先日起こった衝突も、ディスクブレーキ並みのストッピングパワーがあったら回避できたのではと思う。
それより怖いのはブレーキが必要になるカーブ。
キャリパーのスプリングが劣化して戻らないために、一度ブレーキをかけるとブレーキシューが戻らずにリムにくっついた状態のままになり、減速して曲がるようなコーナーではブレーキ後にいきなり前輪の回転が悪くなってハンドルをとられ、あわやガードレールへの衝突や転倒につながりかねない。
ということでブロンプトン乗り換え構想がありつつも、今差し迫った危機としてフロントブレーキを交換する。
キャリパー交換
まずは在庫の確認から。
不幸中の幸いというか、そもそもブレーキの劣化速度が早くて交換サイクルも短いのでスペアを買っておいたことが功を奏し、思い立ったらすぐに交換できる。
古いキャリパーを外す。
フォークの裏側のネジを六角レンチで回してやる。
フロントキャリパーと泥除けのフェンダー、反射板がくっついているので、フロントキャリパーだけ引っこ抜いて取り外す。
新品と比べると一目瞭然。
スプリングが激しく錆びてしまっているせいで、一度ブレーキをかけると元に戻らずにブレーキが締まったままになるという悪夢。
漕いでも漕いでも進まず、これなんて罰ゲーム状態で通勤するのはストレスフルだった・・・。
それに急に止まれないブレーキでは危なっかしくてスピードも出せない。
ブレーキがあるからこそ速く走れるのだ。
一方新品は新品だけあって綺麗。スプリングも完璧。
これがこんなに劣化してしまうとは・・・。錆び防止のなんとか556でも塗布した方がいいのか。
というかクロスバイクのVブレーキを同じように通勤で使っていたが、そちらはシューの減りはあってもスプリング自体は全く劣化しなかったのでやはりブレーキの品質の気がする・・・。
まあ小径車ということで低い位置にあるので泥や水跳ねを受けやすいのが錆びやすい原因につながってるのかもしれないが・・・。
新品に交換して左右のシューとリムの幅を上部のネジを回して調整して完了。
と思って試してみると・・・全然ブレーキが効かない・・・。
ブレーキケーブル交換
ブレーキケーブルを外して引きを確認してみると・・・、ブレーキを握ってもケーブルが全然引かれない・・・。
ブレーキケーブルも交換しようとインナーワイヤーのスペアを取り出す。こんなこともあろうかと10本用意してあるので備えは万全。
が、インナーワイヤーが引っこ抜けない・・・。
アウターケーブルを確認してみると、先端部分がインナーワイヤーと固着してしまっているのが原因。
こうなったらアウターケーブルからの全とっかえが必要。
これまたこんなことがあろうかとブロンプトン純正のフロントブレーキケーブル交換セットを買っておいたのを取り出す。
純正ケーブル交換セットといっても、中身のアウターケーブルはJagwire製。
つまり、普通にJagwire製のアウターケーブルを買って、ブロンプトン用の長さ(ハンドルタイプによって長さも異なる)でカットしてやれば純正セットを買う必要もないということ。
ちなみに自分の場合ブレーキレバーもシマノのものに変えているし、位置も変わっているので455mmというデフォルトの数値はもはやあてにならず、ちょうどいい長さに自分で調整してやった方がいい。
せっかく純正の交換キットを開けたので、ブレーキケーブルもテフロン加工がしてある純正のものに交換(といってもJagwireと同じくインナーワイヤーも製造はサードパーティー製なのだろうが)。
ブレーキシフターにタイコを通してやる。
ブロンプトンのフロントブレーキアウターケーブルは中受けを境に上下に分かれているのでそれぞれ通してやる。
今回は下側のアウターケーブルのみ固着して逝ってしまっていたので下側のみ交換。
ちなみにたびたび取り上げているブロンプトンの変則的な下引きブレーキだが、下側だけアウターとインナーが固着してしまっていたのもこの下引きが原因だと思っている。
下引きであればアウターケーブルが上向きになって収まることになるので、雨水や泥水が入り込みやすくなる。
これが上引き(先端が下向き)だったら重力で雨水も泥水も落ちていくことを考えると、ロードもMTBもママチャリも、なぜほとんどのケーブル式ブレーキが上引き(上に引っ張るため末端は下を向いている)なのかがよくわかる。
それでもブロンプトンが下引きを採用しているのは、特にリアで、上引きだとケーブルが上部に出てしまい、折り畳みができなくなる(後輪上部が折り畳み後に逆さになるが、その際にケーブルが地面に干渉してしまう)からだろう。
ブレーキケーブルを無事通して引きをテストして問題ないことを確認。
あとはキャップを取り出して、
先端に被せて保護してやれば完了。これをしないと先端がバラバラになり、そうなってる自転車もこちらではよくみかける。
これでフロントはキャリパー、ブレーキシュー(新品キャリパーに付属)、ケーブルと全とっかえした状態に。
翌日実際に通勤で走ってみると蘇ったかのようによく効く。
が、これが罠。
毎回交換するたびに「この効きならブロンプトンでいいじゃん」となって乗り換え願望がなくなっていき、結局また劣化がやってきて悩まされることになるという繰り返しをしてきて早6年。
新品を試乗しても同じような「その場限りの快適さ」を味わうことになるからそのデメリットを実感しにくくなってしまうことは否めない。
やはり恒常的なストッピングパワーの維持やメンテの面で優位性のあるブレーキ(を装備した自転車)に買い換えたいものであると心を新たにしたのであった。
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