厚底シューズ禁止報道でアシックス急伸

箱根駅伝では84%の選手※がナイキを履いていたということで独占状態になったナイキシューズ(※210人中177人がナイキ)。

青山学院の「レースで走るときはナイキ、表彰式で走る必要がないときはアディダス」というスタイルは逆にスポンサーのアディダスのネガティブキャンペーンになっちゃったんじゃないかとSNSでも騒がれた。

青山学院は、10月の出雲駅伝で5位、11月の全日本大学駅伝では終盤に東海大の逆転を許し2位に甘んじた。この時まで、彼らの足下はアディダスだった。それだけに、箱根に登場した選手全員がナイキの厚底だったことは衝撃的だった。

原晋監督はレース後、シューズについて訊かれて「ノーコメントということにさせてください」とすり抜けた。シューズは各選手の選択に任されているといわれるが、よほどの差がない限り、契約のあるアディダスを使う選択が優先されるところだ。つまり、それほどの差がある、という意味だろう。

表彰式に臨む青山学院の選手たちは全員がアディダスのシューズに履き替えていた。ここにも、学生スポーツでありながら巨大なスポーツビジネスの一端を担う箱根駅伝の現実が浮かび上がって見える。学生ではあるが、広告塔であることを自他共に認識している。それが箱根駅伝だ。

箱根駅伝を席巻した「厚底シューズ」は本当に禁止すべきか

が、その厚底シューズも世界陸連が使用禁止の規制に乗り出すと報道された。

陸上の長距離レースなどで多くの選手が履き、好記録が相次いでいる米スポーツ用品大手ナイキの「厚底シューズ」について、世界陸連(WA)の新たな規制で使用が禁止されると、英紙タイムズ(電子版)など複数のメディアが15日に報じた。

厚底シューズは、靴底に炭素繊維のプレートを埋め込んで反発力を高めており、一部の選手が「不公平な利益を生んでいる」として、WAに調査を求めていた。

ナイキ「厚底シューズ」使用禁止か…一部選手「不公平」

ただ、厚底シューズというが、ソールが厚いシューズは昔からあり、そもそも厚底がここまで脚光を浴びる前は「初心者用は厚底で、上級者になるほどソールが薄くなる」というのが一般認識だったといえる(し、今もミズノ等のモデルではそうなっている)。



この点、単にソールが厚いから駄目というわけではなく、英語の報道を見てみるとむしろ問題はランナーの走りを「アシスト」する機能であり、そのアシストを実現しているカーボンプレートの反発力と厚いソールの組み合わせに問題があるということらしい。

Nike's Vaporfly shoe, the latest version of which was worn by a marathon winner who smashed a world record last year, is reportedly set to be banned by World Athletics (formerly known as the International Association of Athletic Federations) amid allegations that its unique design provides an unfair advantage to runners.

The sneaker has come under scrutiny, with claims that its foam and carbon fiber composition in the sole serves as a spring that gives runners an edge by providing an increased forward push on each stride.

"If there is an advantage to the shoe, it may be better to provide for all who wish to use the shoe. I would bet that Brooks, Adidas, etc are all working on competitive prototypes. It will be hard to ban each shoe," he adds.

World Athletics has yet to announce a decision on the ban and whether Kosgei's record time will remain valid. A moratorium is reportedly being considered by World Athletics that could see the world records stand despite the ban, The Sun reported.

New regulation on the use of carbon plates and placing a limit on the thickness of a sole are also reportedly set to be legislated by World Athletics.

NIKE'S RECORD-BREAKING VAPORFLY SHOE SET TO BE BANNED BY WORLD ATHLETICS

ただspring(反発性)という発想は昔からあるし、プレート自体も昔からある

ミズノの樹脂製プレートであるミズノウエーブやプラスチック製など今に始まったことではない。

新しいMIZUNO WAVEは反発性の高いナイロンなどの樹脂で出来ているプレートに変貌をとげ、1997年11月に第二世代最初のグローバルモデル WAVE RIDER と WAVE ST がデビュー。

MIZUNO WAVE開発物語

そもそもカーボンプレートのカーボンとは炭素繊維強化プラスチックのことなので、プレートの素材が炭素繊維強化プラスチックならアウトでプラスチックはOKっていうのも議論を呼びそうで、ちゃんと定義しないと混乱を招きそうだ。

最悪、自転車レースのヘマトクリット値50%以上はアウト※という規制のように意味のない結果にもなりかねない(※50%未満ならドーピングしてもひっかからないということで「この金額までなら万引きしてもいいっていうのと同じだ」と揶揄された)。

ご存知のように、機材スポーツの自転車ではこういった規制はこれまで何度も行われてきた。

やれランバーサポート(例えばアピュイドセル)は駄目だったり、空気抵抗を減らすカウルは駄目だったり、サドルからBBまでの距離規制でオブリーがUCIの審査員の前でサドル先端を切り落としたり・・・(というかノコギリどっから出した?!)



ナイキヴェイパーフライを履いていたブリジット・コスゲイの記録を取り消すかどうかという話しまで出ているのはまさにオブリーのアワーレコードが後付で取り消されたのを彷彿とさせる

そういう点では、機材とアスリートのパフォーマンスのバランス問題は自転車競技ではお馴染みの話であり、自転車業界が規制と技術革新の狭間で新製品開発に苦しんできた「いつか来た道」をランニング界も歩んでいるのかもしれない

なにはともあれ、箱根駅伝ショック※で急落していたアシックスの株価もこれを受けて急伸。(※2019年は51人が履いていたアシックスは2020年はたったの7人となり、前年比86%減となった)

なんというか、このニュースで急伸するあたり、「シューズ性能では劣ってます」というのを市場から認定されてしまっているようで悲しい。



まあ初心者の自分はこんなシューズ影響を気にするレベルにないんですけどね。
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \


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