ニューヨーク市周辺のローディー用トレーニングコース

以前ご紹介した通り、ニューヨークのローディーにとって定番となっているトレーニングコースに9W(ナインダブリュー)がある。

南北に伸び、北はニューヨーク州の州都のAlbanyまで200km以上続く国道なのだが、この9Wの起点がフォートリーなのである。


バイクシェアリングやDOT(ニューヨーク交通局)の施策を受けて、ニューヨークのサイクリングロードや自転車レーンの数も多くなった。

が、自転車人口の増加によってもちろん自転車に乗る人も多様化しており、通勤、通学、メッセンジャー、デリバリー、観光客など様々。

そんな中、普通のサイクリングロードや自転車レーンでロードレース用のトレーニングを行うのは事実上不可能かつ危険であもり、ローディーがトレーニングできる場所は限られている。

この点、ローディーがトレーニングできる場所といえば、ロードレース会場にもなっているセントラルパーク、プロスペクトパーク、フロイドベネットフィールドか、センチュリーライド等で定番のルートになるPalisades Interstate Park ~ 9Wとなる。


■セントラルパーク



今から三年半前、2009年の冬は実走のトレーニングといえばセントラルパークであった。

もっとも当時はレースもしておらず、トレーニングというよりはエクササイズで汗をかくという程度であったが。



最初で最後の立ちゴケをした思い出深い場所でもあり、最初のときは1周しただけでヒーヒーゼーハー言って力尽きてたのが懐かしい。

当時は自転車で10分くらいで行けたのだが、その後ブルックリンに引っ越したため普段のトレーニング場所としては遠くなってしまい、レースくらいでしか行かなくなってしまった。




■プロスペクトパーク



2010年の春からは、引越し先からこちらも自走で10分ほどという立地の良さも手伝って、プロスペクトパークがトレーニングの中心になった。

特にレースを初めてチームに入ってからは朝練もあったため、少なくともレースも含めて1週間に6日はプロスペクトパークを毎朝走っていた



チームメート以外にも知り合いができたり、リスを轢いたりアライグマと衝突したりといろいろなことがあったが、2011年の夏に救急車で病院に運び込まれるクラッシュを経験。

自分以外(自分の場合は自転車対自転車だったが)にも、自転車と歩行者の衝突事故が多発し、ニューヨーク市警のサイクリスト一斉取締り運動にまで発展、一気に走りにくい場所になってしまった。

ちなみに2012年の晩夏~秋以降、プロスペクトパークやセントラルパークでの取締りが厳しくなり、とてもではないが、タイムを計ってトレーニングするような状況ではなくなってしまったのでその頃から普段のトレーニング場所として使わないようになった。

信号無視でチケットを切るために待機してるパトカーがいたり、スピード違反で捕まった例もある。ニューヨークの公園では、車両は時速25マイル(40km)制限なので、下りや全力スプリントでは簡単に越えてしまい、もがき練習ができない環境になってしまったのである。


■フロイドベネットフィールド



セントラルパーク、プロスペクトパークという2大サーキットを失ってからは屋内でのローラー練習が中心となった。

が、忘れてならないトレーニング場所にフロイドベネットフィールドがある。



ここはレースも行われており、元飛行場の滑走路ということもあって信号も存在せず、めちゃくちゃ幅の広い道を思いっきり走ることができる。



海風が強いものの、それも強風対策トレーニングとして考えれば申し分ないのだが、完全にフラットであることと、辺鄙な場所※にあることがネックで、普段の、特に出勤前にひとっ走りできるようなトレーニング場所としてはむかない。

��※もちろん近くに住んでいればいいのだが、ブルックリンの南東端に位置し、周囲はゴルフ場や大型ショッピング店舗で居住地区ではない。)


■Palisades Interstate Park ~ 9W



9Wは以前からもローディーに人気のトレーニングルートであったが、上記ニューヨーク市警の取り締まり強化を受けてからさらに人気が出たような気がする。

実際、ブルックリンのチームにいたときは、土日になると往復三時間の道のりを走ってまで9Wにトレーニングしにいこうという誘いがチームフォーラム内でよく交わされていた。

9W自体は南北に走るほぼ直線の道路であり、適度にアップダウンもある上、車一台分(場所によってはそれ以上)の路肩もあって走りやすい。



さらに、並行してPalisades Interstate Parkwayという高速道路が走っており、スピードを出す車はそっちを走っているため交通量も少なめである。

そして9WにつながるPalisades Interstate Parkもセンチュリーライド等で定番のコースであり、9Wにつながる北端の上りは平均勾配8%ほど(おそらくそれくらい)で、ヒルクライムTTも行われてる場所となっている。

ということで話しが長くなってしまったが、9Wこそニューヨーク市周辺のローディーに残された最後の砦なのである。




5 件のコメント :

  1. コースご紹介ありがとうございます!7月4日に3周セントラルパークトレーニングでしたが、私の前走者が見事につかまっていました、、、(私はパトに気づいたのでセーフ、、、)周りのローディーも「よく気づいて減速したな、俺もつかまるところだったぜ」といわれ、何とも奇妙な連帯がうまれたのですが笑
    今朝は早速9Wに行こうと思ったのですが、West Endに入るところで「パキッ」とMavic R-SYS SLRのアルミスポークが折れてしまいまして(号泣)、さすがにホイールセットは1組しか持っていなかったので今週はライドお預けになってしまいました。
    日本だと、どこでも自販とコンビニがあるので、ほとんど手ぶらでもなんとかなりますが、こちらでは補給とかちゃんと用意していないといけないですね、、、色々学ぶことがおおいです。今後ともよろしくお願いします!

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  2. コースご紹介ありがとうございます!7月4日に3周セントラルパークトレーニングでしたが、私の前走者が見事につかまっていました、、、(私はパトに気づいたのでセーフ、、、)周りのローディーも「よく気づいて減速したな、俺もつかまるところだったぜ」といわれ、何とも奇妙な連帯がうまれたのですが笑
    今朝は早速9Wに行こうと思ったのですが、West Endに入るところで「パキッ」とMavic R-SYS SLRのアルミスポークが折れてしまいまして(号泣)、さすがにホイールセットは1組しか持っていなかったので今週はライドお預けになってしまいました。
    日本だと、どこでも自販とコンビニがあるので、ほとんど手ぶらでもなんとかなりますが、こちらでは補給とかちゃんと用意していないといけないですね、、、色々学ぶことがおおいです。今後ともよろしくお願いします!

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  3. ��Yも東京に負けず劣らず、ローディーには住みにくい街のようですね。日本も4月から自転車の取り締まりが厳しくなりました(法改正)。ところでアメリカは(州によって違うのかも知れませんが)、自転車の道交法違反の罰則はどうなっているのでしょうか。罰金ですか?保険にもひびきます??

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  4. 初心者ロードレーサー2013年7月8日 10:29

    なんと。時間も経って少しは緩くなったのかと思ったら未だに取り締まりは厳しいままなんですね。
    一時期NYPDの取り締まり対象優先リストの中に、自動車よりも自転車の方が先に挙げられてたようで、狙い撃ちされるのは困ったものです。私も自転車通勤でセントラルパークを通ることになるので気を付けないといけません。こうなるとセントラルパークで全力出せて走れるのは北西のヒルクライム区間だけになりそうです・・・。
    それにしてもスポークが折れるというのは厳しいですね。おそらくNYのバイクショップではちょうど合うスポークをバラ売りしてるようなところはないと思うので修理に持ってって個別発注か、ネットで注文するしかなさそうですね。9Wライドならお付き合いできますのでご都合のいいときにお声がけください。

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  5. 初心者ロードレーサー2013年7月8日 10:35

    私も東京の条例のニュースを見ました。企業に自転車駐輪場の確保を義務づける一方でノーブレーキピストの販売を禁止とか。アメとムチのような演出をしつつ実はムチ多しみたいな感じですね。街乗りのノーブレーキピストはどうでもいいですがトラックレースに出たい人がトラック用のピストを購入したい場合どうするんでしょうかね。こちらでは毎週ベロドロームでトラックのレースがあって、(日本も同じだと思いますが)ブレーキなしのピストでしか出走を認められてないので。。。ちなみにアメリカで自転車の罰則をすると罰金があるのは間違いないですが、点数や保険にも響くと聞いた事があります。

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