自転車レーンと路肩の罠

昨日のエントリで、一つ大きな見落しをしていた点があるのでフォローアップ。


■日本の路肩

まず昨日のニュース記事(自転車レーン:6600キロ可能 主要道8割に設置容易)に掲載されていた画像を以下引用するが、路肩に注目してみていただきたい。

こちらは自転車レーン設置のイメージ図。



こちらは自転車通行環境整備モデル地区として設置されている東京都渋谷区幡ケ谷周辺の都道にある自転車レーン。



路肩がない・・・だと・・・?!( ;゚Д゚)


少なくともタクシーが停車したり、自動車が駐車したり、ちょっと停車したいときに道路脇に停まるような所謂「路肩」がないのだ。

つまりこの状態で自転車レーンを設置しても、自動車が停車する際は常に自転車レーンを塞いでしまう。まさしく片手落ちと言わざるを得ないような穴の空いた計画なのではないだろうか。


■ニューヨークの路肩

次にニューヨークの実際の自転車レーンをGoogle Mapの衛星写真を元に解説したいと思う。

最初の写真はマンハッタンの6番街、41丁目。タイムズスクエアまで徒歩1分という、いわゆるニューヨークの中心街。東京で言えば新宿の駅前のようなイメージだろうか。道路の左端に車一台分の路肩(実際に車が停車している)があり、その上で、路肩の右隣りに自転車レーンがあるのがおわかりいただけると思う。



次の写真はブルックリンのCaton AvenueとEast 5th Street。マンハッタンからはかなり遠く、東京23区で言えば都心から離れた足立区、練馬区、江戸川区といったイメージか。しかしここでも道路の下側に車一台分の路肩があり、その上隣りに自転車レーンがあることが分かると思う。



どちらにも言えることは、ニューヨークでは街中にしろ郊外にしろ、自転車レーンに加えて路駐ができる十分な路肩が確保されているということである。


■結論

結局、今の日本のニュース記事通りに自転車レーンができると、駐車、停車中の車がある度に自転車レーンが塞がれてしまうという、およそ利便性とはほど遠いモノができてしまうのではないかという不安が大きい。

というかこの計画を立てた役人(?)は自転車で車道を走った経験がないのではないだろうかという疑問さえ抱いてしまう。そこのあたりも考えて計画していって欲しいものである。


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