しかも14度~17度と暖かい。天気は曇りだが絶好のレース日和になりそうである。
さて、今回はベジタリアンについて取り上げたいと思う。
ベジタリアンといっても動機や種類も様々。宗教上の理由、体質的な理由で食べられない人もいる。中には動物愛護的な観点から動物を殺生しないとしている人もいるが、同じ生命でも動物は駄目で植物なら殺して食べてもいいという考え方は理解しかねるところもある。いっそ厳格なフルータリアン(果食主義者。植物も殺さず落ちた実しか食べない)であれば、その思想にも一貫性があるというところだが・・・。まあポリシーや考え方は自由であるし、他人が口を出すことでもないので、ここでは主に栄養学、生化学的な観点から考察していきたいと思う。
結論から書くと、「必要な栄養素を必要な量だけ摂取できていれば、ベジタリアンであるかどうかは関係ない」である。
ちまたには根拠のない意見やフードファディズム的な意見だけでなく、研究論文でさえベジタリアンのメリット、デメリットが氾濫している。一つ一つ取り上げていたらきりがないので、出展元も記されているWikipediaのベジタリアニズムの項目でも参考にしていただきたい。
つまりは、ベジタリアンは特定の栄養素(タンパク質やビタミンB12等)の不足がしやすい、肉食者(アメリカではMeat Loverという単語も使われる)は動物性脂肪を過剰摂取しやすいといった「しやすい」論はあるが、「しやすい」ことがわかっている以上、意識的にそれを防ぐような栄養摂取ができていれば問題ないのである。
逆に言えば、「意図的に特定の食物を絶つ」という偏った食事をするからには、それらの不足分を補うだけの補完行動(意識的に不足する栄養素の計算をするだとか、サプリメントで補足するとか)を行うよう自ら意識する必要がある。
個人の事例レベルではあるが、ベジタリアンで鉄分不足に陥り、生んだ赤ちゃんも未熟児で二日後に死んでしまったという悲しい事例もあるようなので紹介させていただく。ただ、この場合も「ベジタリアンであることが問題なのではなく、特定栄養素を不足させてしまったことが問題」なのである。
結局、全ての食物は体内で個々の栄養素(有機化合物)にまで消化・分解されるのだから、野菜だから~。肉だから~。ということではなく、生化学的な栄養素の単位で過不足なく摂取できていればよい。例えて言うなら、「パンを食べるか、ご飯を食べるか、麺を食べるか、クスクスを食べるか」というよりも、「どうやって過不足無く炭水化物を摂取するか」という観点に立った栄養管理が必要である。
つまりは、「食事」と「栄養」は密接な関係はあるが、イコールではないのである。食事によって栄養が過剰にならないように注意するとともに、食事による不足分をサプリメント等で補うことで、食事と栄養のバランスを保つことができる。サプリメントについては過剰摂取等には注意が必要だが、足りない分を補うという点で非常に有用である。
ランス・アームストロングと、クリス・カーマイケルの著書「The Lance Armstrong Performance Program: 7 Weeks to the Perfect Ride」の中でも、抗酸化作用を持つビタミンC、Eは、アスリートにとって一般人よりも必要になるため、サプリメントから摂取することを推奨している("Experts recommend that serious cyclists take supplements containing 200 to 400 IU of vitamin E and 500 to 1,000 milligrams of vitamin C for antioxidant protection.")。例えるのならば、腹が痛いときに、正露丸をおいしく食べれる工夫をしてわざわざ正露丸サラダなどを作る必要はなく、必要な分は水で飲んでしまえばいいということである。
具体的には以下、米国のNutrition Facts(Dietary Reference Intake)やSupplement Factsに記載されている、一日2,000kcalの場合の必要摂取量を元に、自分の総エネルギー消費量(基礎代謝+活動代謝)に照らし合わせて、過不足なく摂取するということに注意すればよい。
栄養素(英語) | 栄養素(日本語) | 必要摂取量 |
---|---|---|
Carbohydrate | 炭水化物 | 300 g |
Protein | タンパク質 | 50 g |
Total Fat | 脂肪計 | 65 g |
Saturated Fatty Acids | (内、飽和脂肪酸) | 20 g |
Cholesterol | コレステロール | 300 mg |
Fiber | 食物繊維 | 25 g |
Sodium | ナトリウム(塩分) | 2,300 mg |
Potassium | カリウム | 4,700 mg |
Vitamin A | ビタミンA | 5,000 IU |
Vitamin C | ビタミンC | 60 mg |
Calcium | カルシウム | 1,000 mg |
Iron | 鉄 | 18 mg |
Vitamin D | ビタミンD | 400 IU |
Vitamin E | ビタミンE | 30 IU |
Vitamin K | ビタミンK | 80 μg |
Thiamin | ビタミンB1(チアミン) | 2 mg |
Riboflavin | ビタミンB2(リボフラビン) | 2 mg |
Niacin | ビタミンB3(ナイアシン) | 20 mg |
Vitamin B6 | ビタミンB6 | 2 mg |
Biotin | ビタミンB7(ビオチン) | 300 μg |
Folate | ビタミンB9(葉酸) | 400 μg |
Vitamin B12 | ビタミンB12 | 6 μg |
Pantothenic acid | ビタミンB5(パントテン酸) | 10 mg |
Phosphorus | 燐 | 1,000 mg |
Iodine | ヨウ素 | 150 μg |
Magnesium | マグネシウム | 400 mg |
Zinc | 亜鉛 | 15 mg |
Selenium | セレン | 70 μg |
Copper | 銅 | 2 mg |
Manganese | マンガン | 2 mg |
Chromium | クロム | 120 μg |
Molybdenum | モリブデン | 75 μg |
Chloride | クロリド | 3,400 mg |
ちなみにベジタリアン肯定的な内容に見えたかもしれないが、自分個人は逆ベジタリアンともいえ、穀物系は問題ないのであるが、基本的に野菜は好きではない。食べられないわけではないが、敢えて食べたいとは思わない。ただ、野菜の主な栄養素はビタミン群、ミネラル群であるので、上記一日の摂取量に合わせて必要量摂取できていれば問題ない。
特にナスは嫌いな野菜トップ3に入り、1年で1回食べればいい方だが、ナスの主な栄養価(100gあたり)は、カルシウム 23mg、鉄 0.2mg、カリウム 230mg、ビタミンB1 0.02mg、ビタミンC 11mg、食物繊維 2.2mgである。逆にそれさえわかっていれば、他の食事、サプリメントで同じ栄養素を必要量摂取できるので、わざわざ無理して食べる必要はないのである。
ところで、ベジタリアンは上述の通り、取得栄養素にさえ留意すれば問題ないのだが、バナナダイエット、りんごダイエットといった食事方法は非常に問題があり危険なので、次のエントリでその危険性を具体的な栄養価を元に取り上げたいと思う。
土曜日はどうされてますか?
返信削除日曜のCPのレースはこちらも登録しましたよ。Time Outにならないようにがんばるつもりですが。CPで練習と言っても、信号の件があるし。そっちの旧飛行場にでもいってTrainしたいのですが、どうですか。Trainといっても、こちらは動力なしの貨車ですが。
土曜日は適当に馴らしでもしようかと思っていますが、FBF良いですね。
返信削除まだ登録してませんが、ちょうど来週土曜にFBFのレースがあるので感触を確かめてみたいと思います。
こちらはおそらく自走していきますが、マンハッタンからなら電車一本で近くまで来れるのでまた詳細調整させていただければと思います。