サウスブロンクスのトラック競技場をランニングしてみた

なんちゃってランナーの自分はもう一年以上、ランニングするためだけの目的で外を走っていない。

思えば2018年にヒルクライムレースに出ていたときも、平日の自転車通勤以外は引きこもりローディーとして固定ローラーにいそしむハムスター生活を送っていた(まあ、出産前の妻と悪魔の三歳児を残して出れないという家庭環境もあったのだが)。

今はだいぶ一人でも放っておけるようになった長男だが、今度は宿題やらなんやらでやはり時間を取られるし、下の子の面倒も考えるとなんだかんだいってまだ時間が取れない。

ということでいまだにランニングも、ラン通勤なり何かしらの予定のついでにやる感じになっている。

そんな中、ひょんなことからサウスブロンクスに行く機会があったのでついでにランしてみる。

ちなみにひょんなこととはニンテンドースイッチのゲームソフト。

子どもがYouTubeで見て欲しがっていたので、1から10まで英語で書けたらいいよと約束して、見事達成したのでご褒美として買ってあげることに。



普通に郵送でもいいのだが、ピックアップだとすぐに手に入るということでベストバイ(というアメリカの家電量販店)に行くことに。

そのうち、在庫があって一番距離が近かったブロンクスの店舗でピックアップするように設定。

距離的には3マイル(≒5km弱)ということで、普段通勤で片道16km走ってることを考えると、往復でも10km弱で長すぎずちょうどいい(と思ったのは間違いだったことを後に知ることになる)。

ベストバイへ


早速出発。

いつものラン通勤のようにジョージワシントンブリッジを渡るところまでは一緒だが、そこからマンハッタンの東側へ進路を取り、ハーレムリバー沿いに南下していく。

145丁目まで南下してから東へ。



が、意外と疲れる。

というか片道5kmかからずに到着するはずが、手元を見るともう7kmを過ぎていておかしい・・・

そう、ベストバイのピックアップ候補で出ていた距離は単に地図上の直線距離で、実際の道路ルート(マンハッタンは島なので橋の場所等限られていて回り道になる箇所もある)ではもっと長かったのである。

とはいえ、初めて走る場所のもの珍しさもあって中だるみを感じることもなくブロンクスへ。



一方でこの辺になると黒人としかすれ違わなくなりやはり雰囲気の違いを感じる。

自転車の場合は車道を走ってることもあってこれまで危険を感じたことはなかったが、歩道を走るラン、かつ信号待ちでちょっとラリってる感じの人と同じ空間で佇んでいるのは気まずい。

とはいえ、一昔前と比べれば随分発展していて、一気に町並みがスラム街化するということもない。

現にユーチューブ等のWeb媒体でサウス・ブロンクス (South Bronx) を検索すると、1970年代~1980年代にかけての、まるで戦争直後の爆撃を受けた焼野原のような、サウスブロンクス地区の記録が多数残されている。当時のレーガン大統領ですら、がれきの山が延々と続くサウスブロンクス地区を視察して絶句したという。

Wikipedia - サウス・ブロンクス



そんなこんなでベストバイが入っているショッピングモールに到着。



束の間の休息でエレベーターに乗って最上階へ。



ベストバイで無事ゲームソフトをピックアップしてバックパックにしまう。

そこから復路へ突入。

Joseph Yancey Track and Field


この復路で考えていたことがひとつあった。

それはトラックを走ってみること。

うちの近くで一般開放されているトラックは限られていて、ちょうどベストバイからちょっと行ったところのトラックが開放されているようなのでついでに寄ってみることに

正式名称はJoseph Yancey Track and Field。

そう、なんとあのJoseph Yanceyの名を冠したトラックなのである!


Joseph Yancey・・・。



誰やねん。



と思って調べてみたら、数々のオリンピック選手を輩出したNew York Pioneer Track and Field Clubの創設者ということらしい。

ちなみに身近なところでは、ニューヨークシティマラソンの主催団体であるNYRRはこのクラブ出身で元オリンピック選手のTedd Corbittが創設、ニューヨークシティマラソン自体の創設にも携わったとのこと。

なるほど、普段何も知らずにマラソンの抽選に申し込んでいたが、いだてんの金栗四三のようにアメリカにもマラソンの歴史があるんだなぁ。

ということで来たときと違い、155丁目の橋からマンハッタンに渡ることにしてブロンクス内を北上。



トラックの横にあるヤンキースタジアムが見えてくる。



そしてトラックへ。



トラックを初めて走る


一般開放されているトラックということで、週末の朝はアマチュアアスリートたちが練習にいそしんでいるというイメージがあった。

が、実際はむしろ観光客が多い。

入り口には観光客らしき人で階段が混んでいて、なんかイベントをやっているのかと一瞬勘違いしたほど。



こんなところ観光名所でもないだろうにと思いつつも、おそらくヤンキースタジアムの隣にあることから、ヤンキースタジアムの観光客が流れて来ているのだと思う。

というのも少し高い場所になっていて見晴らしもいいので、ヤンキースタジアム撮影の絶好ポイントにもなっている。



トラック脇で写真を撮ったりしている観光客を横目に初めてタータンを走ってみる。

思ったよりもやわらかく、たしかにアスファルトを走るのと随分違う。



思えば中学、高校と土のグラウンドだったので、タータンを走るのはこれまでの人生でも初めてかもしれない。

せっかくだから1kmのタイムを計ってみる。

観光客以外にちゃんと走っている人もいるので邪魔にならないように使われていない第6レーンを走る(第8レーンは逆に観光客の邪魔になる)。

第1レーンで一周400mなので、第6レーン固定だと2週半より少し短いくらいかな※と思いながら走る(※正確には一周438.6mになるらしい)。

8km近く走った後、かつ買い物の帰り(バックパックにはスイッチのゲームソフトが入ってる)ということもあり、ペース配分もなにもあったもんではなく、最後のほうは「もうやめたい」と思うくらい息も絶え絶えになってなんとか走りきる。

サブ3.5とかの人には笑われてしまいそうだが、1kmのラップタイムで4分台を切ることができたのはこれが初めて

これまで通勤途中のストレートで1kmタイム計測をすることはあったが、4分台を切ることはできなかったので初心者ランナーの自分にとっては大きな一歩。

帰途へ


そこからはクールダウンしながら帰途へつく。

トラックのすぐそばにある橋を渡ってマンハッタンへ。

自転車イベントのツール・ド・ブロンクスの集合場所が、この橋近くのグランドコンコースになっているので、これまで何度も通ったことのある馴染みのある橋。



マンハッタンに入ってからはいつもの通勤路に出てジョージワシントンブリッジへ。



自転車だと余所見をしている時間もないが、マンハッタンのスカイラインを見ながら渡る。



まだ寒いこともあってニュージャージー側の岩肌には氷も残っている。



帰宅してログを見てみると16.7km。

途中でトラックを1km走ったこともあって、結局通勤ランよりも長い距離になってしまった。



そんなこんなで初トラックがブロンクスとなった。

ちなみに映画、「ジョーカー」で有名になったジョーカー階段はここから1kmほどのところにある。



すっかり当初の目的を忘れていたが、ゲームソフトは無事息子に届けられて喜んで遊んでいた(難しくて途中から手伝うことになったが)。




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