以前、Aeolusのホイールの年度比較を行ったが、今回はAeolusホイール導入について記載したい。
前回のレース日記で記載したとおり、「走行力 = エンジン + 技術 + 機材」である。
もちろん一番重要なのはエンジンであり、技術についても特にドラフティングやレース展開に巧く対処する技術の必要性を感じている。一方で、機材が及ぼす影響について、以下考察したい。
こちらは、PowerTapやローラー台で有名なCycleOpsのサイトに掲載されている記事である。40kmのタイムトライアルで機材の装備の違いが及ぼす影響を具体的な例を元に説明している。
Time Trailing: What a Difference Equipment Can Make
この点、三人のレーサーの40kmのタイムトライアル結果をまとめると以下のようになっている。ちなみに身長はBuscheとRoessinghが同じ、Baumannは2インチ(約5cm)高い。相対パワーと絶対パワーの違いについては以前の考察エントリをご参考いただきたい。服装は全員スキンスーツを着用。
名前 | カテゴリー | タイム | 絶対パワー (watts) | 相対パワー (watts/kg) | バイク | ホイール | ヘルメット | 体重 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Busche | cat 1 | 0:50:57 | 347 | 4.95 | TTバイク(Trek Equinox 7) | Aeolus 9.0※ | TT用 | 70kg |
Roessingh | cat 1 | 0:53:33 | 271 | 3.87 | TTバイク(Trek Equinox 7) | Aeolus 6.5※ | TT用 | 70kg |
Baumann | Trek Livestrong U23 | 0:53:47 | 400 | 5.41 | ロードバイク | Aelous 5.0 | ロード用 | 74kg |
特筆すべきはエンジン(つまりは平均パワー)の違いを補って装備による違いが大きいということである。Baumannはパワー出力が一番大きいにも関わらずエアロ装備をしていないために最下位となっている。BuscheとRoessinghはホイールとパワーの違いしかないが、3分近く差がついていることも特徴的である。パワーも違うので一概には言えないが、Aeolus 9.0の90mmリムハイトは6.5の65mmを引き離してエアロ効果が高いようだ。
ということで、パワー出力の差があっても装備次第でタイムが全然違ってくるという記事に刺激され、タイムトライアルも視野に入れてAeolus 9.0をチェック。一方で、プロスペクトパークにしろ、セントラルパークにしろ、フロイドベネットフィールドにしろ、ニューヨーク市内のコースは平坦が多いので、通常のレースでもあわよくば使えるかもと考えている。
気になるのは、UCIのホイール規定。90mmなんてリムハイトは使ったことがないので一応確認しておく。
ちなみにUCIのホイールルール(1.3.018)では、リムハイトは25mm(2.5cm)まで、スポークは16本まで、スポーク幅は2.4mmまでとなっている。つまり、ディープリムは不可だし、ディスクホイールはもちろん、バトンホイールも不可である。ところが、これには例外が設けられており、個別にUCIの許可を受けたホイールであれば使用可能であり、そのホイールがリストで提供されている。
というか、マビックにしろ、カンパニョロにしろ、フルクラムにしろ、ディープホイール系は基本的にリムハイトが25mmより深くなるだろうから、このリストに載っていないと利用不可となってしまう。で、その例外によって認証されたホイールリストが以下になる。
NON-STANDARD WHEELS IN CONFORMITY WITH ARTICLE 1.3.018 (PDFリンク)
この点、Trek(正確にはBontragerだが)は以下のホイールが認定対象。もちろんAeolus 9.0も入っている。
UCIのルール上も問題ないということが確認できたので、狙うのはBontragerのAeolus9.0チューブラーホイール。フロントホイールが770グラム、リアホイールが923グラムで、前後合わせて1693グラム。はっきり言って重い。そんじょそこらのクリンチャーホイールよりも重いが、相対パワー(Watt/kg)よりも絶対パワー(Watt)が必要なニューヨーク市のレースでは重さはそこまで不利にはならないと考える。
ということでBontrager Aeolus 9.0の購入を検討することになったのである。
次回に続く。
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