香港サイクリング:香港最高峰、大帽山ヒルクライム

香港3日目、今日は自分の両親が午後に日本から香港に訪れることになっている。

それまでには戻ってくる予定でライドに行くことに。

サイクリング2回目となる本日の目標は、いきなり2回目にして香港最高峰、大帽山

半島と離島で構成される海がちな香港にしては高く、海抜957メートル

ちなみにヤビツ峠が海抜761メートル、9月に上ったマサチューセッツ州最高峰のグレイロック山が1,063メートルであるが、大帽山の場合は麓が海の傍であるため獲得標高ではグレイロック山を上回る

ということで、Garmin Edge 800に大帽山をセットしてルート案内を表示。

天気予報は雨模様であったが、現時点で降っていないこともあって携帯や財布をジッパー袋に入れて出発。


大埔公路


香港は海に囲まれ山地が全体的に広がる地形のため、開発されている地域は全体の25%以下、4割は郊野公園(自然保護区)となっており、山を挟んで都市が点在しているような形になっている。

大圍も例外ではなく、大圍から大帽山にいくためには山を越えねばならず、山に入ると一気に都市がなくなって歩行者がいなくなり、道路もほぼ自動車専用のような幹線道路が走るのみになってしまうのである。

そういう事情もあって、初ライドの自分にとってGarmin Edge 800によるルート案内は欠かせないのであった。

ということで、ルート案内を見ながら大圍を走っていく。







と、ほどなくして都市がある山間部を離れて山へ。





って…。



立体交差する高架道路になっていて、はっきり言って高速道路のようで自転車が通る道ではない。



が、結局山を抜けるには道路が限られてしまい、それ以外の道路は自転車禁止のトンネルであったり、本当の高速(料金所で通行規制されている)だったりするので、もうこの道しかないのである。



ということで気合を入れて上る。



道が狭い上に車幅のある2階建てバスが走る香港では路肩が命綱。

ところが、自転車を全く想定していない道路事情からか、時には路肩が全く無くなってしまう場所も。





なんとか歩道(といってもこんな場所では歩行者をほとんど見かけない)がある場所では歩道を走る。



結局、山道では車道を走っている自転車を1台も見かけなかった(といっても歩道でも3台くらいしかすれ違わなかったが)。




九龍


そして山道を抜けて九龍へ。



九龍は新界よりも都市部で、歩道は人がごった返しているので車道を走らざるを得ない。



歩く人々の視線を浴びながら車道をかっ飛ばして九龍を西進。



荃灣に入りやっと大帽山の麓に。



ってまた高架が…。



そしてGarmin Edge 800の示す先はどうやらこの高架ルート。

ここで引き返すわけにもいかないので進む。



明らかに自動車しか想定していない道路の作り。



後ろから来る自動車にクラクションを鳴らされながら進むと大帽山の標識が。



そう、荃灣に入って高架道路へのルートを取ったときから、すでに大帽山のヒルクライムルートに突入していたのである。

そこから頂上まで、ほとんど下りがないまま上りが続くことになる。


大欖郊野公園


高速を抜けるとまた豪華なマンションが聳え立ち、



と思うと、一気に人がまばらな山道へ。



このギャップが香港の魅力でもある。



ほどなくして大欖郊野公園に入る。香港の4割を占める自然保護区の一つである。



そこから上りが続く。

ひたすら上って行くとGarmin Edge 800のナビが狂ってくる。

道を正確に把握できていないのかもしれないが、現在位置から目的地まではまだ距離があるので走っていくと下りに突入。

そこから下りが続き、「いや、さすがにこれは山を降りちゃってるだろう」と思うと、Garmin Edge 800に「右手に目的地」と到着を表示する。

そこは下りの中腹で何もなし。



さらに下ると大欖郊野公園の反対側の入口へ到着。



天気が悪いせいなのか、(後で知ったのだが)頂上にはレーダーステーションがあるからか、現在の位置とGPS上の地図がうまくマッチできていないようでGPSのルート案内が役に立たない。

途中の休憩所で休みながら地図を確認する。



少なくともここが頂上でないのは明らかなので再び降りた道を引き返して山を上る。



そして下りが始まった地点まで戻ってあたりを見渡す。



ここからはハイキング用のトレイルや、マウンテンバイク用の自転車道があるらしい。



とはいっても自分はロードバイクなので砂利と土でできた山道はさすがに走れない。





舗装路での頂上はここなのかと思ってあたりを走ってみると、






大帽山郊野公園


来るときには気付かなかったこんな横道が。



上へ続いているようなので大帽山郊野公園の中へ進む。



と、先程までここが頂上なのかと思ってしまいそうになったが、まだまだひたすら上りが続いていく。



霧のかかる中、ひとしきり上ると開けた場所に。



そこからさらに上っていく。



すでに周辺の山の頂上を見下ろす高さになり、霧が濃くなってくる。



さらに上ると三叉路に行き着く。



と、片方は遮断機が降りて通行止めされている。



ただ、前回の大尾篤の海上ルートと同様、単に自動車が進入禁止なだけであり、一般人でも入れるのかもしれないと思って悩んでいると、進入禁止の道から男性が2人降りてくるではないか。

GPSが頼りにならない状態でどちらに行ったら良いのかわからなかったので、「唔該,山頂係唔係個邊架?(すみません、山頂はこっちでいいんですか?)」と聞くと、「係呀,係呀(ああ、そうだ)」との返事。

ということで遮断機の横を通って頂上への道を上り続ける。

そこから一気に木々が少なくなり、岩肌の山道が続く。



と同時に、完全に霧の中に突入し、数メートル先までしか見えないような状態に



雨も降り出し、雨水で濡れたアイウェア越しに目を凝らしながら進む。

文字通り五里霧中の中を、どこがゴールなのかわからないままひたすらペダルを漕ぎ続ける。



と、目の前に現れたのは禁區(一般人立ち入り禁止)の標識。



ふと横を見上げるとレーダーステーションが。



ここが大帽山の山頂で、ここから先には進入禁止になっている。

手前に横道にそれる道がある。後から知ったのだが、この道が大埔を経由して北側から上るルートになっている。





グレイロック山のときと同じく、香港とはいえ頂上にいると冷え込んできて寒くなってきたので下山へ。




帰路


霧の中で勾配マイナス15%というダウンヒルはかなり怖い。



ブレーキフル稼働で降りていく。



下界に近づくにつれだんだんと霧が晴れてくる。



相変わらず急坂なダウンヒルだが視界は回復してくる。



そして三叉路に戻ってくる。



降りてきた道を振り返ると山を霧が覆っている。



さらに下山を続ける。





大帽山郊野公園の入口まで降りてくると気温も戻ってきた。





そこからは勾配も7%ほどまで落ちるので快適に下っていく。



と、電話がかかってくる。



なんと飛行機が予定よりも早くつき、もう両親が到着してしまったとのこと。そこから急いで帰路へ。



高架道路を突っ切り、



さらに高架(写真の右側のレーン)に入り、



九龍を横切り、







また大埔公路を通って山越え。





途中の金山郊野公園では猿に遭遇







そして大圍へ戻る。



甘い物を補給して終了。



それにしても大帽山は素晴らしいヒルクライムであった。

この大都市からいきなりヤビツ以上の山を頂上までヒルクライムができるというのも香港ならではである。

ここに住んだらそれこそ東京24区並みの利便性で、家の玄関がいきなり1,000m級のヒルクライムの出発地点になってくれる

冬も半袖短パンで走れるのでそれこそ毎日、一年中ヒルクライムができる。

うーむ、おそるべし、香港。




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