2年前にダイエットしたときのように、PFCバランスに注目して低糖質を指標にしてみようか・・・。
ちなみにPFCバランスについて注目するのは様々な低炭水化物ダイエットでもそうで、アトキンス式、パレオダイエット、ケトジェニックダイエットなど、その割合は異なるものの、糖質の割合を制限することをダイエットの指標としている。
大同小異なこれらのダイエットだが、それぞれ目標摂取基準は異なり、厳格なケトジェニックダイエットでは炭水化物の摂取量を40~60グラムとしており、カロリーでは約200kcal(=中央値50グラム×4kcal)となり、2000kcalを一日のカロリー総摂取量基準とすると約10%となる。
なお、カロリーではなくPFCバランスに注目した例としては、サムフェルサムの人体実験もある。
サムフェルサムの実験
詳細を解説しているサイトはいくらでもあるので、ここではポイントだけまとめてみたい。
サムフェルサムというブロガーが自分の身体で実験した内容で、箇条書きにするとこんな感じになる。
- 同じカロリー摂取量で、PFC内容だけ変えた食事をそれぞれ21日間続けた
- 最初の21日間は低炭水化物&高脂質で、炭水化物摂取量を全体カロリーの10%に抑え、
- 次の21日間は標準的な割合(※1)となる炭水化物64%の食事を行った
- どちらもネットカロリーは約47,000kcalのプラス(※2)で、カロリー計算上は7kgほど増える理論値となる。
- しかし、低炭水化物の結果は、体重は1.6kgしか太らず、逆にウエストは3cm痩せた
- 一方、標準的な割合の炭水化物を食べたときは、体重は7.1kg増えて、ウエストも9.25cm太った
ちなみに理解を含めるために以下注釈をしておく。
※1:アメリカ糖尿病学会やアメリカ心臓協会推奨の「栄養バランスのとれた食事」に収まる割合になる。日本の厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」でも摂取基準は50%~65%となっているので同範囲内に収まっていることになる。ただ、あくまで割合が標準的なだけであり、摂取カロリーの絶対値は大きく上回った異常値となっているので注意。
※2:上記の※1でも触れた通り、ネットカロリーが約47,000kcalのプラスということは、「めちゃくちゃ食いまくってる」ということに他ならない。実際、彼の一日の摂取カロリーは5,794kcalで、自分のチートデイの日の摂取量よりも多い。つまり、この比較実験は「どれだけ痩せるか」ではなく、「食いまくっても体重増加が抑えられるのはどっちだ」という視点で見るとわかりやすい。
グラフで表すとこんな感じで、青と緑がそれぞれ通常の炭水化物割合(CARB)と低炭水化物(LCHF)の理論値、黄色と濃い赤がそれぞれの実際の体重変化になる。
なお、サムフェルサムは別の実験も行っており、今度は低炭水化物食で、理論値の体重変化がゼロになるようなカロリー摂取量で21日間過ごしている。
この結果、カロリー計算上では21日後の体重は変わっていないはずなのだが、実際には体重は5.65kg減少し、ウエストは7.5cm痩せ、体脂肪率も2.7%低くなっていた。
サムフェルサムを読み解く
この結果を受けたサムフェルサムの感想、主張は以下のとおり。Wikipediaにも上記のうち前者の実験内容が記載されているので以下引用させていただく。
フェルサムはこれらの過食実験を通して、
- 「(脂肪が豊富で炭水化物が少ない食事を摂り続けても太らなかったことについて)簡単に言うなら、『食べ物に含まれる脂肪分には、ヒトを太らせる作用は無い』ということである」
- 「炭水化物の摂取を増やし、脂肪の摂取を減らしたところで、あなたが食べた炭水化物は体内で脂肪に変わる」
- 「精製された炭水化物を食べ続けていれば、身体に生化学的な損傷が発生し、インスリン抵抗性を初めとする疾患を惹き起こすだろう」
- 「体重を管理する方法について、『食べる量を減らして運動量を増やせ』としばしば言われるが、これは誰の何の役にも立たない、愚鈍で疎慢な『助言』である」
- 「精製された炭水化物のような『偽物の食べ物』ではなく、肉や卵のような『本物の食べ物』を食べよう」
- 「脂肪が豊富な肉・魚・卵・ナッツ類、緑色野菜は食べたいだけ食べて構わない」
- 「炭水化物を食べ続けている限り、あなたの身体から脂肪は減らない」
- 「肥満や病気が蔓延しているのは、人々が『食べ過ぎるから』ではなく、『偽物の食べ物を食べるから』だ」
- 「医療関係者に言いたいのは、患者に対して『偽物の食べ物』を減らし、『本物の食べ物』を食べるよう促すことだ」
- 「各国の政府は、食事に関する政策を改め、『偽物の食べ物』を排除し、砂糖会社への補助金を停止すべきである」
と述べている。
Wikipedia 低炭水化物ダイエット
逆に自分が注目したのは、通常の炭水化物割合での実験結果。
驚くべきことに、理論値と実際の体重増加が+7kgでほぼ一致しているのである。
つまり、通常のPFCバランスである限り、カロリー計算はなおも有効といえる。
一方で、彼の実験結果は注目に値するものの、消費カロリーの記載が十分でないのが心許ないところ。そもそも体重が10kg範囲で動いている※ので消費カロリーにも幅がでるが、逆算すると消費カロリーを3900kcal~4100kcalほどで計算していることになる(※低炭水化物の初日は85.6kgだったのが、通常炭水化物割合の最終日は96.8kgまで増え、その後のヴィーガン実験で92.0kg、上掲後者の低炭水化物の最終日は90.35kgと振れ幅がある)。
これはハリスベネディクト式で言うと活動係数は2.0程度だが、身長や年齢、実際の運動量等の詳細がわからないのでなんともいえない。
また、サムフェルサムの例はあくまで個人例なのでそれを承知しておく必要がある。研究論文等ではサンプル数1の結果は信頼に値されないし、当の本人も、「自分は専門家ではないので食に関する議論の題材になれば」("I am not a professional scientist or doctor and the way that I do things is to engage more people in the discussion of food.")と述べている。
さはさりとて、自分もケトジェニックで体脂肪を一気に減らした体験があり、大筋同意ではある。
もともとタンパク質は体重の2倍摂っていたので、摂取カロリーを減らさないために炭水化物が減った分脂肪の摂取量が増え(カロリーは三大栄養素PFCの合計なので、合計もPも変わらずにCが減れば当然Fが増える)、意図せずしてケトーシス状態に移行していたと思われる。
実際に血清ケトン濃度(ベータヒドロキシ酪酸)を計測してみると、レース前の体を作りこんだ状態で2.5mmol/L。
【結果からコミットする】10kg痩せた結果から導き出された効果的なダイエット方法とは【ケトザップ】
ここは重い腰を上げて2年ぶりに炭水化物制限を再開すべきか・・・。
ちなみになぜ重い腰かはもちろん炭水化物には誘惑があるから。
ときどき爆食いするアイスクリーム。
バイキングで何度もおかわりする、自分でつくるソフトクリーム。
食から炭水化物がなくなったら、人生の楽しみの多くが失われることだろう・・・。
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