脂肪燃焼の絶対量が最大になる最大心拍数の70%とは
前回エントリのおさらいだが、脂肪燃焼ゾーンの心拍数は最大心拍数の70%相当。
HealthlineのFat-burning heart rate chartより、年齢ごとの対応表は以下の通り。
では実際に最大心拍数の70%ってどれくらいの運動強度に該当するのか。
前回も掲載した以下の表では、最大心拍数の70%に該当する部分のDurationが1~6時間となっていることから、「最大6時間連続して運動できるような強度」ということがわかる。
Healthlineの同サイトによる脂肪燃焼ゾーンに該当する運動例がこちら。
こうしてみると、思っているよりよっぽど低強度の運動であることがわかる。
テニスのダブルスを6時間も付き合ってくれる友達はいないのでテニスは置いておいて、やはり自転車とランをしている者として検討したいのは、「cycling (under 10 miles per hour)」と「slow jogging」だろう。
サイクリングの脂肪燃焼ゾーン
サイクリングの強度例として時速10マイル(=16km/h)以下。
折りたたみ小径車のブロンプトンでも普段の通勤で軽く16km/h以上出てしまう。
が、たしかに心拍数は通勤中でも簡単に140bpm台以上に上がってしまう。
140bpm台どころか、ちょっと追い込んだら160bpm台に上がる。
追い込んでいるつもりは全くなくても、30分も走ってれば普通に脂肪燃焼ゾーン(自分の場合は108~126bpm)を超えてしまう。
レース前はコンディション調整のため、意図的に出力を180W以下に抑えてゆっくり走ったときもあったが、それでもちょっとした坂があると心拍数は簡単に脂肪燃焼ゾーンを上回る。
実際に心拍計を持っている方は試してもらいたいが、日々のトレーニングライドで体が温まってきたときの巡航中にサイコン表示を見れば、おそらく心拍数は脂肪燃焼ゾーンよりも上にあるだろう。
つまり、普通に走ってたらアウトで、思っている以上にゆっくりゆっくり走らないとダメということになる。
ランニングの脂肪燃焼ゾーン
ではランニングの場合はどうなのか・・・。
と思って見てみると、「slow jogging」とある。
そう、そもそも「ランじゃだめ」なのである。
ジョギングでもやりすぎで、スロージョギング。
たしかに以前エントリしたとおり、ランでは心拍数が上がりやすく、普通に走っていても160bpmを超えてしまう。
以下は実際に自分が通勤ラン(片道約16km、1時間半弱)したときの心拍グラフだが、平均166bpm、終始心拍数は高止まりしており、とてもではないが126bpm以下の脂肪燃焼ゾーンに入りそうもない。
1時間半弱という時間を考えると、決してインターバルやVO2Max系の追い込み系トレーニングではなく、自転車でいうところのFTP(1時間の最大出力強度)よりもさらに軽い負荷でも目標心拍数より遥かに高いということにご注意いただきたい。
ランでこれだけ高く出てしまうことを考えると、ジョギングでもやりすぎでスロージョギングというのは納得できる強度といえる。
スロージョギング
スロージョギングと聞いて真っ先に思い浮かぶのは故、田中宏暁教授だろう。
自分も教授の著書をKindleの電子書籍で買ってからは関連書籍にも目を通し、スロージョギングの有効性と裏打ちされた科学的理論に感銘を受けたものである。
ちなみにご本人自らスロージョギングを実践し、サブスリーの結果も残されているので効果は証明済みである。
心拍数130程度の軽い強度で練習することで力を付けるというもの。告知を受けていたこともあり、軽運動への関心は高まっていった。
田中の研究方法で目を引くのが、自らの体でスロージョギングの効果を実証してきたことだ。ホルモンの研究のために37歳で初めて走ったフルマラソンは4時間11分1秒。9年後、「にこにこペース」で走ると週末中心のみの練習にもかかわらず3時間30分3秒まで短縮した。
減量効果を確かめた時も効果てきめんだった。朝昼の食事制限に加え、1日約5~7キロのスロージョギングでカロリーを消費をしていくとわずか約3カ月で10キロの減量に成功した。その後の大会では市民ランナー憧れの3時間切り(サブスリー)となる2時間55分11秒を記録している。
日本経済新聞:ゆっくり走り高齢者笑顔 福岡大・田中宏暁教授
心拍数も130bpm程度の軽い強度ということで、まさに脂肪燃焼ゾーンに最適な運動となっている。
一方で、スロージョギングにもデメリットがないわけではなく、となると次の課題は「スロージョギングをどうダイエット生活に活かし、組み込むか」ということになる。
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