アメリカでは、1994年に成立した栄養補助食品健康教育法(Dietary Supplement Health and Education Act。DSHEA)によって、食品と医薬品の間にサプリメントという分野ができた経緯がある。
この点、日本は、食品と医薬品の間(と言っていいのかわからないが)に、食品衛生法による栄養機能食品、健康増進法による特定保健用食品、薬事法による医薬部外品など、どれもコンビニで手に入るが、知らないと違いがわからないようなものも多く、分かり難いと感じる。
アメリカにおいては、食品にはNutrition Factsが付いている一方で、サプリメントにはSupplement Factsが記載されている。
Nutrition Factsの例。スナック菓子より。
Supplement Factsの例。マルチビタミンより。
上の写真を見て頂くと分かるとおり、Nutrition Factsも、Supplement Factsも、フォーマットが統一されており、各成分とその分量、さらにDaily Valueとして、1日の摂取カロリーを2000kcalとした場合の、必要栄養素何%が含まれているかも表示されている。
特筆すべきは日本の栄養表示基準では「脂質」としか表示されない部分について、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の区分まで表示されていることである。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸では働きや健康に対する影響が大きく違うことや、特にトランス脂肪酸は欧米各国で規制が行われているほど悪影響が大きいものであるので、むしろ日本の表示が曖昧すぎるように思える。
そのためか、Wikipediaの牛乳の項目(2011年3月23日時点)でも、(牛乳は)「低カロリー高タンパクというイメージを持たれることの多い豆乳と比べても、さほど脂質やカロリーは変わらない。」といった的外れな記載がされてしまっているのだと思われる。
飽和脂肪酸が最も多く多価不飽和脂肪酸が最も少ない牛乳と、多価不飽和脂肪酸が最も多く飽和脂肪酸が最も少ない豆乳とでは同じ脂質でも全く別物である。
ご参考までにアメリカの豆乳のパッケージに記載されている比較を掲載させていただきたい。
Saturated Fatが飽和脂肪酸。左が牛乳で右が豆乳。
豆乳のNutrition Facts。Polyunsaturated Fatが多価不飽和脂肪酸、Monounsaturated Fatが一価不飽和脂肪酸。Trans Fat(トランス脂肪酸)はもちろん0g。
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