帰ってきたVIX賭博黙示録:60000000円分のVIXスプレッド勝負

基本的にVIXのタームストラクチャーは平時はコンタンゴ、急落時にはバックワーデーションになりますが、期中の一部分だけで盛り上がったりすることは稀です。

が、最近のタームストラクチャーでは、10月限だけ跳ね上がっていて10月限→11月限で局所的にバックワーデーションが起こっています

原因は11月5日のアメリカ大統領選挙でのボラティリティ上昇を見込んだものですが、この現象は最近始まったものではなく、1月26日にBloombergの記事「Traders Bid Up Newest VIX Contract to Hedge Trump-Biden Risks」でも報道されていました。

以前の大統領選でも同様の傾向はありましたが、記事にもあるように、2020年、2016年の大統領選挙では、半年以上前の段階ではここまで歪なカーブは出ていませんでした。ちなみに2020年はコロナ直撃時期だったので2016年の方が参考になりそうです。

むしろ2016年当時、ダークホースだったトランプの当選自体がサプライズだった状況と比べて、ある程度トランプの勝利も織り込まれている今回はどちらが勝っても「サプライズ」と言えるほどにはならなそうです。

ここはまたVIXに手を出してみるか…

システムトレードは安定飛行ではありますが、取引機会が少ないためにいつ芽が出るのかもわからない状態。安定飛行を一種のヘッジとして考えて、裁量トレードではリスクを取って戦いたいところ…

ただXIVのようなVIX ETFで大損害を被った経験としては、強制償還のあるETFは避けたい…。

あくまで取りたいのはVIXのリスクであって、ETF発行体のリスクはいらんのです

となると直接VIX先物を、さらに先物カーブ全体が動く場合のボラティリティリスクも取らず、あくまで他の限月との相対的な10月限のエッジ解消を狙いたいところ

2020年のようにコロナ暴落でVIX全体が噴き上げる可能性を考えると、10月限単発に賭けるのはリスクが高いと思います。

特に個人利払い影響を加えたCPIは7%近くでまだ高すぎる※ことを考えると、ソフトランディングの蓋然性は低く、いつ暴落が来てもおかしくないのではと思えるほど…。(※「Summers: Inflation Reached 18% In 2022 Using The Government’s Previous Formula」)

というわけで10月限を中心とした前後限月とのカレンダースプレッドで取りにいきます

なお、1月下旬時点では9月限との差は3.3ポイントでしたが、だんだんと歪みは解消されてきて足元は2.59ポイントまで縮まっています。

9月限-10月限と11月限-10月限のイントラマーケットスプレッド(先物カレンダースプレッド)をそれぞれ組みます。

9月限-10月限

9月限-10月限はある意味通常のコンタンゴなので、期限が近くなれば期近のカーブと変わらなくなり、収益機会が出にくくなりそうです。一方で下げ相場で期近が噴いてバックワーデーションになってくれればある程度コンタンゴが解消されそう。

9月までの間にバックワーデーションが起こる蓋然性は高いとみているので悪い賭けではなさそうです。ただ、過去年の同タイミングの動きをみる限りでは、5月中までが勝負で、それ以降はエッジが消えそうなのでそれまでには決着させてしまいたいです。

11月限-10月限

一方で、11月限-10月限は9月限-10月限より収益期待値は高そうです。現時点ですでにバックワーデーションになっているので、バックワーデーションが解消されればそのまま収益に繋がります。

期日ギリギリまで持つケースを考えると、10月限が中心限月になったときにどう動くかがポイントになります。大統領選直前はイベント結果待ちで動意が乏しい展開になりそうなので、0DTE近くまでホールドすればコンタンゴになる可能性が高いのではという思惑です。

実際、2020年も2016年もSQ決済日の前月あたりでコンタンゴが進んでいます。


逆に直前で暴落が起こると鞘が広がってマイナスが膨らむ可能性がありますが、そうなったら素直に敗北を認めるしかありません。

ということで41.1万ドル(≒6,220万円)分の10月限VIX先物をショートして9月限と11月限をロング


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