UCIレース日記第十六戦:最後のCat5

週末レース二日目。

昨日は2周目でパンクしてリタイアという悲しい結果に終わったが、今日こそリベンジと気合いを入れる。

既にCat4へのアップグレードを決めているので今日が最後のCat5レースとなる予定。

いつも通り受付を済ませようとする。

が、なんと自分の登録がないとのこと。その場でスマートフォンの受付確認メールを見せて、受付フォームを記入しなおしてなんとか登録完了。

ただゼッケンを付けたところで既にRiders to the lineコール。

急いで並ぶ。




■レース

レーススタート。

もうプロスペクトパークでのレースも何度も経験しているので慣れたもので、いつも通り集団の中を進む。

が、4周目。後輪に異変が。

最初は白線や段差のせいかと思ったが、踏み込むたびに後輪がガタンガタンと微妙に跳ねている気がする。

もしかしてまたパンクかと思い、不安になりながら走る。

最終ラップに突入してヒルクライムを終えたところで不安は確信に変わる

ただ完全に抜けているわけでもなく、どうやらスローパンクのよう。

どうか最後までもってくれと思いつつ最後の下りに突入。

ただ、集団は最終ラップで速度を上げ、追いつくのに脚を使う。

スローパンクで転がり抵抗が上がっているせいでスピードが全然伸びない。

ちなみにレース後に後輪を指で摘んでみたら、ベコベコではないが、ブニブニ状態気圧にして2~3BAR程度にまで落ちていた感じ。

そんなこんなで下りでなんとか追いついて最後のフラットに入る。

が、下りで遅れてしまったため、脚を使ったのに加えて、すでに前は集団で塞がれてしまっている

そのまま最後の直線に突入。残り500mほどで集団のスピードが上がり出すが、依然として前には集団がいてスピードが出せない。

そして残り200m。普段なら全力スプリントに入っていい頃だが、滑り込める隙間すらなく、そのまま全力で踏めずにフラストレーションが溜まりながら走る。

残り100mを切ったところでやっとばらけて来て隙間ができるが時既に遅し。先頭はすでにゴール前に差し掛かっており、スプリントしても何ともならず。

それでも重い後輪を引きずりながらカヴェンディッシュフォームでスプリントしつつ何人かは抜くが15位~20位のどこか

まあアップグレードを決めた今となってはCat5は消化試合であるし、スローパンクをしつつ集団について最後のスプリントまでできたのは上出来かもしれない


■レース後

ゴールをしてスタートラインに集まってチームのメンバーに挨拶。

その後、他のカテゴリーのレースを観戦。



陽光の中を駆け抜けるプロトンが美しい。



レースを始めてから初めて知り合いになった黒人のマルコルムは既にCat4に上がって健闘している。



隣で観戦していたレーサーと世間話し(というか自転車話し)をする。

彼はポールといい、レース前にパンクして、慌ててなおして走ったとのこと。

なんと今週4回もパンクしたと言うので自分も連続でパンクだよと、今日、昨日のことを話す。

普通、連続でパンクが起きる場合は、タイヤにめり込んだ異物が取り除けてなかったり、チューブのはめ方が悪かったりと、修理の不手際が原因でパンクを繰り返すことが多いのだが、自分もそれは重々承知であるし、それを確かめるためにも、昨日レース後にテストライドを60kmもしたわけなので、どうやら単に不運が重なっただけのようである

案の定、帰宅後にチューブを確認してみると、昨日とは別の場所でパンクしていた

というかもうタイヤ自体が寿命に来ているようである。トレッドも磨り減って消えてしまったし、サイドもほつれてきている。実は既にeBayで5月に新しいクリンチャータイヤを注文していたのだが、全然届く気配がなく、今日キャンセル願いを出して別の店で購入した。

ちなみにポールがグランフォンドニューヨークのグローブをしていたので、走ったのかと聞いたところ、彼は45歳~49歳の年齢グループで、ギリギリでファイナルへの出場権を得られたということでベルギーでの最終戦への参加を考えているとのこと。ただ、二人の子供がいて、奥さんが教師をしているということで、新学期が始まる(アメリカは9月始業)週に行くので家族の反対が強いとのこと。どの家庭も大変だなぁと思わされる。

二人でお互いの各クライムタイムをスマートフォンで見ながら最適ギアなどの話しをする。自分が年齢グループで5位だったことを知ると、「じゃあ君はクライマーだね」といわれる。確かにチーム練習でもクライミングになると相対的に速くなるのでもはやクライマーと自称していいのかもしれない。まあ単に、欧米人に比べて小柄なのでクライミングが有利なだけなのだが…。

彼もクライミングの方が得意だということで、確かに背は高いものの、体の線は細くクライマー体型。

一方でニューヨーク市にはヒルクライムレースがなく、プロスペクトパークもフロイドベネットフィールドもセントラルパークもスプリンター向けなので、「我々クライマーにはきついねえ」と、クライマー二人でぼやく場になった。まあだからこそ自分はスプリント中心に最近は鍛えているのだが。

その後さらにレクサスという初老のレーサーと知り合って、フォトグラファーのビクターと合流。

昨日パンク後に親切にしてもらった彼に、今日の不運を伝え、Cat4にアップグレードすることを伝える。

ということで最後のCat5レースは、土日とも散々であったが、レースは水物なので割り切ってひたすら脚を鍛えたいと思う。

なんというか、レースを三角形で例えると、鍛えた脚がベースにあって、その上に機材(ロードバイク)、その上にレース戦略、その上にコンディションなり、運なりがあって、最後に結果が乗っかるイメージ

コンディションや運は毎回変わるが、鍛えた脚は変わらないので、この2本の脚を鍛え続ける限り光は見えてくると信じてトレーニングをし続けるしかない


2 件のコメント :

  1. 最後の文章、ジーンと来ました。
    自分も満足する成長が得られるまでは、カーボンディープホイールには手を出さないと決めています。
    (本当は今すぐ欲しい。)
    成長を確かめるためにも、レースやイベントには積極参加していきたいですね。

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  2. 初心者ロードレーサー2011年6月28日 23:35

    カーボンディープホイールは私もチューブラーを買ったはものの、使い勝手に困って結局今はクリンチャーを使ってしまっています。さらにタイヤ交換時にカーボンリムを傷つけてしまったり、踏んだり蹴ったりです。とはいえ、パーツ交換はエンジンにとって一番重要なモチベーションアップにもなると思うので、「~までは買わない」と自分自身にご褒美を用意することでエンジンの成長にも役立つと思います。
    レースやイベントも重要な成長の指標ですよね。私もレースに出ていなかったら全然成長できなかったと思います。

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