ながらランニングのススメ:ランが苦手な自分がなぜ月間1100kmも走ることができたのか

前回エントリーした通り、自分はランニングが苦手な体質である。

苦手といっても走ること自体は好きだし、自転車と同じように走ったあとの達成感もあるので、要は長時間ランニング時の中だるみや飽きの問題といえる。

それにストレス発散や気持ちの切り換え、体型維持でランニングの恩恵は十分に感じているので、これからもランニングは続けていきたいという矛盾した恋心を抱えている。

何しろランニングはお手軽だし、室内でもランニングマシンがあれば可能※なので、一番身近で簡単に始められてハードルも低い。

※スロージョギング&ターンであればランニングマシンがなくてもできる。そして実際に去年はランニングマシーンなしのスロージョギングだけで60kgから52kgまで痩せた実体験があるのでスロージョギング&ターンも有効である。

一方でランニングに費やす時間もばかにならない。

5月に1100km走った時は総走行時間が107時間を超えたが、107時間と言うと大変な量で、この107時間を単に走るだけに使っていたとしたらすごくもったいないと思ってしまう自分がいる(まあ趣味といえばそれまでなのだが)。

そこでそれを解決するのが「ながらランニング」である

外で走りながらできること


かといって外を走る実走の場合、ランニングしながら他のことをしようとしてもランニング中にできることって限られている

頭の中でいろいろ考えるか、ぼーっと景色を楽しむか、マインドフルランニング的に瞑想状態になるか、音楽を聴くかくらいである。

前回、サイクリストに比べてランナーは音楽を聴いてる人が多いと書いたが、こんなに音楽を聴いているランナーを見かけるのも、実はみんな言わないだけで走ってる間つまんないと感じているのは自分だけじゃないんじゃないのと思ってしまったりもする


音楽だけでは気分転換にはなっても生産性がなので、音楽以外にも音声化したKindle本のオーディオブック(いわゆる自炊の音声版)を聴きながら走ったこともある。

ポッドキャスト系のラジオを聴いたりピンズラー系の音だけで学ぶ語学学習できるかもしれないが、やはり聴覚のみのインプットでは限界があるし、そもそも外を走っている最中に耳を塞いで意識も音声に集中してしまうのは安全上も好ましくない

実際自分が自転車に乗っている時に、イヤホンをつけながら走っているランナーが後方確認もせずにいきなりUターンしてぶつかりそうになった事が何度もある

接触転倒したこともあるし、声を上げて回避したことならもう数え切れないほどになる。

そういう自転車側からの体験もあり、音楽を聴かないとつまらないランニングでありながら、自分としてはできるだけイヤホンをせずに安全面から走りたいと思っているので、ここでも理想と現実のギャップが生じている。

ところがこれがインドアランニングだと一気に解消される。

当たり前だかルームランナーでは交通事故は起こり得ないので安全上の問題を考慮する必要がなくなる。一番の懸念である安全面がクリアされたランニングマシーンでは、なんでもやりたい放題である。

とはいえ、走りながらできることって何があるのか?

ここで自分が107時間走ってきた中で何をしていたかを列挙してみる。

107時間の使い方


ここでちょっと視点を変えて、運動に限らず、そもそも日々の生活の中で何をしているかについて考えてみたいと思う。

この点、日々の行動はインプットとアウトプットの二つに大別できる。

インプットは本を読んだりニュースを見たり勉強したりといった、知識や情報を得る行動で、アウトプットは何かを書いたり作ったり、自分から能動的に働きかける行動である。

アウトプットというと大袈裟だが、知り合いにメールを書くのもアウトプットだし、LINEのメッセージもアウトプットになるし、仕事で資料を作ったり、プレゼンしたり、会議に参加して発言したりというのもアウトプットである。子供に勉強を教えたり、娘のオムツを替えたりするのもここでいうアウトプットに含まれる。

アウトプットは手を動かす必要があるものが多いので、さすがにランニングしながらでは厳しいが、インプットは受動的なものなので、走りながらでも大体のものがカバーできる

ということで以下が自分がこれまで「ながらランニング」で行なってきた内容である。

  • 1日の計画を立てる
  • メールをチェックする
  • ニュースをチェックする
  • ブログを読む
  • YouTubeを見る
  • ネットサーフィンする
  • オンラインショッピングする
  • 電子書籍を読む
  • 漫画を読む
  • ドラマを見る
  • 映画を見る
  • ブログを書く
  • レシピを調べる
  • 屋根の修理の仕方を調べる
  • トイレの水槽タンクの修理の仕方を調べる

以上が5月の107時間の内訳一覧である。

この点、走りながらということもあり工夫をしているところもあるので個別にコメントしていきたいと思う。

1日の計画を立てる


唯一外でも同じようにできそうな項目が、この1日の計画を練るということ。

朝のランニング中は家族も起きておらず静かに集中できる時間ということもあって、仕事やプライベートでその日に行わなければいけないことを整理したり、優先順位をつけてTo Do項目をまとめる。

忘れそうなものは自分自身にメールを送っておいたり、Googleタスクや、キープと言ったメモアプリを活用して項目をメモっておいたりする。

メールをチェックする


朝起きたらする事って何かと言うと、やはりメールをチェックすることだと思う。

自分はランニングマシーンにアームをつけてタブレットが自分の目の前に来るようにセットアップしているので、簡単なタップであれば走りながらでも余裕でできる。



本格的な編集は厳しいが、未読メールを処理したり、ラベル付けをしてアーカイブに入れたりといった操作は十分可能。

ニュースやブログをチェックする


お次はニュースのチェック。最近は新聞を取っている人も少ないと思うが(アメリカではそもそも新聞配達自体がマイナー)、いつの時代でも最新の情報をインプットするのは重要である。

自分はRSSリーダーを使ってニュースヘッドラインを一覧表示し、気になる項目があれば詳細を読むようにしている。RSSリーダーは昔はGoogleリーダーを使っていたが、Googleリーダーが廃止されてしまってからはネットバイブスを使ったり最近はInoreaderを使っている。

RSSリーダーにはニュースフィード以外にも、自転車関連やランニング関連、RSS対応のブログもここに登録しているので、チェックしているブロガーさん達の新着記事等も一括管理して、更新があればニュースをチェックするのと同じようにチェックしている。

(写真が暗いのは日が出る前なのでご容赦いただきたい)



YouTubeを見る


別項目として挙げているが、他の項目全般に関連してYouTubeも使っている。

RSSでチェックしていないニュースやテレビ局はYouTubeでチェックしているものがほとんどで、特にタイムリーにニュースをアップロードしてくれているANNやFNNのおかげで日本のニュースを映像付きでチェックする環境が海外でも実現できている。

また、香港のニュースや台湾のニュースもYouTubeでチェックできるし、字幕が出るニュース番組では中国語学習にも役立てたりしているので一石二鳥、いや、ランニングしながらなので一石三鳥になる。



ランニング関連の動画も、日本やアメリカ、台湾、香港のマラソンやトレイルランニングの映像を見たり、出たいなと思っていたニュージャージーマラソンやヨンカースマラソン(今年はコロナで中止が濃厚だが)の過去の映像をアップロードしてくれている人もいるのでどんな雰囲気や様子なのかを確認したりもした。

特に走っている動画は実際に自分もランニングで走りながら見ているので変な一体感を感じられる。

他にもエンタメ系やレシピ動画や商品レビュー動画や、後述する屋根やトイレの修理の仕方など、あらゆる項目全般で動画が必要になるときはYouTubeを活用できる。

ネットサーフィン&オンラインショッピングする


ネットサーフィンと言うと対象範囲が広すぎるが、実際いろんな用途でブラウザを使って情報収集している。

自転車やランニングで調べたいことがあればチェックするし、秋以降のイベントやレース関連の情報を調べたり、新しく発表されたギアやパーツやシューズをチェックしたりしていると時間がいくらあっても足りない。

他にも買いたいと思っているものをチェックして、買うものが決まったら実際にAmazonやウォルマートやターゲットのサイトでそのままオンラインショッピングもしている。

リモートワークで家で仕事するようになってからはパーソナルクーラーの必要性を感じ、小型サイズのクーラーをチェックしたり、インスタントポットというマルチクッカー(電気圧力調理鍋)を購入する前に性能比較してレビューをチェックしたりした(ちなみにこれら両方ともその後実際に購入した)。



電子書籍を読む


2ヶ月ほど前にKindle Unlimitedのキャンペーンをやっていて加入したこともあり、Kindle本を読む機会も多かった。

前述したように自分はKindleを自炊して音声化しているのでオーディオブックとして活用することがこれまでは多く、夜寝る前のGo to bedからGo to sleepまでの間に音声読書したり、通勤ラン中に聞いたりしていたが、リモートワークになってからはやはり実際に読むことの方が多くなった

それに雑誌系はそもそも文字情報が埋め込まれておらずオーディオ化できなかったり、写真や画像が多い本の場合も音声だけでは限界があるので、やはり実際に目で読めるに越したことはない。

本の内容はこれまた多岐にわたり、自転車やランニング本をはじめ、語学関連の参考書を読んだり、地球の歩き方でエア旅行したり、気になるところはその場でYouTubeで検索して映像を見たりする。

読書は遥か昔から人類のアウトプット&インプット手段となっていたこともあり、ぶっちゃけ読書だけでも知識獲得やエンターテイメイント媒体として活用できる。

漫画を読む


とはいってもそこはやはり人の子、学者でも研究者でもない自分はそんなストイックな読書生活だけでは疲れてしまうので漫画も読む。

いや、むしろ走りながらということもあり、読みやすさでは漫画の方が圧倒的に活字よりも優れている

特に文字が少ないバトル系漫画とかだとページ送りも頻繁になるので、走りながら腕振りに合わせて手がタブレットに近づく瞬間にささっとスワイプし、走るペースに合わせてシャッシャッシャッとページをめくったりもする。

バキを読んだり、ブラックジャックによろしくを今更ながら全巻読んだり、日本の情報に疎く鬼滅の刃を読んでなかったので読み始めようと思ったが、やはりこれだけでも時間が足りず結局後回しになりまだ読めていなかったりと、未読の電子書籍がどんどん溜まっていっているのが現状である。



ドラマや映画を見る


Kindle読書では文字の大きさを調整できるものもあるとはいえ、読むのに目が疲れたり、漫画でもページをめくる手間があるが、この点ドラマや映画の映像ならそういった手間も発生せず、受動的に視聴するだけなのでながらランニングには最も適しているのかもしれない。

とはいえ誤算だったったのはコロナの影響が日本にも波及して日本のドラマも製作停止が起こったりしたこと。

今期放送している家政夫のミタゾノ第4期も第二話まで見たらその後止まってしまったし、今更ながら見ていなかった朝ドラのスカーレットを見たり、遡ってべっぴんさんを見たりもした。

映画もイップマン(葉問)の最終作であるIp Man 4: The Finaleや、これまたランボーの最終作であるRambo: Last Blood、シティーハンター映画版、天気の子、昔の映画だが風が強く吹いているもランニングを始めたこともあり見てみた。



特に小さい子供がいる家では子供が起きてからでは暴力シーンがあるドラマや映画は見られないので、まだ子供が寝ている朝のランニング時間帯に大人向けの映画を見たりしている。

ランボーファイナルブラッドに至っては、「お前の胸を引き裂いて心臓を握りつぶしてやりたい」と言ったことを実際に実行するあたりがランボーらしいが、とてもではないが子供の前では見れない内容となっている。



ただ、映画はその内容によって左右されるところもあり、シーンの移り変わりが多く飽きさせないものなら集中できるが、ゆったりして中だるみのあるものだと飽きやすい。特に映画は一本が1時間半分から2時間くらいがかかるので、2本見ればあわやルームランナーでマラソンの距離が走れてしまう。

そして何本も映画を見ていると、まるで飛行機の中で到着まで映画を見て時間を潰しているような感覚になってくる

ここで忘れてはいけないのは、自分は別に時間を潰したいわけじゃなく、時間を有効活用したいのである。

となると、2本見てランニングの時間が終わってしまうのはかなりもったいなく、そんな時間があればニュースでチェックしたり知識のインプットができるのであればそっちの方を優先したい

ということで、暇潰しのための映画は見たくないというのが本音なので、時間の無駄にならないよう本当に気になる映画だけ選択して見るようにしている。

ブログを書く


インプット系が大半の中で、唯一のアウトプットと言えるのがブログの下書き。

下書きと言っても走りながらタッチパネルで入力するのはかなり厳しい。

入力できないことはないが、長い文章は厳しく、YouTubeでの検索やネットサーフィンでキーワードを入れるような場合に入力しているぐらい。

一方でブログの下書きに利用しているのは音声入力。

Google音声入力の日本語版は、句読点や改行が入力できないのでそこは不便だが、後で校正・清書する前提で使えば十分使えるレベル。

思いついたことをべらべらと話して音声入力、変換がおかしかったり、句読点や改行といった文の体裁部分は後で整える。

実際、今回のエントリもGoogle音声入力で走りながら書いており、音声入力以外に手を動かしたのは文章体裁と画像や動画の貼り付け程度ですんでいる。

その他いろいろ


他にもその時々で必要になったトピックを調べたり準備したりしている。

例えば大雨で雨漏りが発生し、ロックダウン中で業者も呼べないので応急処置方法を調べたり、トイレのタンクの様子がおかしく、水がチョロチョロと微妙に流れて続けてしまう状態だったので水槽タンクの浮きを応急処置するための情報を調べたり、また、コロナ中で車検ができないにも関わらず期限が来てしまうので、ニュージャージー交通局のウェブサイトなどでどのような取扱いになっているかを調べたり、買い出しをするため近所のどの店が開いているのか、どのような形態なのか(入場制限あるのか、電話予約必須でピックアップオンリーなのか等)を調べたりもした。

音楽を聴く


最後に書き忘れそうになったが音楽も聴いている。

YouTubeや動画を見ている時を除いて、ニュースチェックやネットサーフィンなど他のことをしている時はもちろん音楽もかけることができる。

それにインドアなので外を走る時のようにイヤホンで耳を塞ぐ必要もなく、汗をかいても耳が不快にならないのもありがたい。

YouTubeが小型ウインドウ表示に対応しているタブレットなので、テレビをつけっぱなしにしてウェブサイトを見るように、画面端にYouTubeでライブ映像を流しながらウェブサイトを見たりといった「ながら活動」もできる

時間がないときは音楽だけでなくニュースチャンネルを流しながら他のことをしたりもしている。

まとめ


このように各項目を見ていて思うのは、「あれ、これ、普通に生活してるだけじゃね」ってことである

メールやLINEをチェックしたり、ニュース読んだり、YouTube見たり、ドラマや映画見たり、本読んだり、漫画読んだり、ネットサーフィンしてオンラインショッピングしたり・・・、これって「運動の時間」じゃないよねっていう。

その時間をもったいなく感じるかどうかの自分としての基準は、ランニングをしていなくてもすることかどうか

例えば自分は往復通勤ランだと合計3時間近くかかることになるが、普段家の中にいて3時間ひたすら音楽を聴き続けるかどうかと言われれば答えはノー。そんな時間があれば他に色々しているだろう。

その点、107時間を費やした「ながらランニング」では、「別にランニングをしていなくても普段行なっていること」ばかりで、普通の生活を行いつつ同時にランニングを行っていただけなのである。

つまり、ながらランニングとは、時間を潰すために何かをするのではなく、日常生活をしながらそのついでにランニングすることといえる。

これだと107時間もの時間を費やしていても無駄に感じないし、苦にならないし、飽きもこない。

飽きがこないどころか、見ていないドラマや映画、読んでいない本や漫画も溜まっていて全く時間が足りない状態になっている。

6月は走行距離目標を掲げていないとはいえ、いつも通り日常生活していたら走行距離は935km、90時間を超えていた。



このながらランニングであれば、コロナ下でも飽きることなく、そして時間を無駄にすることもなくランニングを続けていけるだろう。

なお、自分の場合は早朝は騒音が気になったり、子供が起きてからはチェーンの巻き込み事故が怖くてルームランナーで行っているが、これらの「ながら」行動は自転車でも固定ローラーやエアロバイクでできるので、「ながらサイクリング」にも応用可能となっている

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