自分は土曜日で会社が休みということもあり、ローラーでトレーニングしながら観戦。
オリンピックといって思い出すのは前回の2008年北京オリンピック。
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最後はクライミングに続くダウンヒルゴールということもあり、サムエル・サンチェスが金メダルを獲得した。
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ちなみに銀メダルはファビアン・カンチェラーラであった。(レース時に2位であったイタリアのダヴィデ・レベッリンはドーピングで銀メダルを剥奪されている)
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そして今回の注目はやはりツール・ド・フランスで旋風を巻き起こしたチームGB(イギリスチーム)。バッキンガム宮殿前のザ・マル通りの市街地ゴールということもあり、カヴェンディッシュのスプリント勝利に期待が集まる。
ちなみにこちらはツール・ド・フランス総合2位、チームGB(英国チーム)のフルーメ。それにしても前回ご紹介したイギリスのロードバイクは特徴的なステムをしている。
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一方でライバル候補として取り上げられていたのが前回の北京オリンピックでロードレース銀メダル、タイムトライアル金メダルのカンチェラーラ。
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実際、終盤までスイスチームが集団を牽引する場面もあった。
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イギリスとドイツも先頭集団を牽く。ちなみに映像を見てて日の丸を見つけた。現地でロードレースを応援している日本人がいると思うとなんだか嬉しかったりする。
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途中ではチームスカイのラーシュ・ペター・ノードハウグがアタック。
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が、ツールに出れなかったノードハウグを警戒していないのか、先頭集団は無反応で、はたしてしばらくして吸収されてしまう。
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そして残り15km地点、先頭集団を牽いていたカンチェラーラがコーナーを曲がるが…。
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曲がりきれずにバリアに激突。
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235kmも走ってきてあと残り15kmというところでの転倒、ツール・ド・フランスを途中リタイアして照準を合わせてきただけに、この大舞台での自爆は痛い…。
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怪我した左腕を脱力させて走るカンチェラーラ。ロードレースの優勝争いからは脱落。来週水曜日のタイムトライアルが心配である。
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残り10km。
「そして皆さん、いよいよ今日のその時がやってまいります……」
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見てて上手いなぁーと感心したのだが、コーナーを曲がった直後、ちょっとした下り坂、そして中央分離帯。この3つのタイミングを上手く利用して、集団内からコロンビアのリゴベルト・ウランが中央分離帯の反対側に飛び出す。
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このアタックに反応しきれたのはカザフスタンのアレクサンドル・ヴィノクロフのみ。
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2人の逃げが決まり、差が開く。
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って、コロンビアの選手の名前が間違っとる…。
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先にもご紹介した通り、ただしくは52番のウラン。チーム・スカイのツール・ド・フランス選考からは漏れたものの、ジロで新人賞獲ってるのに、頼むよBBCってそういえばイギリス自体がサッカーでも北朝鮮の選手に韓国の国旗を表示して抗議を受けてたなぁ。
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そして2人で逃げながら最後の1kmを越える。と、ここからゴール前駆け引きモードに入ったヴィノクロフが一切前を牽かなくなる。
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前牽けよと何度も振り返るウラン。
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何度も…。
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が、ヴィノクロフは動かない。先頭集団も後ろに迫ってきているので、ウランとしてもペダルを漕ぎ続けるしかないのであろう。自分もレースで何度も経験があるが、まさしくゴール前は詰め将棋というかババ抜きというかそんな感じである。
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そしてウランが左後ろを向いて、後ろに迫る先頭集団を確認し左へ寄った瞬間、ヴィノクロフが右へ一気に斜行してアタック。残り300mで前を開けるのは自殺行為になり得る一方で、残り1kmから足を使わされ続けた状態ではスプリントで引き離すのも難しく、ウラン的には詰んだ状態だったのだろう。
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ウランも急いで追うが抜き返すだけの足も残っておらず…
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そのままヴィノクロフが逃げ切って、
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金メダル獲得。
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完璧にゴール前の駆け引きで読み負けてしまったウランであるが、アタックを決めたレース展開といい、個人的にはむしろウランの健闘を讃えたいと思う。
片やアスタナのエースナンバーのヴィノクロフ、片やツールにも出れなかったウラン。下馬評から言えば大金星である。
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今回の最後の駆け引き、今年の全日本選手権で最後に前を牽かされ続けた清水都貴選手と、二番手からゴールスプリントで勝利した土井雪広選手を彷彿とさせた。
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ちなみにBBCの放送だけあって、チームGBのメダル0という結果に残念状態で、番組最後にコメンテーターは「Dissapointed」のきつい一言。敢えて日本語訳をするなら、「お前には失望した」である…(ひでえなぁ)。こちらはウィギンス。イギリスのロードバイクはさることながら、ヘルメットもベンチレーションを塞いで空気抵抗を低減させている。
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そういえば、ツール・ド・フランス総合優勝ということもありウィギンスが昨日の開幕式で登場していた。まあこんなことした次の日にレースでは休まるものも休まらないであろう。
開幕式後、初日からいきなりロードレースだったものの、息をつかせぬ展開で中々刺激的なオリンピックであった。
連コメすいませんw大佐は帰国したら、もう国民的ヒーローですね。
返信削除ウランは最後ヴィノクロフのアタックに気付くのが遅れましたが、どちらにせよ詰みですか…
レースはチームスカイvs対スカイ連合みたいな感じでしたね。牽き続けでちょっとかわいそうでしたが、やはり作戦ミスだったのかな。
これからTTに続きトラック種目も始まりますが、旗手も務めたSir.クリス・ホイには一層の重圧がかかることでしょうね。
普段トラック種目はあまり見る機会がないので、こちらも非常に楽しみです。
ウィギンスやSir クリス・ホイと同じく国から勲章もらっているとはいえ、旧ソ連の共和国ともなると国からの扱いも凄まじいでしょうね。まさにスポーツは国威発揚という名の戦争ですから。
返信削除たしかに国は違えどチームスカイの選手がアタックかけたりで露出が大きかったですね。自分はロード中心とはいえ、トラック競技は中野・松本体制ということで実はかなり気になってます。