ヒルクライムであれば、ヒルクライムTTはもちろんのこと、マスドスタートのヒルクライムレースであっても、スピードが出ていないので家族や仕事に影響を与えるような深刻な事故に至る可能性も低い。
同じくタイムトライアルも、時間差を置いての個別スタートになるため、他人のクラッシュに巻き込まれる可能性が極めて低い。(もちろん単独でクラッシュする場合もあるだろうが、それは自分の注意・技術次第で回避可能である)
日本人クライマーとしてアメリカで奮闘するのもまた一興であるし、日本はヒルクライム人口が相対的に高いので、日本に一時帰国してヒルクライムイベントに出るというのも面白いかもしれない。
ちなみに、あくまで主戦場をどこにするかであって、今後ロードレースに全く出なくなるわけではない。
ロードレース中心であったこれまでもファンライドやセンチュリーライドに出ていたように、ヒルクライム中心になってもロードレースやクリテリウムに出ることもあるであろう。
とはいえ、ロードレースやクリテリウムの場合は規模やコースを見てリスクを判断した上で参加を決めることにしたいと思っている。
たとえば1車線の道幅に150人の集団が雪崩れ込むようなレースは出場を控えると思う。
一方で、いざというときの避け幅が(物理的な道幅や路肩などで)あり、自分の注意次第でクラッシュを避けれるようなリスクヘッジバッファが確保できるような場合であれば参加もできると思う。
ちなみに丁度今週の日曜日に、参加者70名強で道幅も広いというクリテリウムがあったのだが、日曜はもともと別のファンライドイベントを走る予定だったのでチェックしておらず、登録締め切りを過ぎてしまってがっかりしている…。
■溢れんばかりの生への渇望
ここで事前に断っておきたいのは、趣味である限りロードバイクの楽しみ方は人それぞれで貴賎はないということである。
週末ライダーだって、ポタリングだって、ツーリングだって、ヒルクライムだって、ロードレースだって、それこそ乗らずに眺めてるだけだって、個々人のRide Life Balanceに合った楽しみ方であればそれがその人にとっては最適なスタイルなのだと思う。レースに出てるからすごい、偉いというわけでもない。
だが、ロードレースのあの血が燃え滾る感覚は何物にも替えがたい麻薬的な魅力がある。
たった数分の、数秒の中に持てる力の全てを注ぎ込む瞬間、限りない「生」を感じることができ、世界が極彩色で彩られる。
その快感を味わってしまうと、パソコンの前に座っているだけのデスクワークがなんとも灰色の世界に見えてしまうことか…。
結局、この世の余計な感情は過去と未来に起因している。
過去を想っては不満や後悔が、未来を想っては不安や心配が頭をもたげるときもある。
「今を生きる」究極の形が、ペダルを一心不乱に回すこの瞬間なのかもしれない。
自分にとっての問題は、その溢れかえる生の瞬間をヒルクライムやタイムトライアルといった他のカテゴリーでも味わえるかどうかである。
とはいえ、早朝トレーニングでもきついトレーニングであればあるほど同様の生きてる感覚を味わうことができるし(はい。ドMです)、グランフォンドニューヨークやHigh PointヒルクライムTTでも同じ感覚があったので大丈夫だとは思う。
なにはともあれ、次の方向性を決めた今、次の目標に向けて引き続きペダルを漕ぎ続けたいと思う。
一連のエントリ、大変興味深く読ませて頂きました。
返信削除ライドライフバランスという考え方とクラッシュのリスクをいかにヘッジしていくかという観点は、私がレースに対してモヤモヤと感じていたイメージと問題点(まだレースは2回しか出ていないのですが笑)をまさに明確に言語化してくださったものでした。これからのロードバイク趣味の方向性を考える上で参考になりました。ありがとうございます。
共通の趣味を持つ者として、これからも応援しています。
一ブログ読者にすぎない自分ですが、初心者ロードレーサー様のロードレース続行を大変嬉しく思います。
返信削除昨年のレース後のエントリはとても楽しく読ませていただくと同時に、いつか自分も…という気持ちにさせていただきました。今でもたびたび読み返しては、練習への活力にしています。
今後はリスクを判断した上で参加を決めることにしたいとのことで…じゃあ今までは当たるを幸いレースやってたということですかw
ヒルクライムやTTという新たな挑戦も、もちろん楽しみです。…TTフレーム選びのエントリも期待していますw
ありがとうございます。今回、このような考察をするにあたり、皆様のモチベーションに悪い影響を与えてしまうのではと不安もありましたが、ミヅイさんのような反響も多く、同じような思いを抱いている方も多いことに改めて気付かされました。
返信削除ロードバイクという趣味の良い面だけにしかスポットを当てないのではなく、デメリット面も含めて同じ趣味を持つ方々の参考になるブログにしていければと思います。
これまではとにかくレース経験を積みたかったというのもあり、参加資格があるレースは手当たり次第参加していました。人数が多かったりテクニカルコースであれば「気を付けなきゃ」とは思ったものの、参加を控えるまでには至らず。まあなんというか、それでも深刻なクラッシュに巻き込まれなかったのは「運が良かった」と思います(笑)
返信削除今後ともロードレース、ヒルクライムレース、TT含めてこちらのレースシーンを伝えるレポートを上げさせていただきますのでよろしくお願いいたします。(TTフレーム…。高いハードルになりそうです。財布の紐的な面で…(^^;)
色々悩まれた上での決断なので、いいと思います。
返信削除ただ、、自分はヒルクライムメインでやっていますが、ロードレースへの憧れは強いです。
純粋に言えばヒルクライムはロードレースというより山岳TT。
一度出たクリテリウムの奥深さや厳しさといったものに魅力を感じました。
今年も出ると思います。
そのレースでも救急車が呼ばれましたが・・。
私は最初のクリテリウムでは千切れて終わってしまっただけなのに魅力に取り付かれてしまいました。前を牽いて集団をコントロールしたり、チームでレースを支配すると充実感もあって病みつきになりますが、それでも病院送りになってる人が出ていることを考えるとどこかで自制心を働かせないといけないんでしょうね。
返信削除ヒルクライムはTTもレースも参加したことがありますが、先頭集団でのアタックやペース調整など、レースならではの駆け引きもあるのでやはりレースとTTでは別物になりそうです。傾斜が緩い箇所ではドラフティングも効いてきますし。まあそこはプロの山岳レースでもアタックがあったりするのと一緒なのでしょうね。