壊れ逝く満腹中枢・・・
思えばレースの前からすでに壊れていた。
最後の方には寝ても覚めても食い物のことしか考えられず、むしろ最低体重47.4kgを記録したときよりもその後3カ月間40kg台をキープする方が苦しかった。
寝ても覚めてもどころか、夢の中でも食い物の夢を見ていた・・・。
あるときは「今日はあと200kcal食えるから何を食べようか」と悩む夢だったり、あるときは食い放題を食べてるけどカロリー計算に苦しんでいる夢だったり。
はっきりいって完全に摂食障害。
どれくらいヤバかったかというと、子供と一緒にしまじろうを見てて、とりっぴいがうまそうに見えるくらい逝っちゃってた。
ダイエット終了後にケンタッキーグリルドチキン(アメリカではノンフライバージョンが売られている)を腹一杯食べたときの満足度といったらもう・・・。
ただ一番辛かったのはスイーツ制限。
スイーツを主食にするくらいスイーツ好きな自分にとってスイーツ制限は辛かった。
ということで今シーズンの最後のレースが終わった10月27日以降、ダイエット制限を解禁してから食べたスイーツ系のうち、写真を撮ってあったものを一気に羅列していく。
ちなみにスイーツ以外ももちろん食べているので、以下のスイーツは通常の食事に加えてであることを明記しておきたい。
10月27日~11月5日の10日間
オレオクリームケーキ(ホールケーキサイズ。もちろん一人で完食。ちなみに以下紹介していくホールケーキは基本全部一人で1日~2日で食べ尽くしている・・・)
ヘーゼルナッツジェラートのブッシュドノエル風アイスクリームケーキ(ホールケーキサイズ)
ハンバーガーケーキ。チョコスポンジをクリームとイチゴジャムでサンドし、さらにそれをパンでサンドした一品。
ティラミスとロブスターテール
チョコバナナクレープ
生クリームとチョコレートとバナナを包んだオーソドックスな一品。
自作モカクリームケーキ。
たっぷりの生クリームで包むのがポイント。
ストロベリーとクリームを巻いたユールログケーキ(ホールケーキサイズ)
Costcoのチョコクレープ
ミントクッキーアイスクリーム(1420ml=スーパーカップ7つ分)
チェストナッツケーキ(ホールケーキサイズ)
一見普通の生クリームのようだが、中にちゃんとマロンクリームが入っている。
ここまでの時点で体重は5kg強増加。
半年以上かけて落とした10kgの半分をたった10日間で取り戻してしまった・・・。
最初は「これまで痩せすぎだったから意識して増量しよう」と思っていた・・・。
が、あまりに急な体重の増加ぶりに「このままではヤバイ」と思い始めてきた。
なんというか、痩せるのに比べて、太るのがこんなにも簡単だったとは・・・。
それこそ「太ろう!」と意識して食べると、いとも簡単に太れてしまう。
ライザップといい、痩せるビジネスがカネになるのに対して、なぜ太るビジネスがないのかがよくわかった10日間であった。
その後の増量生活
最初の10日間で5kg太ったものの、さすがに危機を感じて増量ペースを落とそうと抵抗を試みるようになった。
そのおかげで増量ペースは落ちたものの、意志とは裏腹に別の人格が甘い物を求め続けて食べずにはいられなかった。
満腹中枢が壊れているなぁと思いつつ、人間のメタボリズムにこんなにも振り回されるとはと感心しながら堕ちていった・・・。
ということで引き続き食べていったスイーツを羅列していきたい・・・。
エッグタルト
日系ベーカリーで買ったモンブラン。
中にマロングラッセが入っていて生クリームたっぷり。
カスタードデニッシュリング(ホールケーキサイズ)
たっぷりとバターを練り込んだパイ生地にこれまたたっぷりなカスタードクリームが中に入り、外側はシュガーコーティングという一品。
モカユールログ(ホールケーキサイズ)
ストロベリーカスタードケーキ(6インチサイズ)
Costcoのバニラアイスクリームとホットドッグ。
ストロベリーケーキ(ホールケーキサイズ)
このあたりから、とりあえずホールケーキ系のカロリーが高い&簡単に食いきってしまうので、ホールケーキ系は控えるように心がけるようにした。
その代わりといってはなんだがオーソドックスなお菓子系で代替するようになっていく。
いわゆる昔からあるようなチョコレート菓子であれば、簡単に「飽き」が来るのでそんなに食えないだろうという狙いからである。
まずはオレオ。
オレオミニ。ミニにすることで少しの抵抗を見せるが、結局その分食べるので総量は変わらず効果なし・・・。
オレオスィン。薄くすることで・・・以下同文。
さらにチョコレートディップでコーティングされたオレオ。
が、やはり食っても食っても「飽き」が来ずに食い続けられてしまう。
こんな甘ったるそうなチョコレートクリームオレオでも手が止まらない・・・。
キットカットもいく。この食欲崩壊生活で良かったことは、こちらで一般に売られているお菓子系の中で、自分の好きなチョコレートの味はキットカットなのだとわかったこと。M&Mやオレオのチョココーティングよりもキットカットのチョコレートの方が単品としての味は自分好み。
それを自覚してからはキットカット中心に攻めていく。こちらでは日本のようにいろんなフレーバーがないが、サイズの違いはいろいろ発売されてるので気分を変えてXLサイズのキットカットにしたり、
逆にミニサイズにしてコーティングされてるチョコの割合が多いものを試したりするがどれも食い続けてしまう。
個包装のファミリーサイズにしたりと試行錯誤するものの結局総摂取量には変わりなし。
そして57.90kg。
ダイエット期間の最軽量が47.40kgだったので晴れて10kg越え達成。
結局お菓子系でも「飽き」が来ない点は変わらないじゃないかということで、さらにサンクスギビングの季節も相まってまたホールケーキ生活に戻っていく・・・。
マンゴーの餅アイスクリーム(いわゆる雪見だいふく系のアイスは、こちらではMochi Ice Creamという名称で広まっている)。
自作ホットケーキ。たっぷりのバターとメープルシロップが決め手。
ホールフーズのティラミス(ホールケーキサイズ)
チョコレート&カスタードケーキ(ホールケーキサイズ)
チョコレートムースケーキ(ホールケーキサイズ)
ムースケーキというだけあってスポンジよりクリームの割合が多くカロリーが恐ろしい・・・。
ついに60kgの大台を超える。
その後も快進撃?は続く。
ディープフライのフレンチトースト。
中はとろけ出すほどのクリームたっぷりで美味。
そしてマカロン。
これまでの経験で、結局お菓子でも「飽き」がこないことを悟りつつ、ケーキ生活へ戻る。
これでもか、
これでもかとケーキ攻め。
それでもホールケーキからスライスになったことを考えると少しは落ち着いてきたかと思ったが、ここでトドメの巨大クッキーチョコレートホールケーキ。
330kcalが24 Servings分ということで全部で7920kcal。2日ちょっとで一人で食いきってしまったことを考えるとまだまだ満腹中枢はぶっ壊れてるということか・・・。
そして体重は61.5kg・・・、10月下旬は40kg台だったことを考えると恐ろしい・・・。
Garmin Connectのグラフで見ると一目瞭然。
まさに急激なリバウンドによって、むしろダイエット前よりも体重が増えてしまった。
自分のことながら、人間ってここまで短期間に太ることができるんだなぁと感心する。
リバウンドさせるメタボリズムの罠
一方で、リバウンドしてしまうメカニズムはすでにある程度解明されている。
そう、リバウンドとは意志や努力というより、メカニズムという人体の仕組みによるものなのである。
その中でもニューヨークタイムズでも取り上げられてアメリカで広く知られるようになったのが、The Biggest Loserの追跡調査結果。
The Biggest LoserというのはアメリカNBCの人気ダイエット番組で、どれだけ減量できたかを参加者同士で競って、優勝者には賞金が贈られるというもの。
その番組に出演した14人を6年もの間追跡調査した結果、うち13人がリバウンドしてしまっていた。
ここまでならよくある話しで、実際、当時の優勝者であるダニー(上掲の写真)は、周囲からリバウンドしたことについて意志が弱いといった批判を受けたという。
が、ラボテストによってわかったのは、急激なダイエットに伴って減少した基礎代謝が、同体重の人たちに比べて少なくなってしまうという事実だった。
ダニーの場合、同じ体重の人たちに比べて800kcalも基礎代謝が少ないという結果が出ている。
これはつまり、同じ体重の人と同じ食事をしても毎日800kcal分余計に太っていくということなり、その体重に見合った通常の食事をしていてもどんどん体重が増えてリバウンドしていくということを意味している。
Mr. Cahill was one of the worst off. As he regained more than 100 pounds, his metabolism slowed so much that, just to maintain his current weight of 295 pounds, he now has to eat 800 calories a day less than a typical man his size. Anything more turns to fat.
After ‘The Biggest Loser,’ Their Bodies Fought to Regain Weight
まさにメタボリズムというカラダの仕組み自体がリバウンドさせるように作用しているということである。
ダニーも「この調査結果によって(批判されてきたように)単に自分が怠惰なだけだったわけじゃないということが証明されて救われた」とインタビューに応えている。
さらに問題は基礎代謝だけではなく、満腹感をコントロールするホルモンのレプチンにも及ぶ。
The Biggest Loserの参加者は、減量期間によってレプチンがゼロになった(=常に飢餓を感じるようになった)が、減量をやめてもレプチンレベルは減量前の半分までにしか戻らなかったのである。
つまり、減量前と同じ食生活をしていても、減量前のとき以上に飢餓を感じるようになり、体が、本能が食べることを求めてくる(=摂取カロリーが増える)ことになる。
このダブルの効果により、基礎代謝(消費カロリー)が落ちるのに摂取カロリーは増えるという二重苦でリバウンドという結果に結びつくことになる。
自分が満腹中枢がぶっ壊れてスイーツを食い続けて止められないのも、このレプチン崩壊によって摂食障害状態に陥っていると考えれば納得がいく。
まさにそのメタボリズムの神秘を現在進行形で体験しているのであった・・・。
最近読み始めました。大変有意義な記事が多くサイト主様の博識に驚くとともに感謝しております。
返信削除>子供と一緒にしまじろうを見てて、とりっぴいがうまそうに見えるくらい逝っちゃってた。
新年最初の涙が出るほどの爆笑をさせていただきました。ありがとうございました。いい年になりそうです。
本年も面白くてためになる記事をよろしくお願いいたします。
あけましておめでとうございます。
削除最近は只ひたすらダイエットとリバウンドの浮き沈みの激しさに苦しみまくっていてお恥ずかしい限りです。
引き続きのた打ち回る様をご報告していければと思いますので本年もよろしくお願いいたします!