先日妻がイカを食べているのを見て、一切れいただいた。
「美味いイカ(魷魚、ヤオユー)だね」と言ったら、「魷魚ではなく墨魚(マッユー)だ」と訂正を入れられた。
魷魚は日本語ではヤリイカ、墨魚はコウイカを指すということだが、どっちもイカでしょ?と思っていた自分とは違い、魷魚と墨魚は別の生き物(というか食べ物)として認識されているらしい。
中国語がおかしいのかと思って英語を見てみると、ヤリイカはSquid、コウイカはCuttlefishで、英語の方こそ全然違う名称になっている。
ちなみに英語ではCalamariという名称もあるが、輪切りにしたイカ料理の名称として使われ、一般的には揚げているFried Calamariを指すことが多い。ただ、語源を辿るとSquidのスペイン語がCalamariというだけで、ヤリイカの料理形態として慣習的に使われているようだ。
そもそも英語でコウイカはfishが名前についてるので英語の方こそヤリイカとコウイカを別物として捉えているようにみえる。となるとむしろどちらも「イカ」の括りにしている日本語の方が少数派なのだろうか。
コウイカもヤリイカも「イカ」の種類のひとつと思っていた自分にとっては驚きだった。
ちなみに生物学の分類的にはどうなるのかと気になって調べてみたら、ヤリイカとコウイカは十腕形上目という中でそれぞれ閉眼目ヤリイカ科とコウイカ目コウイカ科で分かれているので、広義のイカという日本の定義の方が分類学上との平仄は取れているのかもしれない。
ところでタコは八腕形上目で、タコは8本足、イカは10本足と小さいころから覚えてきたが、生物学上では腕扱いなんだなと思った。 Wikipediaによると「複数の吸盤がついた8本の腕を特徴とする。動物学的には足であり、一般には「足」と呼ばれるが、物を掴む機能などにより、特に頭足類における足は「腕」とも表現される(英語でも arm 腕と呼ぶ)」とのこと。そしてタコもイカも8本足で、イカの残りの2本は触腕だったというのもおっさんになってから知った。
食い物の話から生物学にまで広がるとは奥が深い一件だった。
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