前日から十分に睡眠を取って臨む。
レース会場はフラットコースのフロイドベネットフィールド。
午後からはクイーンズでピクニックがあり、自転車好きな友達から一緒に行こうと言われており、彼はレースも見学したいということで一緒にレース会場へ。
いつも通り受付を済ませる。
すでにマスターズのレースは始まっていて観戦。
観戦中に隣りで写真を撮っていたレーサーと話す。彼はジムといい、CRCA(ニューヨークの大きいチーム)のレーサー。明日のプロスペクトパークのレースは出るのかと聞くと、明日はセントラルパークのチームレースに出るとのこと。そういえばCRCAは毎週セントラルパークでチーム内レースをしており、しかもチーム内レースといえど、大きいチームなので、USAC(UCIのアメリカ組織)に認められた公式レースとなっている。
彼はCat4とのことで、自分はCat5というと、これまで何レース走ったんだと聞かれる。14レースと答えると、「You should upgrade.」と言われる。ちなみにアップグレードの条件はCat5で10レース完走することで、大体10レース~12レースでアップグレードする人が多いらしい。確かにチーム練習でもアップグレードを勧められたし、隣りで走ることが多かった黒人の彼も既にアップグレードしているので、Cat4にアップグレードしようと思う。
そしてスタートラインに並ぶ。
と、チームメンバーで知り合いになり、毎朝一緒にトレーニングをしているジェフがいるので挨拶をする。
すると彼から「君の方が僕より速いから、もしアシストが必要だったら言ってくれ」と言われる。
彼の方がチーム歴は長い先輩であるし、年齢も自分より上なので、そんなことは恐れ多い。
「Cat5は逃げが決まることもほとんどないし、レース戦略はCat4以降でやればいいから、お互いマイペースで走ろう」と話す。
話し終わったところで遅れて来たレーサーが「Cat5はここか?」と来れば、「Cat1/2にでも見えるかい?」といったアメリカンジョーク?の受け答えが飛び交う中、レース開始の合図が。
なんかいつもの緊張感を味わう間もなくレースが始まってしまった。
■レース
ひとたびレースがスタートすれば闘争モード。
良いペースで一周目を終え、二周目に突入。
が、二周目に入って最初のコーナーを曲がった直後、後輪に異変が。
みるみる空気が抜けていき、ガタガタガタと完璧にパンク状態。
集団についていけなくても完走くらいはできるかもしれないが、道の悪いフロイドベネットフィールドではホイールを痛めること必至で、すでにCat4へのアップグレード要件を満たしている今となっては、カーボンホイールと引き替えにしてまで完走する気にもなれないので、手信号を出して集団から外れて停止。レースで初めてのDNF(Do Not Finish)、無念のリタイアである。
スタート地点に戻るときに三周目を走る集団を見ると、ジェフが良いペースが頑張っている。
彼もこっちに気付いたようで、「頑張れ」と拳を突き上げて応援。
ところが4人で形成された逃げ集団ができ、そのまま逃げが決まってゴール。ジェフは入賞ならず。
Cat5で初めて見た逃げ集団ゴール。それを体験できずにリタイアせざるをえなかったのは悔いが残る。
フォトグラファーでいろいろ相談に乗ってもらっているビクターが、「どうしたんだ?」と聞いてきて、パンクのことを話すと、彼のチューブとタイヤレバーを貸してくれる。御礼を言ってチューブを交換するが、自分のAeolus 5.0はディープリムなのでバルブの長さが足りず使えない。
既にゴールしたジェフに相談すると、彼はなんと走り終わったばかりの彼のタイヤからチューブを取り出して自分にくれるとのこと。
スペアならともかく、それは申し訳ないので、悪いからいいよと言うが、「自分は車で来てるから大丈夫だ」といって、その場で外して100mmはあるバルブのチューブをくれる。「こうしてチューブをあげるのはホルヘについで君が二人目だ」といいながら、自分のタイヤを外してチューブを取り出す。彼のかっこよさに脱帽である。あまりある好意に申し訳なさと有り難さを感じまくりながら、何度も御礼を言って使わせてもらった。
なんというか、知り合いもおらず一人でレースして帰っていた頃から思えば、ビクターにしろジェフにしろ、困ったときに助けてくれる知り合いがいるというのは幸せなことである。これも出来るだけいろんなレースに出て、チームにも入った結果だと思った。
彼らの好意のおかげで、パンクの落ち込みも幾分和らぎ、観戦についてきた友達と一緒にそのままピクニックをするクイーンズの公園に向かうことに。
■クイーンズへ
友達はロードバイクだが、かなりの旧式で、普段運動もしていないということなので、ゆっくりペースで進む。
ちなみに旧式といえど、「Made In France」でおフランス製。どうでもいいが、おフランスと聞くとイヤミを思い出してしまう。
自分としては明日もレースなので、交換したばかりのリアタイヤの状態を確かめるテストライド的な位置付けで走る。
別の公園を通過するが、坂になっていて彼は上れずに歩き出す。
だが、こんな道がでてきて自分も歩かざるを得なくなる。
そして階段。というか自転車ルートを検索したのにこんな経路を表示するとは。グーグルマップは以前も失敗したし、使いにくいかも知れない。
シクロクロスの様相を呈して来て、自転車を担いで上ったりしながら進むが、途中で工事中になっていてルートを迂回しなくてはならなかったりで、結局、目的地のFlushing Meadows Corona Parkに着く頃には2時間半が経過。
が、電話で確認すると、実はFlushing Meadows Corona Parkではなく、そこからさらに数マイル離れたCunningham Parkとのこと。しょうがないのでさらに走り続けて、結局3時間以上かかって到着。既にみんなピクニックを始めてバーベキューをしている。
遅れて来たが、まだバーベキューが続いているのでいろいろ食べておく。
さすがに自分のロードバイクはママチャリと違うので、珍しいのかみんな集まってくる。7kgちょっとしかないので、「軽い軽い」といって担ぎあげて写真を撮ったり。
試しに乗せてくれと言われる。ロードバイクに興味がない人がTrek Madone 6.9 Proに乗る機会なんて滅多にないと思うので、良い機会だと思ってどんどん乗ってみてもらう。といってもレース仕様のポジショニングなので、初めての人にとっては「乗りにくい」や「怖い」という感想になってしまうのでもったいないが。本来ならその人にあったフレームサイズ、ポジショニングにしてスポーツバイクの楽しさを知って欲しいものである。
一方で、自分の脚に注目した男友達も。堅い堅いといって太腿を触ってくる。実は重要なのは自転車じゃなくて脚の方なので、「君たちの目の付け所は(自転車に目がいってる人たちよりも)正しい」と思いつつも、痩せた上半身に対して太くなった太腿を見て、「やっぱ女性は自転車に乗らない方がいいのか」と思わせてしまった。自分は毎日スプリント練習してるからで、サイクリングする分には太くならないと弁解?するが、実物を見せてしまった後ではイメージを払拭しきれない。まあ自分としてはもっと太腿はぶっとくなりたいくらいなのでいいのだが。
そして帰りはグーグルマップは参考程度に、できるだけ直線の道を選んで帰ってきたので1時間半強で到着。
レース後に60kmほどのライドになったが、パンクした後輪はまったく問題なかったので、どうやらチューブ交換も上手くいったよう。
これで明日のレースでのリベンジに専念できる。
レースは残念でしたね。
返信削除でもホイールも無事で怪我もなかったのは、不幸中の幸いだったと思います。
しかしMadone 6.9 Proをスポーツ自転車に乗らない人達によく貸せますねー(^_^;)
自分だとハラハラ心配してしまうなぁ。
はい。パンクでもクラッシュにはならなかったので不幸中の幸いでした。
返信削除といいつつ今日もまた不幸が重なりましたが。(笑)
確かにちょっとハラハラしました。特にサドルに座った状態で足が地面にベッタリ着く姿勢になれてしまってる人には乗りにくいのでこけないか心配で…。