通勤ランという誘惑
昔は通勤ライドもある種「冒険」だった。
ブルックリンに住んでいた頃は自転車通勤ルートにブルックリンブリッジもあって、橋の上からは自由の女神も見えた。
ブルックリンブリッジを渡って朝日に映える自由の女神を眺めながらの通勤ライドなんて観光気分で恵まれてるなぁと思ったものだった。
ニュージャージーに引っ越してからも、ジョージワシントンブリッジを渡って、昨日も流氷を見ながら通勤した。
先週の極寒の寒さを思い出しながら、上流のナイアガラの滝(まで上流かどうかはわからんが)から流れてきたであろう流氷に想いを馳せた。
が、通勤ライドが日課となった今となっては、勝手もわかってるし、緊張するようなこともない。
もちろん、途中区間でTTやったりインターバルやったりといったメニューを組んで負荷を上げることはできるが、すべてはControllableな範囲で不安になることもない(大雪とか凍結以外は)。
良く言えば、5年以上通勤ライドやってるおかげでペダルを回すための筋肉や心臓が出来上がってくれたということだが、悪く言えば通勤ライドでパフォーマンスの「現状維持」はできても、それによって劇的にパフォーマンスが向上するようなことはなく、成長曲線はかなり逓減して水平に近くなってしまったということでもある。
そこでこの通勤ルートをランできれば、新たな成長曲線が得られるのではないかと考えた。
おそらく超初心者ランナーの現状では、通勤ライドで得られる成長が1だとしたら、通勤ランで得られる成長はその10倍以上はあるんでないかと思う。
それにランの場合は、同じ距離でも(当然自転車より)時間はもっとかかるので、トータルで見た場合のカロリー消費も多くなってダイエットにも効果的なんではないか。
そんなこんなで通勤ランを視野というか最初の目標にしたのだが、通勤ランの距離は15km強。
いかんせん、「いったいぜんたい何時間かかるのか」「そもそも走りきれるのか」という不安がつきまとう。
それもあって自信が持てるまでは決行できなかったが、週末に10kmランを経験したこともあり、そろそろ挑戦できるんじゃないかと思って腰を上げる。
初めての帰宅ラン
肌感覚が掴めない段階ですごく時間がかかったりして仕事に支障が出てしまうのはいけないので、まずはどれだけ時間がかかっても構わない業後の帰宅でのランを考える。
幸い、朝が雨模様という日があり、行きはバス&地下鉄で、帰りはランでという組み合わせが可能なチャンスが訪れた。
しかも週末前だったので翌日の出勤を気にせず、いくら時間がかかっても、いくら体力を使っても構わないという安心感。
さらにいざとなれば(自転車と違って)荷物を気にせずにサクッと地下鉄&バスに切り替えられるのも安心。
業後にオフィスを出てから混雑したマンハッタン内を抜けてハドソンリバー沿いに出る。
基本的に自転車の通勤ルートをなぞる形だが、一部自転車専用道路とランナー用に分かれているので普段は通ることのないランナー用の道を通る。
自転車通勤をしているおかげで勝手知ったるルートなのでそこらへんで迷うことがないのはメリット。
自転車より時間はかかるものの、一度ハドソンリバー沿いに出てしまえばランに集中できるのでトレーニングだと思えば体感的には一瞬で時間は過ぎる。
そこからジョージワシントンブリッジまで一気に坂道を上がっていくのもいいトレーニングになりそう。
ジョージワシントンブリッジもそれなりに時間がかかるのでカロリー消費も増える。
家の近くのスーパーに寄るつもりだったのでスーパーでゴール。
あ、そういえばASICSのGel-Venture 6を履いて走ってみた。
ウォーキングシューズ疑惑が濃厚なこのシューズだが、ぶっちゃけ自分程度のレベルではよくわからなかった。
ただ脚のサイドの痛みはなかったのでやはり女性用よりはいいんだと思う。
通勤ランの応用度
帰宅ランを終えてからログを確認するとドアツードアで1時間半くらい。
これなら十分通勤ランも日常用途として使えそうである。
一番有り難いのは、これまで自転車通勤かバス&地下鉄通勤かという二者択一だったのが、それに加えてラン通勤という選択肢が増えたこと。
自転車の場合、通勤という日常生活の中でいちいち輪行するのが大変というか面倒くさいので、小雨の場合はともかく、朝か夜のどちらかで雨や雪が濃厚であれば往復ともバス&地下鉄通勤になってしまっていた。
つまり、朝は快晴で運動日和なのに、夜の雪予報のために朝も薄暗くてドブネズミが走り回る地下鉄通勤にしないといけなくなる。
ところがこれに「ラン通勤」という選択肢が加わると、片道だけランという移動手段が増えてより機動的になる。
週間のトレーニング量でみても、天候によって不測の穴があく事態を軽減できる。
というかトレーニング時間もカロリー消費量も、現状では「片道ラン通勤>往復自転車通勤」なので、むしろトレーニング量は増える。
今は天気が悪いときに片道だけで精一杯(泣笑)だが、将来的には自転車、ランの割合をシーズンに合わせて調整していくというやり方もある。
そう、以前ご紹介したRunner's Worldの本に載っていた「3plus2」トレーニングメソッドのように。
ランであれば心肺機能も活かせるし、ロードバイクで培った下腿や体幹の筋肉も応用が効くかもしれない。
実際、Runner's Worldの「Run Less Run Faster」という本の3plus2というトレーニング方法では、1週間に3回のランと2回のクロストレーニングが推奨されており、クロストレーニングの筆頭に自転車が紹介されている。
曰く、毎日ひたすら走り続けるのではなく、自重を支える必要のない自転車とクロストレーニングすることで、怪我リスクの回避と高強度トレーニングを両立できるというものである。
ヒルクライムとランは化学反応を起こすか
こうして考えると、通勤ランはクロストレーニングとしてはかなり優秀なオプションになると思う。
が、この最初の帰宅ランの疲労がひどく、その週末はずっと筋肉痛&関節痛を抱えたままだった。
これでは一週間に一度の片道ランが精一杯。
いつになったら往復ランできるようになるのか・・・。
0 件のコメント :
コメントを投稿