日本旅行総括:人生余命一覧表でゴールデンタイムを意識する

職場の顔ぶれに見る奇跡


最近は採用面接を立て続けに行っている。

通常業務が中断されてしまうし、1人あたり1時間弱やると5人で5時間とけっこうな時間になるのでバカにならない。

が、そこは日本人たる一期一会の精神で、相手のこれまでの人生に興味を持っていろんな経歴に耳を傾けるのも悪くない。

特にニューヨークでは世界中から人が集まっているので、アフリカから移民してきた人、イギリス出身の人、ロシアから亡命してきた人、はたまた生まれも育ちもニューヨークの人など、バラエティーに富んでいて自分と全く違った人生を聞くのも興味深い。そしてそんな違う道を歩んできたバックグラウンドを持つ人たちが、同じ職域で似たようなキャリアを積んでいるという共通項があるのもいとをかし。

職場では企業文化というものもあるが、やはり一番大事なのはそこで働いている人なのだと思う。

自分は日本でもアメリカでも転職経験があるが、例えば今、昔いた日本の会社の同じ部署に戻ったとしても、当時の同僚はもうそこにはいないので全く別の職場のように感じてしまうのだろう。

一方で当時の同僚と飲み会などで集まると一気に当時の雰囲気が蘇ってくる。みんなそれぞれの人生の旅路の中で、たまたまその企業のその部署にいる時期が重なった結果の組み合わせなわけで、数年経てばバラバラに離れていってもう二度と同じ職場にはならないということを考えると、今このとき、職場にいるメンバーたちの組み合わせは奇跡の産物というかすごく貴重な時間なのだろう。

家族に見る奇跡


そして一番身近な人間関係といえば家族になる。

家族となると同僚よりよっぽど繋がりが強く、たとえ離れて暮らしてても、たとえ数年間会っていなくても、何かあれば駆けつけたりとその繋がりが消えることはない。

が、その家族ですらも、この時間の流れの中での一期一会からは逃れられない。

例えばExcelを開いて、A列に自分の年齢、B列から家族の年齢を入れてみるとこんな風になる(年齢は厚生労働省が発表した2014年の第1子出産時の平均年齢30.6歳と、このブログの読者の平均年齢(グーグルアナリティックス調べ)である35~44歳に合わせている)。

自分ポチ
031310
132321
233332
3970703981
4071714092
41727241103

日本人男性の健康寿命は71歳であること等を考えると、家族全員が健康に集まれる時間というのは思ったよりも短いということがわかる。

それこそ子どもがいる人は、親と子と自分たち三世代が一緒に集まれる時間というのはごくわずかな時間しかない

数年経てば親が自由に動けなくなるかもしれないし、子どもも成長すれば家族よりも友達との時間を優先するようになるかもしれない(むしろ思春期以降はそうなる方が健全ともいえる)、そして自分自身がリストラや病気、事故に遭う可能性もないとはいえない。

こうして「人生余命一覧表」を見ると、今このときの横串で見た各世代の組み合わせは未来永劫続くわけではなく、わずか一瞬の輝きの瞬間であると認識せざるをえない。

そう思うと、家族でなんの問題もなく集まれるというのは数えるほどしかなく、今回の旅行の時間は人生におけるゴールデンタイムだったことがわかる。



そして自分はあと何年ゴールデンタイムの中にいられるのか。

いや、むしろ人生余命一覧表の中では、どのタイミングであっても、そのときそのときが足早に過ぎ去ってしまうゴールデンタイムなのかもしれない。

ただ一番怖いことはゴールデンタイムが過ぎ去ってしまうことではなく、今この瞬間がゴールデンタイムだと気付かずに貴重な時間を無為に過ごしてしまうことだろう。


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