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とはいえ、水曜朝、NYSEもNASDAQも動き出した。
マンハッタン内のバスも、ブルックリン内のバスも走り出した。
が、依然としてCross-boroughの交通はストップしたまま。
地下鉄は全線運休中であるし、ブルックリンとマンハッタンを結ぶバスも走っていない。
公共交通機関がストップしてしまった今、マンハッタンに入って出勤するためには、
徒歩か…
自家用車か…
タクシーか…
自転車しかないッ!!
「ここで乗らなきゃどこで乗る!?」ということでブロンプトンを取り出す。
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最近自転車通勤はしていなかったので、空気を入れてライトを付けて出発。
ブルックリン
家からしばらく走ると、いきなり道が封鎖されている。
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さらに走っていくと、まだ7時台だというのにバスを待つ行列。
すれ違うバスは満員状態。
ブルックリンからマンハッタンまで行くバスは出ていなかったので、これらの人々は途中までバスで行って、あとは別の手段でマンハッタン入りするのであろう。実際、オフィスについた後で「橋を歩いて渡ってきた」と話している人もいた。
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そしてブルックリンを南北に貫くFlatbush Avenueに突き当たる。
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と、すごい自動車の列。
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後ろを見ても最後尾が見えないほど続いている。
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自動車組みはアウトだな、と思いながら進む。
ちなみにブルックリンの南側からマンハッタンに出るには、マンハッタンブリッジとブルックリンブリッジの2通りの行き方がある。
この点、ブルックリンブリッジはマンハッタンブリッジよりも南側(シティホール付近)に出ることになる。
南側の方がよりニューヨーク湾に近く、冠水、停電の影響も大きそうなので迷わずマンハッタンブリッジへ向かう。
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さらに走っていくと、マンハッタンブリッジに続く道も車は長蛇の列(自転車レーンはスカスカ)。
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そんな車を横目にマンハッタンブリッジへ。
マンハッタンブリッジの自転車道は完全に復旧しており、むしろ積雪のときよりも走りやすい。
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マンハッタン側ではTransportation Alternativesという自転車政策を推進させる圧力団体のスタッフが手を振ってくれている。
が、マンハッタンに入ると事態は一変していた…。
マンハッタン
マンハッタンに入って目に入ってきた光景は…
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信号がついていない…。
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ダウンタウンの停電で信号すらも全滅なのかと思いつつ先へ進むが、目抜き通りの1つである23rd Streetまで北上しても信号は動いていない。
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手信号どころか、身振り手振りでコミュニケーションを取りながら交差点をやりくりして進む。
と、40th Streetにしてようやく信号が生きはじめた。
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そして無事オフィスに到着。
自転車通勤に切り換えてる人も多いのか、駐輪場は自転車で溢れかえっている。
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が、世界で最もコンパクトな折り畳み自転車の1つ(当社調べ)であるブロンプトンならオフィスに持ち込むのもやぶさかではない。
デスクの下に余裕で入るブロンプトン。優秀である。ロードバイクとはまた違った美がそこにはあると思う。
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所要時間は1時間以内で通常の地下鉄出勤とあまり変わらない。
一方で、他に出社してきた人に聞くと、マンハッタン内の移動でもバスやタクシーが混みに混みまくって2時間かかったという人もいる。
以前大雪のときに悲惨な通勤をしてから、「不安定なときは公共交通機関は使うべからず」という意識ができているが功を奏したといえる。
はっきりいって、今日、最も賢い移動手段は自転車であった。
今回の災害で、改めて自転車の機動性の良さを痛感させられた思いであった。
臨場感あります。みていて、3.11のことを思い出しましたよ。私も、普段からロードで通っていたので(当時はシクロクロス)、都心から気ままに自宅に向かったのですが、街中のあらゆるものがストップしていました。あまりに快適に移動できる自転車の万能さを実感した反面、すべての交通が麻痺しているなかで右往左往している人たちをthreading throughして帰った時の心境はやや複雑でした。
返信削除しかし、ウチもマンハッタンに拠点がある関係で、かなり混乱してましたー。
たしかにバスやタクシーで大変な通勤をしている人たちをみると心配してしまいます。これで自転車という選択肢がもっと浸透すれば言うことなしなのですが…。今回の災害はNYのインフラの脆さを露呈した一方で、電力がないと何も動かない、動けない状況はエコを見直すきっかけにもなるかと思います。
返信削除ちなみに電話だけでなくネットワーク回線にも影響がでたようで、うちもいろいろと被害がでてます。