スロージョギング以外の選択肢
まず今回のエントリ前に、ひとつ留意しておきたいのは「別にスロージョギングにこだわる必要はない」ということ。
何時間もディップスできるような筋持久力があるならひたすらディップスしてもいい。
前回ご紹介したHealthlineの脂肪燃焼ゾーンに該当する運動例のように、他にも適した運動の選択肢はいっぱいある。というか、ぶっちゃけ脂肪燃焼ゾーンを無理なく長時間続けられる運動ならなんでもいい。
ダンスがとことん好きで、1日5時間踊っても苦にならないならそれでもいいし、1日中テニスのダブルスをしまくってもいい。
たまたま自分にとってはダンスやテニスにそこまで熱意が沸かないというのと、暑い夏に5時間外で運動し続けるのは辛いという個人的嗜好によるものである。
サイクリストで時速16kmは遅すぎるという人でも、後述するひきこもりダイエットを応用して、他のことに集中しながらローラー台なりで長時間ゆっくり回し続けるというのもアリだと思う。
ということで、この方法でしかダメというわけではなく、多数あるダイエット用運動のうちの1つとして以下ご参考いただければ幸いである。
スロージョギングとは
スロージョギングというが、具体的にどれくらいの速度で走ればいいのか。
まずはスロージョギングの前に、ランニングとジョギングの違いを把握しておきたい。
この点、引き続きHealthlineのサイトによると以下の通りで、「ジョギングは4~6mphで歩くスピードより早く、6mph以上はランニングになる」。
ということは時速6マイルがランニングとジョギングの境界線ということになるが、マイルで言われても感覚がつかみにくいので、ランナーにお馴染みの「キロ何分ペース」に換算すると、1kmあたり6分15秒というペース(=時速9.6km)。
ジョギングが4~6mphということは、1kmあたり6分15秒~9分23秒(=時速6.4km~9.6km)がジョギングペースということになる。
ちなみに徒歩の速度は、人によって歩く速さは違うので賃貸物件の駅徒歩○分を参考にすると時速4.8km(1kmあたり12分30秒)となっている。
「計算方法はシンプルです。道路距離80mを徒歩で1分かかるものとして、端数は切り上げます。この基準は、『不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)』で定められていますので、全国の不動産会社で共通の計算法だと思っていただいて大丈夫です」
80mを1分ってことは、1時間で4800m。つまり、時速4.8キロだ。子どものころ、人が歩く速度は時速4キロくらいって習った記憶があるけど……ちょっと速めってこと?
「駅徒歩○○分」の時間って、どんな基準で決められているの?
では、スロージョギングのペースはというと、サイトによって「歩いている人を追い越さないくらい」とか違いがあるが、ここではズバリ本家本元の日本スロージョギング協会の定義を参考にしたい。
隣の方と話ができるくらいの運動の強さで行うジョギングをスロージョギングと定義しました。
運動生理学的には乳酸が急増し始めるランニング速度あるいはそれ以下で、個々人により速度が違います。これは、疲労がたまらない強さですから、誰でもラクに楽しく始める事ができ、継続しやすい運動です。
例えば、高齢者や運動経験の少ない人は、歩く速度か、むしろそれより遅いペースで行います。無理をせず、自分にあった適切な運動強度で行うことが大切です。スロージョギングは、減量やメタボ対策、生活習慣病の予防や治療、サルコペニアや脳機能の改善に効果的である事がわかっています。
スロージョギング®とは
「高齢者や運動経験の少ない人は、歩く速度か、むしろそれより遅いペース」というと、日常的に運動してるサイクリストの場合は歩く速度以上、ジョギングのペース以下という感じか。
目的は脂肪燃焼ゾーンに運動強度を合わせることなので、実際には上記基準を元に実際にスロージョギングをしながら心拍計を見て負荷を調整すればいい。
スロージョギングのデメリットその1:恥ずかしい
一方でスロージョギングならではの悩みというかデメリットもある。
そのひとつが外を走ると恥ずかしいというもの。
(3)そんなに遅いジョギングだと外で走るのが恥ずかしいという印象
これもうなずけます。スロージョギング教室でお客さんと列をなして走ってたい時のことです。ある女性が「こんなに遅いと恥ずかしいですよね」と。こんなに遅く走っても「スロージョギングしてるんだね!」と言われるくらい認知度を上げる必要があります。このジョギングが恥ずかしくなくなった時に日本は救われますよ。健康長寿!
よく聞く「スロージョギングは出来ない」という理由
意図的に遅くジョギングすることになるので、普通に走ってる自分より遥かに年配の方々や、明らかに太りすぎだろという人たちにもどんどん追い越されることになる。
そのため追い越していく人々から奇異の目で見られることもあるかもしれない。
スロージョギングのデメリットその2:気を使う
同じく遅いペースに起因するものとして、走っていて危ないので気を使うというのがある。
これは自転車とランを両方してみて思い知ったことだが、自転車のときはランナーが邪魔だし、ランニングのときは自転車が邪魔に感じた。
別の立場になると逆のことを感じるというのは、単に自分が自分勝手なだけなのかと心配になって考えてみたが、そもそも違う速度域の移動体が同じレーンを共有すること自体が危険なのである。
神経が図太ければ追い越していく自転車なんて気にならないのかもしれないが、自分は真横を追い越されるとびくっとするし、ランナー同士で追い越しやすれ違いで道路幅を大きく使うときは、後ろから自転車が来ていないか注意しながら横に動いている。
この点、ウォーキング程度のペースでさらに遅い速度域のスロージョギングだと、自転車やランナーに加えてもうひとつの速度域が増えることになり、その分追い越しやすれ違いも多く発生するし、気を使ってしまう。
ちなみに自分は通勤ルートでは自転車とランの場合で別のルートを使い、ランの場合はハドソンリバーの土手上にある歩道(自転車禁止)を走るようにしているが、どちらにしろスロージョギングでは追い越しやすれ違いで他の速度域のランナーなりに気を使うことになる。
スロージョギングのデメリットその3:手持ち無沙汰になる
もうひとつ、遅いペースに起因するものとして、走っていて飽きるというのもある。
一般的に、ランナーの方がサイクリストよりもイヤホンをつけて(音楽を聴いて)いる人が多い印象があるが、これは単に自転車は車道を走っていて危険だからという以外にも、「入ってくる視覚情報の差」による飽きの要因もあると感じている。
やはりそれなりのスピードで目から入ってくる景色が目まぐるしく変わるのとそうでないのとでは感覚が違い、スピードが遅いほど外的環境の変化が少ないので悪く言えば飽き、良く言えば他のことをする余裕が生まれる。
自転車の場合でも、ゆっくりポタリングペースだったら頭の中で今日の夕食何食べようかなと考えたりする余裕もあるだろうが、レース中ではそんな余裕などないだろう。
同じく、ランニングではサイクリングと比べて速度域が遅く視覚情報の変化が少ない(=交通上の危険性も自転車に比べて少ない)ので、他のことを考える余裕が出る。
といっても外を走りながらでは、頭の中でいろいろ考えるか音楽を聴くかくらいしかできることもないので選択肢は限られてくる。その結果、音楽を聴くという人も多いのだと思う(というか自分もランニング時はイヤホンをつけている)。
そしてその視覚情報の変化が極めて少ないのがスロージョギングといえる。
そもそもの定義として「運動しているのに疲れない」のがスロージョギングの特徴というか負荷なので、運動自体の疲労を意識する必要もなく、かつ景色の変化も少なく、手持ち無沙汰にならない方がおかしいと言っても過言ではないと思う。
だからこそ「隣の人と会話できるペース」と提唱されているのだろうが、「隣の人」がいない場合は一人で黙々と他にすることもなく、さらに遅すぎて恥ずかしくて、追い越されたりすれ違いにも気を使うという三重苦?に陥ることになる。
そうだ、ひきこもればいい!
これら3つのデメリットを一気に解消するのが「家でやろう」である。
まず、家でやれば他人の目を気にする必要がない。
というか自分以外いないので遅いペースで恥ずかしくなることもなく、「追い越される」という事象自体発生しない。
「手持ち無沙汰」も家ならテレビを見ながらできるので、ツールを見ながらローラーをするサイクリストが如く、交通事故リスクゼロでエンターテイメントに集中することができる。
家でやるといっても、何もトレッドミル(ランニングマシーン)は必要ない。
実際にスロージョギングの提唱者の田中教授自らが、室内でするスロージョギングの実例を動画で公表してくださっている。
そう、最低1.5メートル、たたみ一畳のスペースがあればスロージョギングできてしまうのである。
トレッドミルはあったらあったでいいだろうが、脂肪燃焼ゾーンの心拍数程度ならなくても十分に到達できる(実体験済み)。
そして家の中のスペースや利便性で言ったらトレッドミルがない方がよっぽどやりやすい。
場所もとらないし、小さい子どもがトレッドミルの回転ベルトを触ったりして巻き込まれる心配もない。
そもそも家の中であれば、ウェアに着替える必要もなく、それこそパンツ一丁で、家族の目がなければ全裸でだって走り出せる。
トイレに行きたくなったらすぐに行けるし、喉が渇いたらすぐにいくらでも水を飲めるので脱水症状の心配もない。
真夏でも直射日光に当たらずにすむので日射病の心配もなく、扇風機やクーラーを使えば熱中症の心配もない。
極めつけは、紫外線が屋外に比べて段違いに少ないので白髪やハゲに悩む頭皮にもやさしい(そうです、私のことです)。
考えれば考えるほど、長時間低負荷運動のスロージョギングによるダイエットと屋内の相性は良く、特に真夏の暑い時期ではひきこもらない理由がみつからないくらいである。
そしてひきこもりダイエットへ・・・
そんなわけで突入したのがスロージョギング主体のひきこもりダイエット。
平日は朝晩自転車通勤、在宅中はできるだけスロージョギングをする。
自転車通勤は毎日朝晩だが、雨もあったりリモート勤務もあるので一週間で8回ほど、スロージョギングは平日帰宅後と週末で7回。
7回といっても週末は余裕のある限りスロージョギングするので、細切れながら全部合計すると5時間以上はスロージョギングしている状態。
まず用意するのはエンターテイメント。
上記で「テレビを見ながら」と書いたが、文字通り「テレビ」である必要はなく、DVDでもYouTubeでもゲームもなんでもいい。
自分はドラマやニュース、映画、最近ご無沙汰だったゲームなど、ありとあらゆるエンターテイメントをふんだんに用意した。
目指すべきはエンターテイメントに熱中している状態。
面白ければ面白いほどいいし、熱中しすぎてスロージョギングしながらだったのを忘れてたくらいがちょうどいい。
ゲームに熱中しすぎて気付いたら夜になっててカロリーめっちゃ消費してたなんてこともある。
皮肉なことに、外で1時間思いっきり運動するより、M-1グランプリ見ながら3時間笑ってる方が痩せるわけである。前回の研究結果からすれば、VO2Maxの85%で1時間運動すれば脂肪燃焼量は23gだが、60%で3時間運動すれば脂肪燃焼量は101g(=37g × 3)と段違いになる(そしてそもそもVO2Maxの85%では運動強度的に3時間も続けられない)。
が、問題は、理論上はそうでも実際にその結果が出るのか?ということ。
まずは自分で試してみようと思い立ち、7月をひきこもりダイエット月間として頑張ってひきこもってみた。
旅行前に見終わってなかったドラマを見て、家政夫のミタゾノも3シリーズを一気に見て、映画も見まくってひたすらゲームに励んだ。
その結果がこちら。
旅行直後、7月1日の61.3kgから8月1日には55.3kgと、1カ月で6kgの減量に成功。
平日は会社への通勤のみ、週末は近所のスーパーへの食料品買い出し以外は一度も外へ出ることなく、文字通りひきこもっていた。
うーむ、ひきこもりダイエット、侮れん・・・。
ダイエットの進捗管理としては1週間毎にカロリー収支を確認してPDCAサイクルを回していった。
ということで実際に1週間毎にどんな感じでひきこもりダイエットを続けてきたのかを詳細にご紹介していければと思う。
自分もそろそろ減量に再フォーカスしようと思い、遅く走る用の自転車を用意しようと思っています。
返信削除ジョギングも取り入れてみようと思います。
速く走るだけじゃ、強度をあげるだけじゃ、やっぱ痩せないですね。
自転車が既に何台もある場合は普通のローラー台でも十分だと思います。3本と違ってローラー台ならスマホゲームしながらでも転倒する心配ありませんし。できるだけお金を掛けずに効率的にと考えるとジョギングは鉄板かもしれませんね。
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