ロードバイク文化を底上げするアメリカのロードレース事情

地元のレーシングチームに入ることに。

アメリカではレーシングチームに入っていない無所属レーサーはUnattached Riderと呼ばれる。

Cat4からは、レース参加時にUnattached Riderは追加で5ドル支払う必要があったりする。

これは、米国におけるUCI規定レースの元締めであるUSACが、Unattached Riderからの追加徴収を認めているためである。

レーシングチームは登録料等でUSACに貢献しているため、無所属レーサーが追加で支払うのも金銭的公平性から納得もいく。

一方で、単に金銭的な理由ではなく、ロードバイク文化をアメリカで育ませていくための理由がある。

通常、上位のレースカテゴリになればなるほど、チーム戦や駆け引きが多くなってくる。

それぞれのレーシングチーム同士で、アシストやアタック、ブロッキングなどプロレースさながらの駆け引きが存在する

無所属レーサーは上位のカテゴリに行けば行くほど孤立してしまうので、追加徴収を認めることで、初心者ロードレーサー達がチームに入っていくような下地を作っているのである。




そしてチームにはスポンサーが存在し、有名なロードバイク関連メーカーだけでなく、地元のサイクルショップ、地元のカフェ、地元の法律事務所など、様々なスポンサーがチームをサポートし、スポンサーと観客がロードレースを盛り上げる

レースには一日だけのワンデーレースもあれば、数回に分けて総合ポイントを競うシリーズレースもある。中には、山岳賞やスプリント賞も用意されているものもあり、レースリーダー、山岳賞、スプリント賞にはそれぞれのジャージが与えられる

つまり、ニューヨークで毎週開催されるような地元のレースでも、レーシングチーム、ロードレーサー、スポンサー、観客、シリーズレースと、ロードレースを構成する上で必要なものが揃っているのである。

規模は比べものにならないが、さながらミニツールドフランスが全米各地で行われているといっても過言ではない。

さすがツールドフランス7連覇を成し遂げたランス・アームストロングを輩出した国だけはある。




2 件のコメント :

  1. アメリカはレース環境が本当整っていますよね。
    強いレーサーが出現するのも納得です。
    ロードも盛んなんですね。どっちかと言うとマウンテンバイクの印象が強かったのですが。
    レーシングチームはチームジャージとかあるんですか?
    見てみたいです。

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  2. マウンテンバイク発祥の国だけあってマウンテンバイク人口も多いと思います。一方で、ランス・アームストロングやグレッグ・レモンといったツールドフランス個人総合優勝者や、多数のグラン・ツール出場者、女子の金メダリストなども輩出しているので、頂が高い分、裾野も広いと思います。
    といっても、野球のメジャーリーグやアメフト、NBA、NHL、金メダルを量産している陸上競技に比べるとマイナースポーツに属するので「盛ん」と言い切れるかは微妙ですが。ただ、ボクシングのマイク・タイソン、ゴルフのタイガー・ウッズのように、ランスの存在が「アメリカにロードあり」の知名度アップに貢献したことは間違いないと思います。
    ちなみにチームジャージはDirectorが持ってくるのを忘れてきたおかげでまだ受け取れておらずです。

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