで歩いていると気になる折り畳み自転車が。




「風速のマスター」って書いてある・・・




そこからMTR(香港地下鉄)に乗って国境の町、羅湖駅へ。

ちなみに羅湖は特殊な駅で、禁區(中国大陸と香港の境界にある立入禁止区域)内にあって、駅がそのまま中国大陸への出入境検査と直結しており、駅の周りに街が広がっているという普通の駅とは一線を画する。

羅湖に来ると雰囲気は大陸モード。駅からそのまま人の流れに乗って入出国ゲートへ進む。




厳密には国境ではなく特別行政区と大陸の境界なのだが、日本人のパスポート上は香港特別行政区の出国スタンプと中華人民共和国の入国スタンプが押されるので普通の入出国審査と変わらない。

セキュリティーチェックでさっそく大陸の洗礼。

中国語を話す前のおばちゃんがワーワー話しながらショルダーバックを肩に掛けたままセキュリティチェックを通過。

係官が「バッグは外して荷物用のX線検査に入れること。戻ってやり直すように」と注意するが無視。

注意しても無視が3回ほど続き、ついには係官がブチ切れて「そこの赤い服のお前だっ!!」と大声で怒鳴る始末。

早速マナーの悪さが・・・と思って羅湖の大陸側へ。




街の名前は「羅湖」で香港の羅湖駅と同じ名前だが、ここはもう大陸の深圳。

前回来たときは地下鉄の階段で子どもに立ちションさせてる親を見かけたなぁと思っていると今回も道端でオシッコしてる子どもが・・・。

地下鉄は綺麗なのに民度が追いついていない。



ただ武警(モウギン、武装警察のこと)の集団がパトロールしていたり、地下鉄の改札にもX線検査があったりとセキュリティ面は物々しい。

地下鉄に乗って乗り換え。



深圳の地下鉄は香港と同じ会社(MTR)が運営しているのだが、後発だけあって深圳の方が綺麗で進んでいる。



車内の液晶画面では現在時刻が秒まで表示されている。もちろんニューヨークの地下鉄は液晶画面すらない。



地下鉄内ではまだ深圳だというのに中国語の話し声が聞こえてきたりしてすでに大陸の雰囲気。



画像では分かりづらいが赤と紫の路線が交差しているのが深圳北駅。



そして深圳北駅へ到着。

深圳北は中国大陸南部の一大ターミナルで中国各地への高速鉄道が出ている。

今回は初めて中国の高鉄(日本の新幹線に相当)に乗ることになる・・・。






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