それが糖質制限ダイエットと低炭水化物ダイエットとアトキンスダイエットとパレオダイエットとケトジェニックダイエット。
詳細な定義では基準となるPFCバランスの割合が異なるものの、糖質を制限するという点ではどれも共通しており、糖質制限をベースにした同類亜種と括ることができる。
PFCバランスで一番厳しいのはケトジェニックダイエットと言われており、純粋なクラシックケトジェニックダイエットではPFCの炭水化物パーセンテージを一桁台に抑える。
この点、ケトジェニックダイエットはもともと1920年代に小児てんかん病対策として出てきた治療法に由来しており、病症に対する治療法ではなく「ダイエット方法」としてはそのPFCバランスも情報ソースによって違いがあったり、ケトジェニックダイエットの継続期間や段階によって割合を分けているものもある。
そういう点では、血糖値を抑えるための糖尿病対策として出てきた糖質制限が、ダイエット方法として応用されるようになったのと同じような流れといえる。
一方で「名は体を表す」という言葉の通り、それぞれのダイエットはダイエット名称によってターゲットにしている考え方や思想の違いが反映されている。
低炭水化物ダイエットや糖質制限ダイエットは名前の通り炭水化物や糖質を制限することに的を絞ったもの。
ただ「低炭水化物」という名称はかなりミスリーディング。
炭水化物=糖質+食物繊維なので、そもそも糖質と逆の働きをし、むしろ血糖値を抑制してくれる食物繊維も含めて「低炭水化物」としているのは誤りともいえる。
そして「糖質制限ダイエット」も、糖質制限だけして他の栄養素(脂肪、タンパク質)を増やさないと、単に総摂取カロリーを大幅に減らす飢餓ダイエットになってしまい逆に体調不良を招く恐れがあるので名称としてはミスリーディングでもある。
実際に「ためしてガッテン」ではその点だけクローズアップされて、「糖質制限」=危険というキャッチーな煽り文句で取り上げられたことがある。
なお、アトキンスダイエットとパレオダイエットはどちらも糖質制限であるものの、前者はアトキンス博士の名前を取った名称※で、後者のパレオダイエットは狩猟採集時代に焦点をあてたストーリー重視の名称といえる。
※アメリカではアトキンスの名を冠する低糖質食品も販売されており、手軽なケトフレンドリー食として自分もお世話になっている。
結局は、糖質を減らしてどうするか?の観点が必要であり、それに答えているのがケトジェニックダイエットと言える。
巷で流行っている糖質制限食の最大の問題点は、炭水化物を減らした分、代わりに何を食べるかに関して、しばしば間違った指導が行われているということである。「炭水化物さえ減らせばステーキでも焼肉でも好きな物を食べてもいい」とアドバイスされたならば、明らかにその食事療法は間違っているので、指導者を変えたほうがいいかもしれない。
新常識!やせるには「カロリーの質」が大切だ
ケトジェニックダイエットの場合、他のダイエットと違い、名前自体がケトーシスへの移行を表しており、発明者の名前でもストーリーでも糖質制限でもなく、生化学的な理論に基づいた作用機序を表している。
そのポイントはATP生成の体内回路を糖(炭水化物)ベースから脂肪ベースに転換させることにある。
その点ではもっとも理論的に裏付けされたダイエット方法と言える。
さらにアスリートとも相性がよく、ケトーシスによってもパフォーマンスを落とさないこと、むしろ運動強度レベルによってはパフォーマンスを向上させるという研究結果も出ている。
All subjects then performed a cycling test consisting of two and a half hours at 70 per cent of peak oxygen uptake followed by a 20km time trial. The high-fat diet resulted in increased total fat oxidation and reduced total carbohydrate oxidation during exercise. More importantly, the high-fat treatment led to improved time-trial times. On average, the cyclists completed the 20km time trial 4.5 per cent faster after the high-fat diet.
以前ご紹介したように、チームスカイが導入しているということでサイクリストでの実績もある。
You see it with the Sky riders, they show up in February and they are incredibly lean. That's because they've been on a ketogenic [high fat] diet through the winter months and encouraged the body to burn fat, which tends to pare down your total mass by quite a bit. It's quite a change from my racing days when it all used to be about the carbohydrates.' So reveals the charismatic Jonathan Vaughters, former professional rider and current manager of Cannondale-Garmin.
あとの問題は、実際に自分自信が糖質から脂肪への移行を実現できるのかという実践の部分。
糖質といえば主食。
米や小麦粉の制限が最初の一歩になるが、長年主食を食べてきた人にとっては食生活習慣を変えることに直結するのでハードルは高い。
この点、自分が小麦粉の代わりとして使っているケトフレンドリーな食材の代表はアーモンドフラワー。
日本語のカタカナ表記ではフランス語をベースにしたアーモンドプードルと呼ばれることも多い。
炭水化物から食物繊維を抜いたネットカーブ(糖質)がほぼ零グラムという高ケトン食。
ただアーモンドフラワーを使ったケトフレンドリーな食事を外でしようとしても、そんなメニューを提供しているレストランやデリは圧倒的に少ないので外食で実現するとなるとかなり厳しい。
ということでケトン食を中心としたダイエット生活によって自然な流れで自炊が増えていったことは言うまでもない。
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