高度に発達したスマホはパソコンと見分けがつかない?スマホ不要論 vs パソコン必要論

子供にスマホは使わせたくないけどパソコンは使わせたい

うちは小学5年生になる息子にまだパソコンを使わせていません。

学校ではChrome Bookを使っているし、家でも必要であれば親のパソコンを使わせたりしているのですが、自分のパソコンというものは持っていない状態。

この点、日本の総務省が発表した「令和5年通信利用動向調査の結果」を見ると、世間一般ではスマートフォンの保有が9割以上となっていて、逆にパソコンの保有状況は減少傾向にあります。

が、自分の意見としては逆で、スマホは持たなくてもいいからパソコンには早く慣れて欲しいと思っています。

スマホ不要論を考える

思うに、スマホはいらないというかぶっちゃけ持たなくて済むなら持ちたくない部類に入ると思っています。

電車通勤等で移動時間が多いなら欲しいところですが、自転車通勤の場合は移動中にスマホを見る機会はなく、家ではパソコン、オフィスでもパソコンがあるのでわざわざ小さい画面を使うインセンティブがありません。LINEもパソコン版を入れているのでキーボードで打った方がよっぽど早くメッセージをやりとりできます。

特に中国語や広東語を打つときはパソコンの方が圧倒的に楽で、そういえば中国人のWeChatやWhatsAppのやり取りでは録音データが行き交っているのも「いちいち打ってられねぇ」というのもあるのかなと思いました。

ちなみにニューヨークではGoogle WalletはありますがSuicaのお財布ケータイ的なものはなく、電子決済もクレジットカードでワンタッチですし、地下鉄もクレカワンタッチ対応なのでスマホは使っていません。

と考えると、普段スマホで使っているのはカメラと2段階認証くらいです。

この点、2段階認証はセキュリティの面からいえば重要度大なのですが、それ以外の、スマホのLINE通知とかは集中力を途切らすだけですし、スマホが近くにあるだけで生産性が落ちる研究結果もあることを考えると、できるだけスマホは携帯しない方が人生の質を改善してくれるのかと思います。

 実験における介入は、ごく簡単なものだった。作業に入る前に、スマホを目の前に置く(机の上に伏せて置く)か、ポケットかバッグにしまう、あるいは別の部屋に置いておくかのいずれかを行なうよう、参加者に指示したのである。また作業の邪魔にならないよう、スマホのアラート音やバイブレーション機能はオフにしてもらった。
 結果は明快だった。作業の成績が最もよかったのはスマホを別の部屋に置いたグループで、次がポケットにしまったグループだった。スマホを机の上に置いて作業したグループは、最下位だった。スマホの電源を完全に切っていた場合でも、同様の結果が得られた。スマホを近くに置いたグループの成績が最低で、別の部屋に置いたグループが最高だったのだ。

それにスマホ内にゲームやYouTube等があるとスキマ時間もそれに奪われてしまい、大事な時間である「ボーっとする時間」(DMN、デフォルトモードネットワーク)を奪ってしまうことになります。

パソコン必要論も考える

一方で減少傾向にあり65.3%という保有率のパソコンですが、スマホに比べて圧倒的に作業効率が高く、ポケットに入らないというサイズ感を除けばほぼすべての面でパソコンに軍配が上がると思います。

処理速度も早く、画面も大きく解像度も高く(=一覧できる情報量が多い)、データ容量もGB(ギガバイト)のスマホに比べてTB(テラバイト)で保存できます。もちろんクラウドストレージなどスマホで利用できるものはパソコンでも利用できます。

では、将来スマホの処理速度が上がってスマホがパソコンを駆逐するかと考えると、そうはならないと思います。

なぜなら、会社でパソコンを使わずにスマホだけで業務をしている姿を想像できないから。

個人では利用率6.5割のパソコンでも、企業活動ではパソコンが主流であり続けると思います。サブでスマホでメールをチェックしたりはできますが、オフィスに出社した社員たちが黙々とスマホを触って業務している未来が来るのかと言われると微妙です。

その背景には、スマホは受動的なコンテンツ消費に向いている一方、パソコンは能動的に手を動かして発信する作業に向いているという特徴があるのだと思います。

典型的なのはVtuberなどのライブ配信で、見る側はスマホで見ていても、発信者側はパソコンでリアルタイム音声変換やモーションキャプチャー等を使って配信しているケースが多いでしょう。

動画編集や3Dモデル編集では、スマホでも編集アプリがあることにはありますが、PremiereやAfter Effects、Blendarと同等かそれ以上の機能をスマホアプリでは実現できていないわけです。

PythonやJavaもパソコンのIDEとスマホ向けIDEではできることの差が天と地ほどありますし、PandasやPolarsで大容量データを扱いたい場合なども効率性からパソコンでの作業一択になります。

その他にもRDBMSでの在庫管理やExcelでの作業、納品書の作成からビジネスメールのやりとりまで、こと仕事に限っては効率性の観点からパソコンがメインになると思います。

近未来はどうなるのか

一方で、スマホの性能が上がれば会社に出社してスマホをドッキングステーション(おそらくその頃は無線)につなげてVDI(仮想化デスクトップ)にログインすることで、あたかもスマホだけでパソコンを操作しているようにモニターとキーボード、マウスで仕事ができるようになるかもしれません。

こうなってくると定義や境界線の問題で、そもそもVDIはパソコンが仮想化された環境なんだからパソコンを使ってるのと同じだとか、前章で述べたパソコンの優位性ではモニターの一覧性やキーボードの入力効率も含めて「パソコン」と定義していましたが、スマホにモニターとキーボードをつなげて「パソコン」と同等の処理ができるのであれば、それはもはやパソコンなのではないかともいえるわけです(実際Samsung DeXなどスマホをデスクトップ化する試みもあります)。

まあスマホがパソコン化するにしろパソコンに慣れておくことは将来的に役立つと思うので子供には早いうちからパソコンに慣れてもらって、できればキーボードショートカットだけでExcelを操作するような猛者になってもらいたいものです。


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