UCIレース日記第二十七戦:サンライズマウンテン

少し遅くなってしまったが、旅行記の本編にもまだ辿り着いていない一方で、日々の進捗もトラックしておきたいので先日行われたレースレポートを。

今回のレースはニュージャージー州にあるサンライズマウンテンという山でのヒルクライムレース。

遠征旅行から戻ってきて1週間後ということで、疲れもまだ残っている状態であったが、ヒルクライムレースはアメリカでは初めてであるし、疲れが残っていても時には荒療法的に刺激を与えてやることでいつものペースを取り戻せるかという思惑もあって参加。

ロード仲間のかめらいだーさんとカーサービスを使っていざレース会場へ。

会場へつくと既に開始まであとわずか。受付を済ませてナンバーを付けてスタート地点に並ぶ。

カテゴリー4のフィールドを走るライダーは9人。

あとから知ったのだが、もともとカテゴリーPro/1/2/3のフィールドもあったようなのだが、参加者が少ないためカテゴリー4で一緒に走ることになったようで、カテゴリー2のレーサーとカテゴリー3のレーサーもその9人の中に入っていた。そのため、カテゴリー4としては参加者は7人。




■レース開始

ベルギーの遠征で耐性がついたのか、集団でレースをすること自体は慣れたもので緊張もないが、なまじ人数が少ないのでポジションニングが重要になってくる。ちょっとでも油断するとドラフティングから切り離されてしまうことになりかねない。

ただ、その心配も杞憂で、ペースが遅い。一方でコースは、事前に見たプロファイルではひたすら緩い上りになっていたが、実際は大違いで、アップダウンを繰り返す道が続く、。

距離は長くなく4.6マイル(7.4km)、コースもほぼ直線で急カーブもないようだったので、コース自体は初めて走るものの、4マイルを過ぎたあたり(残り1000m)から勝負をかけていけばなんとかなるだろうし、たぶん他のレーサーたちもそれくらいからアタックをかけてくるんだろうなぁなどと考えながら巡航する。

残り3マイル(4.8km)を切ったあたりからペースが上がり、アタックをかけられたり潰したり、前を牽いたりしながらレースが動いていく。

残り2マイル。前から6番目にいるときにふと後ろを見ると誰もいない…。

どうやら3人は千切れてしまったようで、6人の集団となっている。

残り1マイル。もうそろそろ仕掛ける時間かと思い、ちょうど一番後ろにいて緩い下り坂だったので、前の方へ出ようと集団の左側に回って一気に加速する…。

と、前方の道路が赤と白の工事ブロック的なもので塞がれており、係員らしき人が赤旗を振ってる。

「赤旗?!」

何か事故でもあったか、コースが塞がれてしまったのかと思い、思わずブレーキングをしてしまう。

ところが、元々最後の0.6マイル(1000m)で道が二手に分かれていて、係員は緊急事態を知らせるために赤旗を左右に振っていたのではなく、右のコースへ誘導するために赤旗を(自分から見て)左から右へ振っていたのだった。(なんとも紛らわしい…)

しかも運が悪いことに、ちょうどそこで下りから上りへ傾斜が変化し、そこから頂上まで延々と上りが続く、まさに今回のコースのキーポイントになる部分であった。


��既に直進の封鎖は解けている。写真ではわかりにくいが下りになっていて、集団の左から入ると右へ続く道が見えなかった。)

他のレーサーがそのままの勢いで右折して上がっていく中で、ブレーキングした自分は上りで出遅れてしまう。

ちなみにロードバイクをされている方であれば、下りの勢いがついた状態で上りに突入するのと、スピードが落ちた状態で上りに入るのとでは大きな差が出ること、上りでのリズムがいかに重要であるかがわかっていただけると思うが、まさに今回の自分は、下りから上りに入る場面で失速してしまった上、コースの最重要部分で集団から遅れてリズムを失ってしまうことになった。

それでもなんとか追いつこうと頑張り、1人は早々に抜くが、前方にいるレーサーはだんだん見えなくなっていく。

1人遅れたレーサーが前に見えるがそのレーサーとの差も開いており、結局その差も埋められずにゴールイン。



その場では何位かわからなかったが、あとで5位でゴールしていたことがわかる。

1位はカテゴリー3、3位がカテゴリー2のレーサーだったので、カテゴリー4では3番目であるが、あそこで減速せずに集団のリズムについていけていたら3位内入賞も可能だったかも知れず悔やまれる限りである。

教訓としてはやはりコースの下調べをしっかりしておくことと、できれば少なくとも一回はコースを走ってレース展開の勘所を掴んでおくべきであった。

ちなみにタンデムで走った人も。後ろの人は恐らく障害者で、タンデムはパイロット(前に座る人の呼称)が操作を担当することで、ストーカー(後ろに座る人のこと)が視力障害等を持つ障害者の場合でも自転車スポーツが楽しめるという利点がある。そもそも一部の地域を除き、条例によってタンデムで公道を走れないことが多い日本では、このような障害者スポーツすらも制限されているというのが悲しくもある。



レース後はみんなで下山。



良い景色で、短い秋を楽しめる束の間のひとときであった。



今回のレースは、以前亡くなった州警察官のファンドが主催しているもので、警官の姿も。



レース後はニュージャージーで担々麺を。アメリカンチャイニーズであったが、こってりしていて美味であった。




2 件のコメント :

  1. アメリカはヒルクライムレースはマイナーなのかな?
    参加者が少ないように見えます。
    確かにコースを事前に走ると違いますよね。
    トラブルがない限り2回目は初回よりタイムが遅くなることなんて、まず無いですからね。
    そちらも秋の気配が見られますね。

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  2. 初心者ロードレーサー2011年10月6日 0:26

    地域によるかと思いますが、少なくともニューヨーク市はまったくヒルクライムレースはないですね。
    コロラドの方では山ほどマウンテンクライムレースがあると聞いたことがありますが。
    こちらはもう秋を通り越して冬のように寒くなってきました。既にアームウォーマーもレッグウォーマーも欠かせなくなっています。

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